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なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? (瀧口範子著)

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? (瀧口範子著)を読んだ。
瀧口さんとは10年以上もおつきあいさせていただいている。なので僕自身は、懐かしい友人からの近況報告という感じでこの本を楽しく読めた。
でも一般的読者はこの本から何をつかむべきなのだろうか。何を学ぶべきなんだろうか。
シリコンバレーは、世界中の他の場所とは明らかに異なる雰囲気、ルール、考え方で支配されている。そのことはこの本を読めば明らかだ。
しかし「へーそうなんだ」ということ以外に、この本が伝えるシリコンバレーの現状から、われわれは何を得ればいいのだろうか。
得ることは何もないのではなかろうか。得るものがないと思えるほどに、日本とシリコンバレーは明らかに大きく異なる。どちらも2008年の「今」を進行中であるにもかかわらず、まるで歴史の違う時代を生きているような錯覚にさえ陥る。
しかし確実にシリコンバレーは21世紀の、情報化時代の産業の中心地になりつつある。21世紀の世界の産業がシリコンバレーを核に回っていくであろうことは、ほぼ確定したのではないだろうか。
一時はシリコンバレーのような先端技術の集積地を日本に作ろうと考える人たちがいた。日本だけではない。世界中の先進国が自国版シリコンバレーを作ろうと躍起になった。しかし、シリコンバレーと肩を並べるような成功事例は一つも出てこなかった。

シリコンバレーは、先端技術の「太陽」になったのだ。世界中の優秀な人材や資金、知識は、すべてこの太陽に引き付けられ始めたのだ。

太陽は1つでいい。だからどの先進国も自国版シリコンバレーを作れなかった。

シリコンバレー的なものを自国に作れないのであれば、どうすればいいのだろう。
インドや台湾、中国は、シリコンバレーという太陽を核に回る惑星のような地位をつかんだ。シリコンバレーという太陽とともに、インド、台湾、中国は成長していくのだろう。
日本はどうすればいいんだろう。

日本の戦略が見えてこない。

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