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2014年のトレンド予想と所信表明 【@maskin】


[読了時間: 5分]

 みなさん、新年明けましておめでとうございます。
 TechWave編集長の増田真樹です。

 2010年1月15日に産声をあげたTechWaveは、2013年夏頃からステルスで新体制の模索がスタートし、まもなく4周年を迎えるタイミングで再スタートをする考えです。

 新たな門出を前に、2014年という年をどうとらえ、TechWaveとして何をしようとしているのか延べさせて頂ければと思います。





 2013年は近代型ウェブブラウザ「モザイク」が登場して20年ということもあり、インターネットがもたらしたことの偉大さや、現在スマートデバイスなどが普及していることの価値やそれをとりまく環境についてとても考えさせられました。

 一方で、TechWaveとしては蛇足の年として、世界とつながり始めた日本IT業界が今後をどうデザインするか試行錯誤するフェーズとも考えていました。

 では、2014年はどうなるか、その中でTechWaveはどんなチャレンジをしていくのかという話を。

2014年のトレンド予想

 
 今年は日本IT業界における大変換期となると考えています。理由は以下でも延べますが「投資意欲」の増大が一つあげられます。

 ファンドには償還期限(10年のところが多い模様)があるため、短期間に(数字的な)結果を出すことが前提となっています。これまでシード投資を受けてたものの、次のフェーズへの増資が決定できないスタートアップも多かったのですが、ファンドが増え、資金量も多くなることで、一気に利益獲得の方向に動く可能性があると考えられます。

 そうなると必然的にシロ・クロがつくようになります。数字が出てなければピボット(方向展開)もしくは清算への流れるでしょう。筆者の知る限り、上場の可能性が高まっている企業は2014年、すくなくとも前年よりは増加する見込み。北米が金融ビッグバンから30年をかけて現在まで成熟してきてのに対し、日本は10年程度でその水準にまで到達するという意見もありますし、筆者も可能性的には高いと感じています。

 ただ、起業家を含めた広義のスタートアップがフル稼動する環境の整備がまだまだ追いついていない現状です。投資に見あう成長を得るべく市場が大きい海外に進出した企業は、サポート不足に直面。「一旦国内で体力をつけてから」という流れも一つのトレンドになっています。それでも広大な市場を狙うIT企業は増加するでしょう。

 海外を見れば明らかですが、例えばサンフランシスコのコワーキングスペースには国をあげてITスタートアップを支援するのが当たり前になっています。日本ではまだまだそこには到達していない。国もそうですが、企業も国民も、投資家もスタートアップも全てに於てマインドレベルで世界とつながっていく視座がないのが問題なのですが、それが今年1年でどう変容するかが最大の注目点となるでしょう。

・「投資家層の極大化」
巨額のファンドが複数稼動開始。多様な分野で成長期から上場にかけての投資が活発化。IT分野での上場も増加すると考えられる。

・「日本ー海外関係構築の活性化」
国内IT産業は、成長のために海外との接点作りが不可欠に。ただ、世界に通用する価値創造のための環境および支援体制が不足。ここが今後の日本IT産業の試金石となりそうです。

・「BLEを中心としたデバイス」
いわゆるウェアラブルデバイスが十数年ぶりにブームとなっており、2014年初頭にラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)でもメインテーマとなりますが(もともとCESはウェアラブルや計測制御、身障者支援デバイスの出展が多い)、これはGoogle Glassの影響というよりは「BLE」という低消費電力で動作するBlutToothモジュールの普及によるもので、これを軸としたデバイス&クラウド連携サービスが市場に革命をもたらすでしょう。

・「海外勢の日本進出」
上記で日本→世界のネットワーキングが不可欠といいましたが、じゃあ日本は安泰かというというとそうではなく、海外勢の日本進出の動きも活性化しています。経済的成長ののび白は頭打ちとはいえ、ARPUの高さを筆頭に、まだまだ旨味がある市場であるからです。また、ITスタートアップが世界的に見れば未成熟なので、ここを狙う動きもあります。

・「開発者支援サービス市場の巣立ち」
昨年12月にサイバーエージェントさんと共同で「アプリHackersラウンジ」という開発者支援サービスをテーマとした展示会を開催しました。4時間程度で700名前後の方に参加して頂きました。なぜこのイベントを日本で先駆けてやったかというと、言語を問わず世界で通用する分野であるからです。この動きは確実に拡大します。イベントも年数回開催していきたいと思いますし、海外での開催も考えています。

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 以上予想というよりは事実ベースでトレンドを延べただけで、ここで起っていることはすでに動きがあることばかりです。先が見えない部分もありますが、どうかこの一年注目していただければと思います。


所信表明

 
 さて、では2014年がこのような年になるという前提で、TechWaveは何をどうやっていくのかについて基本的な考えを説明させていただきます。

 2013年は急な体制変更で、夏ごろからどうやっていくか考えながら作っては壊すということの繰り返しではありましたが、考え方としては当初提示した「社会的イノベーターと世界で共に突き抜ける」というキーコンセプトかはぶれていません。

 TechWaveには2010年の立ち上げ当初から「日本の閉塞感をITで打破する」という考え方がありましたが、壊せばいいのではなく、その先をつくっていく人と共にメディア運営だけでなく、その新価値創造のプロセスを共に成しとげようというものです。

 既成のメディアの感覚からすると「コンテンツだけでできるの?」「それじゃおもしろいコンテンツはできない」という人もいると思うのですが、筆者はTechWaveを情報の一方発信媒体とは思っていません。記事で流れを作り、イベントやサービスでコミュニティを形成し、各種サービスや事業などを協業で生み出すことで、個人や企業、ひいては業界に何らかの役割を果たそうと考えています。

 間もなくアドバイザー陣営やイマジニア(運営メンバー)などの発表もできると思います。TechWaveの今後にどうぞご期待下さい。

・「日本を軸に世界とつながる」
あくまで日本から世界をネットワークしていきます。日本IT業界があくまで主役で世界と関係を構築しようという考えです。過去TechWave英語版というもがありましたが、サイトを分割せず世界を対象としたコンテンツも展開します。世界のメディアなどとの協業もスタートします。

・「機能性を果たす」
TechWaveは単なるPV増に期待しません。その記事や取り組みから誰かのマインドが変化したり、企業が変わったり、業界が変容するようなことを仕掛けます。それは情報発信だけかもしれませんが、イベントやサービス、製品、ほか様々な活動から実現していくことになります。

・「共に突き抜ける」
TechWaveは法人ではありません。つまり利益を集約して分配しません。信頼と情熱で結ばれたパートナーのみなさんと、TechWave周辺で事業を立ち上げたり、コラボで事業を構築しながら「社会的イノベーターと世界で共に突き抜ける」ということを実現していきます。





【関連URL】
・ふりかえり2012年、日本が世界に再び大きな一歩を踏み出した 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51774433.html
・お年玉代わりに気軽に購入できる! 魅力たっぷりなSIMロックフリーAndroid2.2端末「IDEOS」【増田(@maskin)真樹】 – See more at: http://techwave.jp/archives/51549215.html#sthash.tOa5cSQB.dpuf
http://techwave.jp/archives/51549215.html



蛇足:僕はこう思ったッス
僕には夢があります。1月2日に同じ夢を見ました。それは、社会的イノベーターであるみなさんの夢をかなえることです。実力不足で凹むことも多々ありますが、これからの人生全てをかけたいと思います。どうか、みなさんの力をおかしいただけると幸いです。




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