自動応答マスコットが作る顧客との新しい関係=株式会社イナゴ【湯川】

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5月28日にustream生放送祭「Change!」のstart-upプレゼンバトルに参加した株式会社イナゴのiPhoneアプリ「花咲けトーク!lite」。「花咲けミー!」と呼ばれるキャラクターと会話を楽しめるアプリだという。なんなんだ、このキャラクター。宇宙人なのだろうか。試してみたけど、簡単な受け答えぐらいしかできない。でも「ミー!」は会話を学習していくのだという。どういうことだろう??

 プレゼンバトルでは同社の社員さんが「ミー!」の着ぐるみを着てあまりおもしろくない寸劇をやっていた。なんなんだ、この会社?。

 この会社はよほどふざけたダメな会社か、それかものすごい技術を持った会社か、どちらかに違いない。そう思って怖いもの見たさで取材を申し込んでみた。6月のある蒸し暑い日に、取材を申し込んだことを半分後悔しならがら同社を訪れて話を聞いた。

 株式会社イナゴは後者だった。ものすごい技術を持った会社だったのだ。


 同社のCEOは、カナダ人のRon DiCarlantonio氏。カナダの名門ウォータールー大学のコンピュータサイエンス科を1989年に卒業後、IBMを含む北米の幾つかの企業を経て来日、Sony/Tektronixに勤めた。その後、東京のソフト開発ベンチャー9003 incに参画し、バーチャル水槽ソフトAQUAZONEの開発した。

 僕自身このAQUAZONEというソフトのことを知らなかったのだけど、一世を風靡したような人気ソフトだったようだ。

 DiCarlantonio氏はその後カナダに戻り、1997年から大手玩具メーカーのマテルを通じて北米でのAQUAZONEのパッケージソフト販売を始めるとともに、ネットでユーザーに直接販売し驚くような利益を上げたといいう。

 それと同時に同氏は次のレベルを目指した。「ペットのシミュレーションの次は人間のシミュレーションを完成させたいと思って技術開発を続けました。そして完成したのがNetPeopleというプラットフォームです」(同氏)。日本人女性と結婚した同氏は、日本とカナダを行き来しながらNetPeopleの改良と商業利用を推進してきた。

 NetPeopleとは具体的には、バーチャル秘書や自動応答ロボットなど、人との受け答えを可能にするような技術の集合体だ。核になっているのは、NetPeopleゴール・ベース推論エンジン、コンテキスト認識、自然言語処理などの技術だという。十数年も技術開発を続けてきただけあって、かなりの完成度になっている。

 どういう技術なのかを理解するのには、バーチャルエージェントと実際に会話してみるのがいいだろう。
 
 株式会社イナゴのページにMonaというエージェントがいるので、いろいろと質問を入力してみてほしい。

 またほかにも、au oneの会員サポートのページの「おしえて!Missコンシェ」やブラザー販売の「ブラザーサポートナビ24」などのサイトでもバーチャルエージェントに質問できる。

 イナゴはNetPeopleに関する質問、au oneは会員サービスに関する質問、ブラザー販売はミシンに関する質問とうように、質問内容が限定されているため、かなり的確な答えが返ってくる。また一部の音声ガイダンスのように、「Aという商品に関する質問は1を、Bは2を押してください」といった形で質問内容を絞り込む形式ではなく、割と自然なやりとりで質問できるようになっている。

 このようにイナゴはNetPeopleをこれまでカスタマーサポートの領域に提供してきたが、今後はウェブマーケティングやBtoCの市場にも挑戦していきたいという。「NetPeopleAgentが、人々がインタラクトするすべてのデバイスやチャンネルで自然なインターフェースにすることが目標なんです」と同氏は言う。

 BtoC向けに初めて出したのが、「花咲けトーク!lite」ということだ。ただのふざけた感じのアプリと思うなかれ。これを企業のブランド構築やマーケティングに利用できるわけだ。自社のマスコットがこんな感じで動き、ユーザーと対話するようになればどうだろう。ユーザーがブランドに対する親近感を持つようになるのは間違いないと思う。

 またユーザーとのリアルタイムの対話の中でキャンペーン告知などの情報提供も可能だし、ユーザーサポートもできる。ユーザーとの会話はすべてサーバーに記録されるので、解析することでユーザーが何を求めているのか、求めていないのかを知ることも可能だ。ありきたりのアンケート調査よりも、よっぽど楽して、しかも自然な意見を入手できる。消費者とのよりよい関係を築くことも可能だ。

 また消費者にとっても、欲しい情報をすばやく簡単に入手できるというメリットがある。

 これは新しい形のユーザーとの接点になるんじゃないだろうか。これはすごいぞ!

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