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モスクワ川沿いの赤レンガの建物群のなかに、元チョコレート工場「クラースヌイ・オクチャーブリ（日本語訳：赤い10月）」がある。外観はソヴィエト風だが、ここは今、モスクワで最もホットなスタートアップ向けイベントスペースになっている。その名も「デジタル・オクトーバー」。
旧レッド・オクトーバー、現デジタル・オクトーバー
デジタル・オクトーバーは今、モスクワで最もスタートアップが集まるイベントスペースになっている。Knowledge Stream では、ロシア国内外の業界の著名人らが定期的に講義を行っている。もちろん、そこに集まるのは、スタートアップで夢をかなえようとしているロシアの若者たちだ。7割ものロシア人は英語が話せないというが、ここでは英語オンリーで行われるイベントもあるため、外国人の参加者も少なくない。
イベント向けには400人近くを収容する Conference Hall のほか、90～100人向けの中規模のホールや会議室を貸し出している。奥にはカジュアルな雰囲気のカフェレストラン「Progress Bar」があり、イベントの無い日はモスクワ界隈の若いアントレプレナーが集う。パーティースペースとして「Apartment」も人気がある。そう、起業もさることながらオシャレで新しいモノが好きな若者を刺激するには、十分なコンテンツを兼ね備えているのだ。
ちなみに、このエリアは洗練された雰囲気のバーやクラブなどが密集している。ここだけ見れば、モスクワはふつうのヨーロッパの都市と何ら変わりないように感じられる。
ロシアのスタートアップはいま
外国人の出入国や滞在に関する制限がとても厳しいロシアでは、一見すると外国企業の参入や外国人によるスタートアップが少ないように思える。だが、数が少ない分、成功までの道すじを明確に定めているアントレプレナーも少なくない。またスコルコヴォのような、政府系のスタートアップ支援機関も活動が盛んであり、期待するロシア人も多い。 こうした事実を定点観測するには、デジタル・オクトーバーに出入りするのが最善の方法だろう。
【関連URL】
Digital October(ロシア語) http://digitaloctober.ru/
Digital October(英語) http://digitaloctober.ru/en