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機は熟した。これから始まるジオメディア時代

グーグルは、アドワーズ、アドセンスという小口の広告主の広告マーケットプレースを構築して世界一の広告会社になった。小額過ぎて既存の広告会社がマンパワーを使って取り組むわけにいかなかったニッチな広告へのニーズに、コンピューターを使って対応して成功したわけである。
 もう1つ、小額過ぎて大手広告会社が効率的に取り組めない広告の領域がある。飲食店などのローカル広告である。ローカル広告を効率的に取り扱えるインフラを構築できるテクノロジー企業が次のグーグルになる。ずっとそう考えてきた。間違いなく次のホットな領域はジオ(地理関連)メディアなのである。
 それは多くの技術系ベンチャーもみなそう考えるところだったのだが、どの先行するジオメディアもが一世を風靡するまでにはまだ至っていない。それは成功のための条件がまだ整っていなかったからだ。
 その条件が整い始めたのである。
 条件の1つは、ジオメディアを利用するための電子機器の普及である。これはケータイの高性能化、さらにiPhoneなどのスマートフォンの爆発的普及を受けて、十分に満たされてきた
 またただ高性能電子機器が普及するだけではだめで、その電子機器を通じてユーザーが自ら情報発信する必要がある。これはツイッターの普及で実現した。これまではSNSなどの閉じた環境の中で情報発信していたユーザーがツイッターというオープンな場で、今何をしているのか、何がしたいのか、という情報を発信し始めたのである。
 それと位置情報を取得する仕組みも不可欠である。これは、ツイッターが位置データの表示を一部で利用可能にしたことで、急展開の可能性が出てきた。ツイッターの本家サイトではまだ位置情報の表示はできないが、クライアントと呼ばれるサードパーティのアプリに対しては位置情報に関するAPIを公開し始めた。
 機は熟した。これからジオメディア間の競争が始まるのである。

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