学習能力を持つアドサーバー-etologyブロック・パープラ氏

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広告マーケットプレースの米etologyのCEOブロック・パープラ氏がthe New Context Conferenceに参加するため来日中なので、インタビューさせてもらった。
いろいろ編集するのが面倒なので、今回の音声ポッドキャストは全編英語です。ごめんね。
その代わり、字幕入りのビデオポッドキャストを明日以降にアップします。
また「イー訳」(いい加減・訳by湯川)を下に掲載しますので、「イー訳」を見ながら英語リスニングの勉強とあきらめて音声ポッドキャストを聞いてみてください。

etology(イートロジー)

web2.0的コンセプトの広告マーケットプレース。
そのやり方はebayに似ている。ebayは売り手と買い手が集うプラットホーム。物品を売買するための市場とツールを提供している。etology
は物品の代わりに広告枠を売買する市場やツール、機能を提供するサービスと思ってくれればいい。
広告主はetologyのサイト上で、広告枠を販売しているいろいろなサイトの情報を閲覧することができる。そしてその場でどのサイトに広告を出稿したい
かを決め、その場で広告を作成する。そしてその場で支払う。それだけですぐに、それらのサイトに広告が表示されるという仕組みだ。
サイト運営者は、etology上で自分のサイトの紹介ページを作り、広告枠の価格を決める。etologyはそれをマーケットプレース上に公開する。
つまりetologyは広告主と媒体社を結ぶソリューション・プロバイダーだ。 
グーグルのadwards
adsenseに似ているところもあるが、大きな違いはetologyはすべての情報を公開しているところだ。ユーザーはマーケット上で他社のサイトや価
格を見ることができる。他社のサイトの価格を参考にして、サイト運営者が自分のサイトの広告枠の価格を決める。われわれが価格を決めるわけではない。

競合社としてはadBriteがある。ほかの広告マーケットプレースとの違いは、われわれはソニューション・プロバイダーであるというところ。ほかの広告マー
ケットプレースは広告代理店としてスタートしているところが多い。契約している広告主や媒体社のためにマーケットプレースを運営しているような側面があ
る。それに比べてわれわれは、まずマーケットプレースありき。われわれ代理店からマーケットプレースに移行中のようなところは、われわれの仕組みに比べて
透明性が欠ける傾向にある。
会社の経緯を話せば、システムが動き出して2年足らず。現在1日に10億件の広告を1万2000サイトに配信している。2年間でここまで達成するようになった。
われわれのアドサーバーは、広告主が求めるような一般的なターゲティング機能に加え、より高度なインテリジェント機能も装備している。一般的なターゲティ
ング機能とは、地理的なターゲティング、サイト別のターゲティング、ユーザータイプやカテゴリーなどによるターゲティングだ。
一方でより高度なインテリジェント機能とは、どのサイトでどの広告主の広告の効果があるのかをフィードバックデータから把握する技術だ。広告を数多くのサ
イトに掲示し、どのサイトのどの広告から購買ページに飛んできたユーザーがどの商品を実際に購入したのかなどのデータをクッキーなどの技術を使って収集し
ている。それらのデータを基に、購入率が高くなるためにはどのようなサイトにどのような広告を掲載すべきを自動的に判断し、それに基づいて広告配信を最適
化する、という技術だ。つまりオンラインで購入した消費者は、どのサイトのどの広告を通じてやってきたかをわれわれはすべて把握している。その情報に基づ
いて広告キャンペーンを最適化できるわけだ。購買の意志を持った消費者を送り込んでこれないサイトの広告は、取り下げればいい。反対に購買の意志を持った
消費者を多く送り込んでくるサイト上には、より多くの広告を出稿すればいいわけだ。
またわれわれのシステムは、こうしたデータから自動的に学習できるようになっている。一度、靴の広告で得たデータを元に、別の靴の広告キャンペーンを効果
的に展開できるわけだ。つまりより多くのサイトが参加すればするほど、より多くの広告主が参加すればするほど、われわれのシステムは学習を繰り返しよりイ
ンテリジェントになるように設計されている。この技術をわれわれは、quantum
optimization技術と呼んでいる。まだ初期段階の技術だが、データを集めれば集めるほど、いろいろなことが可能になる。どのように発展させるか
については、いろいろと考えがある。例えば、ある種の広告主のパーフォーマンスパターンと別の広告主のパフォーマンスパターンが似ていれば、類似カテゴ
リーに入れるなど、ということだ。(データマイニングのようなものかも)
われわれのビジネスモデルはロングテール広告。大きなサイトのプリミアム広告に関しては、サイト自体が販売したり、強力な広告代理店が販売したりするの
で、われわれのマーケットプレースを利用する必要はない。われわれのマーケットプレースは、代理店が取り扱わないような中小の規模のサイトが広告枠を販売
するためのものだ。

