ケータイ小説がウケる理由(吉田悟美一著)

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コンテンツ評価の物差しは「共有」へ、という記事を書いたあとで、ケータイ小説がウケる理由 [マイコミ新書]を献本していただきました。非常に参考になるなあ。特に、CGM的サービスは、実はモバイルでこそ真価を発揮する、という一言が心に残りました。

 著者の吉田悟美一(「さとび」と読むそうです)さんによると、ウケる理由は10個。そのうちの幾つかを紹介させてもらうと、1つは「言葉のリアリティ」。レイプや援助交際の話があったりと必ずしも読者に起こりうるようなリアルな展開ばかりではないけれど、言葉使いや状況設定が「リアル」ということだ。
 2つ目は「読者との共創」。読者から寄せられる反応を基にストーリーが展開されたり、読者が出版社に書籍化を持ち掛けるという。
 「テレビでは、放送と通信の融合など当面ありえない」というエントリーでも書いたけれど、今はメディア変革の過渡期。これからはケータイ世代が世の中の主流になっていく。ケータイ小説がウケる背景には、ケータイを使った共創型マーケティングの姿も見えてくる。メディア、広告関係者だけではなく、一般企業のマーケターにも参考になる話だろう。

 それにしてもマイコミ新書は旬な話題をすばやく新書にするのが上手だなあ。少なくとも僕のツボにはまる本を出し続けてくれているのでありがたい。

 ほかにも気になった箇所をメモ
・「恋空」は書籍化から1ヶ月で100万部を突破し、映画もヒット。
・2007年の年間ベストセラーの文芸部門のベスト3をケータイ小説が独占。ベスト10では5作がランクイン
・ケータイ小説は「小説」ではない。「読書」ではない。モバイルから生み出された全く新しいコンテンツ

・新たなメディアの登場ということだけではなく、モバイル・インターネットがもたらす「独特のコミュニケーション文化」が生まれている。
・短い文章、絵文字、記号、ギャル語。若者の文字表現が、モバイルによって変化してきている。ケータイ小説はその新しい文字文化で書かれたもの
・ケータイ小説「Deep Love」。渋谷センター街で援助交際を続ける17歳の女子高生の話。毎週1話(1600文字)配信。女子高生の口コミでアクセスを集め、作者によれば、感想メールが毎日数百通寄せられ、寄せられる実話をもとに話を構成していった部分も多いという。自費出版し3部作で10万部を通信販売
・書籍化された本が売れる一因は「ケータイで読んでいたユーザーが、記念品のような気持ちで購入するケースがとても多かった」(魔法のiらんど)
・ケータイ小説の源泉は、メール・コミュニケーション。恋愛や悩みの相談などのコミュニケーション。その発展系としてのケータイ小説
・修飾語の少ない口語的な文体が、まるで友人や仲間がすぐそこで語っているような、もしくはメールで伝えてきたような臨場感を持って、「感性」や「心」に直接響いている
・ケータイ小説の行と行がやけに空いているのは、映画のタイトルロールのような感じ。・小説とマンガの中間のようなイメージ
・モバイルは、朝起きてから寝るまで、ベッドやトイレの中まで、常に自分の傍らにあるツールであり、携帯している自分の分身。よってよりプライベートな情報の発信や自身、エモーショナルなことにも反応しやすいツール。共感したい欲求もケータイだからこそ。常にだれかとつながっている「常時接続」メディアでもある
・CGM的サービスは、実はモバイルでこそ、その真価を発揮する

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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