プログラミング教育は世界共通、CA Tech Kidsがルワンダで次世代のリーダーを創る授業

Africa, 教育

「次世代を担うリーダーを育てるとしたら、もはやITを活用しないという選択肢はあり得ないと思うんです」

2013年5月にサイバーエージェントのグループ会社として主に小学生向けのプログラミング教育事業を創業したCA Tech Kids代表取締役社長 上野朝大 氏は言います。事業を開始してまもなく4年。当時小学生だった教え子たちも中学生になり「見違えるような成長を遂げた」(上野氏)と振り返る一方、もっと教育としての本質的な価値を高めてゆきたい」と彼は考えています。

そうした思いはアフリカ・ルワンダ共和国での小学生を対象としたプログラミング授業に関わることでさらに強まったようです。


プログラミング教育ー必修化の波

CA Tech Kidsのスクール事業は、年間40コマの授業で月謝が1万9000円。当初60人の生徒からスタートし、現在では1200名という規模まで成長しています。

「初めは関心が高い家庭が熱心に参加してくださいましたが、徐々に子供が興味をしめしているのでやらせたいという層に拡大していきました。そして2016年4月に文部科学省は2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討すると発表してからは一気に生徒が増え、これまで少なかった同業者も急増していったように思います。

ただ、プログラミング教育はTOEICやスポーツ、資格のように動機が明白ではありません。子供達が意欲を持って取り組めるような魅力作りが必要です。カリキュラムについても構文を教えるのではなく、“今日はシューティングゲームを作りましょう”というレールを敷き、それにあわせてプログラミングを展開してもらう形です。自然な流れの中で “玉が敵にあったかどうかはIF文を使います”といった要素を学べるようにしていくような工夫をしているんです。

今回、ルワンダ共和国の小学校向けのカリキュラムを英語に翻訳して、全10日間のプログラムとして2017年3月27日から授業を開始しました。まだ始まったばかりですが、プログラミング教育のカリキュラムは普遍的な要素があることに気がついたんです。どういった地域でも展開できるし、次世代の経済や社会を形成するのに役に立つ能力が育つ、そんな風に考えるようになりました」(CA Tech Kids上野氏)

ルワンダ共和国での取りくみが示すもの

CA Tech Kidsとしての海外での取り組みは今回で二度目。2016年3月に、サイバーエージェントグループの孫会社がベトナムにあり、そこを通じてカリキュラムを実施しています。ただ、若年層の人口は一定量おり、教育への意欲は高いとはいえ、生活水準(給料など)を考えると日本の教育費をそのまま適用するわけにはいかず、現地の教育者を育てるなど中長期的な投資が不可欠で、なかなか利益が出ない教育事業で他国展開をするには壁がありました。

こうした“教え手”の問題は日本の小学校の「プログラミング教育の必修化」においても問題が発生しています。教員が教えるのは現実的ではない状態。かつ、これまで都心だけが盛り上がっていたものが、全国からニーズが浮上するようになっています。CA Tech Kidsが教えるケースも増えているのですが(2020年プログラミング必修化に向けて)、いずれプログラミングの本質を教えられる教育者を増やさなくてはならない状況が必ずくると考えられているのです。

今回のルワンダ共和国での取り組みは、発展途上国でIT教育支援活動を行うNPO法人エドテックグローバルの旗揚げから始まりました。資金はクラウドファンディングのプロジェクトとして調達(CAMPFIRE「シリア難民とルワンダの青少年を「戦争を本気で無くす」リーダーに育成する学校を始動」)。先生は、NPO法人エドテックグローバルのスタッフをCA Tech Kidsが育てるという座組みです。PCは現地の企業から貸出を受けての開講だそうです。

ルワンダといえば約20年前に起きた内戦の歴史が私たちの記憶に刻まれていますが、今、アフリカ全体の急成長の波にも乗りICTの普及整備も進んでいるとのこと。今回のスクールは始まったばかりですが、現地から届いた子供達の写真を見る限り、未来は明るようにも感じます。

なお、この取り組みの実践報告会が2017年4月11日に開催されるとのことです。当日はなんと会場とルワンダの小学校をLive中継でつなぐとのことですので、関心のある人は直接現地の雰囲気を感じ取ってはいかがでしょうか。

PeaceTech 最前線 ~ルワンダでの挑戦~ 報告会
4/11(火)19時@新宿で開催(申込み受付中)
http://ptix.co/2mK4XfF

【関連URL】
・CA Tech Kids
http://techkidscamp.jp

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 小学生から中学生にかけて、子供達は「こども」から「おとな」へと階段を登っていく。つくづく大切だと思うのは創造性を欠くことなく学び続けられるようにできるか?という点。プログラミングは教え方次第で子供達の可能性を何倍にもしてくれる作用がある。始めはScratchやマイクラかもしれないが、もっともっと夢を拡大していけるような砂場のような領域とそれを維持する人と仕掛けが必要。CA Tech Kids上野氏は日本におけるこの業界の規模は10億円と見ている。小学校の必修化があるにしても急激に利益重視のスクールが出てきているを憂慮している。子供達のIT教育、ここにはもっと大きな投資がここには行われるべきだと思うし、もっと本質的な教育プログラムが増えるべきだと思う。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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