グーグル脅威論は幻想

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 「プロファイルパスポート」という経済産業省主導の情報大航海プロジェクトの一環のプロジェクトの記者会見に出た。詳しくはいろんなメディアが記事にしているので、そちらをどうぞ。
 簡単にいえば、消費者が意識的、無意識の両方の形で発信する各種情報を集積させて個人の属性を把握し、マーケティングに役立てるという話。
 もちろん時代はその方向に進んでいるので、研究開発領域としては間違っていない。
 でもアメリカでは、ある程度の枠組みはもう出来上がっていて、ネット企業各社がその枠組みにどうつながっていくのか、ということを検討し始めている段階。
 1からそういう枠組み作りが可能かどうかを実験している場合ではなく、完成しつつある枠組みにどう関係していくかを検討するほうが重要なんではなかろうか。
 それとも「日本の国益を考えれば、日本の企業だけで枠組みを1から作り上げることこそが重要である」とでも考えているのだろうか。
 多くの人が指摘していることだけど、情報大航海プロジェクトって、どうも???な気がする。グーグル脅威論に振り回されているんじゃないだろうか。
 わたしが今回のアメリカ取材ではっきりと再認識したのは、1社が強引に市場を独占できる時代は終わったのだということ。多くのアメリカ人エンジニアと議論したけれど、ほとんどの人がその時代の変化を認識していた。
 時代が変化したと考えるその根拠は、1つには技術革新が速すぎて規模の大きな企業にとって不利な状況が続いていること。2つ目は、人々がネットを通じて簡単につながれるので、多くの人が反対するような状況を強引に作り出せば、あっという間に反対勢力が形成されてしまうから。インターネットの商業利用があと5年早ければ、リナックスがウィンドウズの独占を阻止していたのではないだろうか。3つ目は、急速な技術革新がパイを急速に拡大させているので、他社の利益を奪い取らなくても参加者全員に利益が行き渡るから。他社を蹴落とそうとするより、他社と手を取り合って進んだほうが実は得るものが多い、ということをみんなが実感できるようになったからだ。
 グーグルの人が「グーグルvsマイクロソフトとか、グーグルvs電通とかいう物の見方って間違っている。戦う必要なんかない」というようなことを言うけど、それは本当にその通りだと思う。時代の主導権を握る唯一の方法は、多くの人に多くの便益を与え、多くの人に受け入れられることしかない。強引にユーザーを囲い込んで暴利をむさぼることは、もう不可能な時代になったのだと思う。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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