米国ネット業界の著名人Jason Calacanis氏のインタビュー動画第3弾です。
ネットベンチャーのインフラとしてクラウドコンピューティングが定着すれば、ベンチャー企業を立ち上げるのに大きな投資ほとんど不要になる。そうなればいろいろな試行錯誤が行われるようになる、というのが同氏の予測です。サービス同士が互いに連携し合って、進化する時代になるというのです。複数のサービスを単に融合させたマッシュアップというレベルではなく、それを大きく進化させるriff-offの時代になると同氏は言います。
riff-offとはもともとジャズの用語で、別の曲のフレーズを借り、それを改良すること。同じような響きの言葉でripp-offという俗語がありますが、これは「盗用」という意味。盗むのではなく、借りて大きく進化させる、というのが、これからのネット事業のあり方だ、というわけです。
以下は、超いいかげん訳by Tsuruaki Yukawa
<a href="http://www.flipclip.net/clips/tsuruaki/2489afeeafe02c942db8cc3d7bf8ec66/popup" title="FlipClip – riff-off" target="flclpopup"><img src="http://www.flipclip.net/thumbs/clip/tsuruaki/2489afeeafe02c942db8cc3d7bf8ec66.jpg" alt="riff-off" border="0" /></a><br />Powered by <a href="http://www.flipclip.net/" title="動画共有・動画投稿 FlipClip">FlipClip</a>
Zero Cost Start-upsとは わたしが提唱する概念。クラウドコンピューティングの価格が低下し、ほとんど無料になり、ソフトもオープンソースで無料なので、サービス構築にかかるコストは、開発者やシステムデザイナーの労働力だけになってきている、というような意味。TechCrunch50に参加したベンチャー経営者に、サービス構築にかかったコストを聞くと「ゼロ」と答える人が増えている。実際にはサーバー代5000ドル、4人の開発者が2年間かけて開発したのであれば、20万ドルくらいの資金で事業を立ち上げたことになる。大きな投資が不要になってきているわけだ。これは非常に大きなトレンドである。
そして事業立ち上げコストが低下する中で、あらゆる試行錯誤が可能になる。riff- offも盛んになるだろう。ジャズで、フレーズを借用し改良することをriff-offという。ripp-offは盗むということ。ripp-offではなくriff-offだ。これからはあらゆるネットサービスがほかのサービスをriff offするようになると思う。
Riff-offとは、例えばMahaloの中のビデオゲームに関するコンテンツを借りて新たなサービスを作る、というようなもの。ほかには、例えばdiggの政治関係のコンテンツとCNNの政治関係のコンテンツを借りて、政治関係のニュース関連コンテンツのナビゲーションシステムを作る。またはビデオが好きな人は、YouTubeやABCやCNNから政治に関するビデオを全部集めてきて毎時のトップビデオを表示するサービスを構築する、というようなもの。
Mach-upは2つのものを単純につなげる程度のこと。deli.ci.ousのフィードとtwitterのフィードを合わせるようなもの。Riff-offは、組み合わせるだけでなく、それを進化させること。
例えばdiggのコンテンツを借りてきて、それにビデオを組み合わせる。記事を推薦する人はビデオで15秒以内に投票理由を述べる。「Yes」投票のトップ10ビデオと「No」投票のトップ10ビデオがストリーミングで見ることができる。そういうサービスのことだ。Riff-offは、もともとのアイデアを進化させるものだ。diggの創業者のKevin Roseはdel.ci.ousのアイデアをriff-offした。
「アイデアを盗むな」という時代は終わった。ただripp-offとriff-offは違う。ドイツには米国のサービスとびっくりするくらい似たサービスが幾つも存在する。でもアジアのサービスはオリジナルなものが多い。ほかのアイデアに触発されたのかもしれないけれど。
アイデア文化の時代は終わった。今はriff-off文化の時代だ。riff-offしながら常に新しい機能を追加し続けるところが勝つ。Amazonを見てごらん。新しい機能を追加し続けているだろう。