ライバルは「1Click飲み」、学生向け合宿開発イベント「Mashup Camp」優勝チーム 【@maskin】

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[読了時間: 2分]

 APIを活用した開発コンテスト「Mashup Award」(主幹事:リクルートホールディングス・メディアテクノロジーラボ)のスピンアウトとして企画された学生向け開発イベント「Mashup Camp」が2013年11月16日から17日にかけて、東京・御台場テレコムセンターのMONOで開催された。

 特徴としてはアプリやサービス、デザインや企画の経験や興味がある学生に限定している点。当日チームを組むところからスタートするため、ハッカソンとしての腕だめしのみならずチームビルディングやコミュニケーション力なども要求される。

 また、本線である「Mashup Award 9」終了後に開催されることになったことがどう影響を及ぼすか注目された。

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 最終プレゼンテーションは、審査員4名(TechCrunch編集長 西村賢 氏、首都大学東京システムデザイン学部准教授 渡邉英徳 氏、メディアテクノロジーラボ (MTL) 大城哲也 氏、TechWave編集長 増田真樹 氏)による採点形式で審査される。

 また、別途、協賛企業である楽天およびマイクロソフト社もそれぞれ特別賞の審査を行った。

 出場チームは11。人数として3名から5名の編成。中には1人で挑むケースもあった。

 採用APIとしては電話APIの「Twillio」が目立ったが、Facebookや楽天、GoogleMapなどうまくばらけていた印象。Kinectを採用したチームもあった。

 トップバッターの「Trick Cover」では、Facebookのカバー画像を写真からうまく作成できるアプリという、シンプルながら秀逸なアイディアを実装するなど、2日間&学生というしばりがあったとは思えない流れ。

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 短期間の開発コンテストといえば「とりあえず実装してみた」といった肩すかしが多いのだが、どのチームもある程度の実装はクリアした上に、企画のユニークなどを追求するといった傾向が見受けられた。

 特に写真を選択することで旅のルートを作成する「Image Travel」は、実装の程度こそまだまだだったが、斬新な発想を着実にサービスに落していく様はハッカソンの本質をつかんでいるように思えた。

 そういった観点では、カレー店を探して散歩するという「カレー散歩」などは、そのコンセプトこそ意味不明ではあるものの、メッセージ性を1点に絞ることで機能が企画の核心に収束していくプロセスが垣間見られた。

 一方で、一人暮らしの学生のさみしさを解消すべく、ランダムに電話でおやすみコールができる「グッナイコール」(Twilio API使用)では、プレゼンテーター自分がアプリに対する興奮を赤裸々に表現したあたりは(煩悩全開ではあるが)学生らしいだけでなく、うまく持っていけばチームのパワーにつながるようにも思えた。

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 ハッカソンとして技術的トライがあるわけではないが、歴史上の人物がスマートフォンを使用していたと過程して、そのUIを通じて人物象や日常生活などを理解する「オーダフォン」は、1990年代のCD-ROMマルチメディアを彷彿とさせるコンテンツとして審査員などの評価も高かった。

 完成度で注目を浴びたのは、グルメ予約サービス「YoyakuNow」。

 人数とエリアを指定して、興味がある店舗を複数選択すると、あとは自動で電話をかけて予約を確定してくれるというサービス。

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 開発した本人も名言してていたのだが、「Mashup Award 9」で優勝した「1Click飲み」をライバル視して開発したもの。

 企画の二番煎じにならず、サービスコンセプトやユーザー体験における思想を追求することで、より利便性が高いものに仕上げている。一部モックでの動作にはなっているが、Twilio APIを使用したデモも効果的で、2日間の開発期間とは思えないレベルに到達していた。

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写真(maskin):左2名「YoyakuNow」チーム、右:TechCrunch編集長 西村賢 氏


学生による開発ブームはVersion2.0へ

 唯一、残念だったのは、本来なら挑戦的要素に向けて開発作業をチームで進めるのがハッカソンの意義だと思うのだが、作ることが目的となり、そこにどんなチャレンジがあるのかを追求したり評価する雰囲気が薄かった点。

 ただ、開発コンテスト&ピッチコンテストにありがちな、「プレゼン重視で中身がスカスカ」とか、「調査不足」などは、若干散見されたものの全体的に十分期待ができる内容だった。

 これが学生の手によるものと考えると、これまで沢山の学生開発イベントに参加&審査させて頂いてきた身からするとすごい進化だと思う。これから数年後、確実にIT業界は彼らが主役となるのだと確信する内容だ。

 今後、世界に突き抜けるのに必要なのは、誰よりも早く、誰よりも多くのチャレンジをすること。羅針盤など見ずに、全身全霊でチャレンジし続けてもらえればと思う。

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(拡大注意)




【関連URL】
・Mashup Camp for Student
https://mashupcampstudent.net/

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin2011009rev.fw 今回、審査会が日曜日だということもあり、都合で子供達を会場に連れ、イベントに参加させていただいた。(娘がかなりあばれて騒がしく申し訳ない)。小学校6年生の息子は、プログラミング経験もあり、これまでにピッチコンテストに何度か連れていっているが、「こんな発想があるのか。意外なアイディアばかりだった」と言っている。これはおそらく多様なAPIを活用したマッシュアップならではの現象だと思うのだが、彼の目から見てもこの2ー3年の開発レベルの高度があっての発言のようだ。

なお、娘(3才)のマッシュアップ作品はこちら。
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著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング → 海外技術&製品の発掘 & ローカライズ → 週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSのサービス立ち上げに関与。坂本龍一氏などが参加するグループブログ立ち上げなどを主導した。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。生んでは伝えるというスタイルで、イノベーターを現場目線で支援するコンセプト「BreakThroughTogether」でTechWaveをリボーン中 (詳しいプロフィールはこちら)

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。
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