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ロシアのスタートアップ事情:夢の続きはDI Telegraphで

 

[読了時間: 3分]

モスクワ中心部の印刷工場だった建物の5階に、コワーキングスペース兼イベントスペース「DI Telegraph」がある。約90年前、ソヴィエト時代に建てられたこのビルは古く荘厳な雰囲気があるが、現在は明るく開放的な空間に改装されており、ここで催されるスタートアップイベントに参加するロシア人の評価も高い。

旧印刷工場を開放的なスタートアップの場に

以前ご紹介したデジタル・オクトーバーもさることながら、DI Telegraphでもほぼ毎週のようにイベントが開催されている。ここではハッカソンや最先端のテクノロジーを扱うディベロッパー・コミュニティのイベントなど、技術的な話題が中心である。集まる人の多くはロシア人のスタートアップやVCだ。

広々としたイベントホールには、500人分のイスをゆったりと置くことができる。50人向け小ホールに加え、込み入ったネゴシエーション等に向いているというスタンディングバーもある。コワーキングスペースはそれらの奥にあり、イベントの有無にかかわらず若者が集う。スタートアップ起業以前の、個人のエンジニアやアントレプレナーが情報交換やディスカッションをしている様子も見かける。おそらく、コワーキングスペースの月額利用料が、周辺の相場より十分に安いことも、彼らの背中を押している。

ロシアのスタートアップはいま

DI Telegraph のDIは Dream Industries という、ロシア在住のイギリス人起業家 サイモン・ダンロップ氏とロシア人起業家のヴィクトル・フルムキン氏が設立した営利団体の略称だ。Dream Industriesは電子書籍サービス Bookmateなど複数のサービスをロシアでローンチしており、ヨーロッパやアジアへの進出も計画している。

20年ほどロシアに住み、3度の財政危機を経験したサイモン氏は、ロシアで起業する際に不可欠なものを一言でまとめるなら、「理論と実践」だと教えてくれた。「もし何かいいアイデアがあった場合、それをすぐに実行できるチームを収集し、形を作ることができれば、良い投資家を見つけることはさほど難しくない。」 それゆえ、DI Telegraph では出会いを求めるスタートアップに、良い仲間や投資家と知り合うための機会を提供することに注力している。ここに集うスタートアップが革新的なプロダクトを出す日も、そう遠くないと思う。

【関連URL】
DI Telegraph(ロシア語) http://ditelegraph.com/
Dream Industries(英語) http://dreamindustries.co/

Photo by Ilya Ivanov & DI

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