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検索とECサイト、どちらのビジネスモデルが勝つのだろうか

The Business Insiderによると、米国の小規模ECサイトがSEOが上手になって売り上げを上げているという。背景には、商品購入を考えている消費者が、大手ECサイトではなくグーグルで検索するという行為がより一般的になってきているということもあるようだ。

Pure-play e-commerce sites are increasing their share of e-commerce revenue, according to the below chart included in Comscore’s State Of Us Online Retail Economy In Q309.  We believe this was driven by search as large and small pure-play e-tailers improved their SEM (search engine marketing) efforts and shoppers used search engines to find products versus finding them on multi-channel sites (there tends to be more incidental shopping on these sites).  Here are some implications to this trend:

    * Google is in a position to capture a larger share of e-commerce revenue as shoppers turn to the search engine as a point of discovery in their online shopping habits.
    * E-tailers that improve their organic and paid placement alongside product searches will outperform those with inferior SEM efforts in the future.

 何年も前に楽天のビジネスモデルが時代遅れになる、という内容のブログを書いたことがある。Googleの影響力が増し始めたころだ。楽天の関係者にとっては非常に失礼な内容だったと思う。ごめんなさい。
 言いたかったことはYahooや楽天ように情報を一カ所に集中させというビジネスモデルが、Googleの登場でいずれ時代遅れになるんではないか、ということだった。Googleは当時「フルーグル」だったか何だったかそんな風な名前のショッピング検索エンジンを開発していた。このショッピング検索エンジンの検索窓に商品の名前やカテゴリー名を入力すると、商品の写真や価格などを並べたキレイな表にしてくれた。このショッピング検索エンジンの精度が上がれば、Yahooショッピングや楽天に行かなくても、すべてこと足りるのではないか、と思ったわけだ。
 情報を一カ所に集める「集中」のビジネスモデルというビジネスモデルに対して、情報を分散させたまま検索使って必要な情報を集めてくるという「分散」のビジネスモデルが登場したばかりのことだった。検索技術は今後も精度を上げていくだろうし、このまま「分散」のビジネスモデルが優位に立つ時代がくる、とそのときは思った。

 でどうなったかというと、上記のレポートのように検索技術の向上で「分散」ビジネスモデルはシェアを伸ばしている感じはあるのだが、ご存知の通り楽天は健在。
 時代の流れは「分散」ビジネスモデルに向かっているのに、どうして「集中」が今だに大きな成果を挙げているのか。自分なりに考えてみた。

 的確な情報にたどり着くということに関しては、検索技術が向上していけば確かに「分散」のビジネスモデルが有利になるかもしれない。でも消費者に買い物したいと思わせることができるのは的確な情報だけではない。そのほかにも幾つかの要素があるのではないか、と思う。
 1つはポイントである。楽天はいろいろな形でポイントが貯まるようになっている。オークションに参加してもポイントは貯まるし、秀逸なのがおサイフケータイの電子マネーを利用してもポイントが貯まるという仕組み。僕もおサイフケータイを使うようになって、楽天のポイントを意識するようになった。一部の楽天ポイントには有効期限があるので、有効期限が切れる前に楽天で買い物をしようというインセンティブが働く。うまいやり方だなあ。

 このほかにも消費者の買い物に導く要素は幾つかあると思う。リアルな状況が参考になるのであれば、友人との買い物のエクスペリエンスをうまく作り出すというやり方もあるかもしれない。ソーシャルショッピングと呼ばれる技術の研究分野だ。
 まだまだショッピングに関する技術革新は続くだろう。この分野でどういう技術、サービスが登場するのか、注目し続けたい。

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