-広告事業に注力するヤフー、グーグル、マイクロソフトなどの大手にどう対応するつもりか
やってみて気づいたことは、サイトにとってつきあう広告会社は1社ではだめだということ。etologyを利用するサイトの多くが別の広告マーケットプ
レースや広告代理店、グーグルアドセンスなど、複数の広告の仕組みを利用している。そのほうがより多くの種類の広告主とつきあえるし、異なる技術の利点を
利用できるからだ。われわれが調べた結果、より多くの収益を上げるためには複数の広告会社とつきあうほうがいいということが明らかになっている。というこ
とは、今後複数の広告会社が生き残れる可能性が大きいということだ。
また大手のサーチ・マーケティング会社は、われわれを使う傾向にある。われわれを通じて広告の一部を出稿するのだ。なぜならわれわれのレベルの広告はマー
ジン率が低すぎて、大手には魅力的ではない。それに透明性が問われる事業なのも彼らには不都合。儲けが少ない、透明過ぎるなどの理由から、われわれの領域
に彼らが入ってくるとは思えない。この領域に入ってくるより、われわれを利用したほうが大手にとっては都合がいいからだ。そういう意味でも大手をそれほど
脅威とは感じていない。

-3年後に米国のオンライン広告業界はどのような形になっていると思うか。
グーグルの天下だね(爆笑)。
冗談はさておき、僕はインターネット広告業界というものは3レイヤーに分かれていると思っている。一番上は、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、それに大
手メディア企業が入ってこようとしている。2番目のレイヤーは、過去5年から10年間に登場してきたオンライン広告の会社だ。3番目のレイヤーには創立5
年にも満たないような新しい広告の会社が存在する。興味深いのは、2番目のレイヤーの企業の多くが過去6ヶ月くらいの間に一番上のレイヤーの企業に買収さ
れたということ。2番目のレイヤーが空になっている。今後はそこに3番目のレイヤーの企業が上がっていき、成長するのだろう。その段階で1番目のレイヤー
の企業に買収される企業もあるだろうし、独立系のまま成長し1番目のレイヤーに上がっていく幸運な企業もあるだろう。
インターネット広告はコモディティ経済のモデルだ。ほかのコモディティ経済のルールが当然ながら、インターネット広告の世界にも適用される。そのルールと
は、価格が需要と供給の関係で決まるということや、多くの統合があるということや、規模の経済が存在するということなどだ。規模の経済とは、多くを持つ者
がより多くを得ることができるということだ。ということは、今後も企業買収、統合が続くのは間違いない。

-グーグル、ヤフー、マイクロソフトの中ではどこが優勢か?
個人的にはグーグルのような気がする。彼らが今一番乗りに乗っているから。従業員はハッピーだし。強いチームを持っているから。

-プレミアム広告や、従来型メディアの広告も、広告マーケットプレースに乗ってくるのだろうか。
そうは思わない。人手で対応しても十分利益を得られるだろうから。ターゲティング技術が向上し、マーケットプレースに出展する効果が上がれば話は別だが。

「ブロック・パープラ氏音声ファイル」

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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