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世界から8万通の応募。出展審査通過率約10%以下の難関スタートアップイベント「ウェブサミット」へkarakuri出展決定

CES, MWCに次ぐ世界第3位の規模を誇る成長率世界最速のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミット。日本勢からの参加もついに100人規模を越え、これから例年の海外視察リストに追加する企業や、出展、協賛する企業が増えるであろうと予測されています。今回は、ウェブサミットの目玉のひとつであるスタートアップ企業として、早々と出展を決めたkarakuriさんにインタビューしてきました。取材に応じてくださったのは、株式会社karakuriの代表取締役の池田和生氏と取締役の大塚仁道氏です。

―日本でもまだ知る人ぞ知るイベントであるウェブサミットですが、どのようなきっかけでこのイベントを知ったのですか?

池田:海外展開を視野に入れてイベントを探していました。ある米国のイベントを見つけて日本事務局に問い合わせたら、「今、熱いのはウェブサミットだよ!」と代表の方に薦められまして。(笑)早速、大塚とエンジニアの2名を視察に送り込んだところ、「なんとしても出展したい!」とハイテンションで帰国したので今回の応募に至りました。

 2018年のウェブサミットへ参加した際の写真 karakuri 大塚氏とエンジニア岡本氏

―ウェブサミットには毎年ユニークな企業が出展していますが、karakuriさんのプロダクトはどんなものですか?

大塚:機械学習を利用したサイト内検索とレコメンドウィジェットを融合したプロダクトを提供しています。僕らの原点は、「サイト内検索はなぜ右上にあるのか?」という疑問にあります。この問いに対して誰も答えられなかったんですよね。実際に利用データを紐解いてみると、多くのサイトでほとんど活用されていないという事実が発覚しました。経験上、WEBサイトに来訪するユーザーはコンテンツを読了後、次に読む記事を探すなどのアクションを起こし易いことが分かっていたので、ならば「記事下においたらどうだろうか?」というアイディアに着想を得たのが、karakuriのContent Search Windows(CSW)です。記事下は、次に読む記事を探すなどのアクションを起こす場所ですが、この価値はわかりそうで実はわかっていないことなのです。

 karakuri CMO 大塚氏

池田:ユーザーとコミュニケーションを取るために、検索ワードはとても重要です。
あるダイエット系のメディアでは、検索エンジン経由で来訪するユーザーは「ダイエット」のキーワードで流入してきますが、記事読了後に設置しているCSWで検索されているワードは実は「恋愛」だったりします。検索エンジンから誘導する記事とサイト内を回遊させる記事は全く異なるんです。
今までライターの経験と勘などで決められていた記事に、CSWを使ってキーワードを収集することで、より正確にユーザーにターゲティングした記事を提供できることがわかりました。我々のテストでは、他のレコメンドウィジェットと比較してCTR(Click Through Rate)が10倍、サイト全体のユーザーの滞在時間とCSWを利用したユーザーの滞在時間差が7倍という結果も得ています。

 karakuri 代表取締役 池田氏

―このイベントは、テクノロジーの祭典と言われるほど技術力の高い企業が多いですが、karakuriさんの強みはどんなところですか?

池田:データ力ですかね。キーワードとコンテンツの生成には、自然言語処理を活用した機械学習を取り入れています。まだまだ精度は発展途上ですが、ユーザーの欲しいコンテンツのデータが取れることは強みだと思っています。このデータ力を利用した新たなサービス展開も視野に入れているので、今回のウェブサミットでは、この機械学習の部分を充実させるための新たな資金調達やエンジニア確保を目指します。

―ウェブサミットは出展審査がありますが、出展までの流れはどんな様子でしたか?

大塚:まずは、ウェブサイトのフォームから応募しました。その後、担当者からメールでSkypeミーティングの案内が届き、プラットフォーム上で事務局とのスケジュールを設定するという流れでした。与えられた時間は20分で時間きっかりに終わりました。事前に準備しましたが、15分くらいで伝える気持ちでやったほうがいいですね。淡々と進み、手ごたえがないまま終わったというのが正直な感触でした。。。諦めるわけにはいかなかったので、ダメもとで面談の後にメールで弊社のプロダクトの強みを改めてアピールしまして、3,4日後にメールで通過の案内がきました。

―そういう前のめりの姿勢は大切ですよね。最後にウェブサミットへの意気込みをお願いします。

池田: Content Search Windows(CSW)が世界でどれほど通用するかを確かめてきます!僕の個人的な想いもあるのですが、僕らの親世代には日本から海外進出するメーカーが数多くありました。今度は、ソフトウェアのプロダクトで世界に勝負していく企業が必要だと思っています。僕は、どんどん世界に挑戦してそれを体現していきたいと思っているので、ウェブサミットはそのスタートラインと考えています。あとはピッチに出て最低でも決勝まで行きたいですね!!

プロフィール

 

池田和生
ウェブ広告会社2社にて新規サービスの責任者として新規広告サービス開発に従事し、広告サービスを3つ立ち上げる。独立後は、株式会社karakuriを設立し、Webサービス会社・ウェブ広告サービス会社にてコンサル業と広告代理業を行いながら、新規サービスの開発を行っている。

 

大塚仁道
ウェブ制作会社・ウェブ広告会社、外資IT企業を経て2018年9月より株式会社karakuriにCMOとして参画し、「content search windows」の責任者として新規サービス業務に従事。

[関連URL] karakuri 公式HP

取材あとがき  
とにかく熱いお二人。池田さんはピッチに向けて英会話も毎日トレーニングを受けているそうです。まだスタートアップ応募は始まったばかりですので、karakuriさんに続きもっとたくさんの日本企業に挑戦してほしいと思います!

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