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Jason Calacanis氏が読むネットの未来

 米国のネット界隈の有名人、Jason Calacanis氏が来日中だ。Calacanisは発音的には「キャラカナス」となるんだろうけど、日本語の分かるアシスタントのTylerさんに聞くと「カラカニス」と表記したほうがいいかも、ということでした。中を取って「キャラカニス」で行こうと思います。
 そのCalacanisに取材する機会を得た。同氏の経歴についてはこちら(英文ウィキペディア)

 出版関係の仕事を経てweblog. incを立ち上げ、それをAOLに売却。weblog. inc.は、有力ブログを集めて1つの広告媒体にするビジネスモデルで、日本でいうとアジャイル・メディア・ネットワーク(AMN)のようなもの。
 AOL売却後は、ネットスケープのサイト運営に関わったが、その後再び独立。今は人力検索エンジンのMahaloと、有力ITイベント「TechCrunch50」の経営に関わっている。人力検索エンジンといっても「はてな」というより、「ヤフートピックス」のような感じ。ニュースなどのトピックスの下にwikiがあってさらに詳しい情報にアクセスできるようになっている。
 起業家の多くはあまり多くを語らないものだが、同氏はブロガー出身ということで基本的に情報は公開するものと考えているようで、米国のネットメディアを通じて積極的な発言を繰り返している。そのCalacanis氏が今週宮崎で開催されるInfinity Ventures Summitで基調講演するために来日したというので、早速取材させてもらった。
 取材のビデオを編集後にアップしますが、とりあえずメモをアップ

・景気後退局面ですべきこと
 好景気のときは、資金を集めたり、事業を売却するのに最適。一方で不景気のときは開発、改良に集中すべき。ネットの過去の歴史を見ても優れたビジネスはすべて、不景気のときにタネがまかれている。

【今後のビジネスチャンス】

・信頼できるネット
 今後大きなビジネスチャンスが見込める領域の1つは、信頼できるネットを作る仕組み。匿名による情報発信のメリットは十分にあるものの、一方で誹謗中傷の被害が社会問題化している。どのようにすればメリットを活かしたままで、デメリットを少なくできるのか。これを解決するような仕組み作りが求められているし、仕組み作りに成功した企業は、大きく躍進するだろう。

・クラウドコンピューティング
 1つのクラウドコンピューティングサービスにすべてのデータ、プログラムをまかせるのではなく、複数のサービスを併用するのが一般的になってきている。複数のサービスの間を自動的に切りかえるロード・バランシングのようなサービスが求められている。

【今後のネットの傾向】

・ゼロ・コスト・スタートアップ
 クラウドコンピューティングなどを利用して、ほとんどコストをかけずに新しいビジネスを立ち上げることが可能になってきている。

・リフト・オフ
 コストがかからないので、いろいろなアイデアが試されるようになる。マッシュアップは複数のサービスを組み合わせるという意味だが、単に組み合わせるのではなく改良を加えるというリフト・オフという形のビジネスが次々と出てくるだろう。

・モバイルとノートPCの中間機
 ハード機器では、モバイル機器よりも大きくてノートPCよりも小さな機器の領域がよりホットになるだろう。ネットPCもその領域の機種だが、形状などでさらに改良されたものが出てくるだろう。

追記;IVSの開催場所を間違っていました。長崎ではなく、宮崎でした。実は羽田に行くモノレールの中で、間違いに気づいた。どんだけおっちょこちょいなんだ>自分

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