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「ひと月15万字書く私の方法」を読み返した

 さて明日からいよいよ仕事始め。しかも独立して最初の稼働日ということで、なんだかワクワクして眠れないので、以前読んだ佐々木俊尚さん著「ひと月15万字書く私の方法
を読み返した。
 以前読んだときは、飛ばし読みしたにもかかわらず、読了するまでに何日かかかったように記憶しているのだが、今回はわずか1、2時間で読み終えたし、しかも身になる読書だったと思う。やはり目的意識を持って読書すると、読書の速度も理解力も増すのだということを実感した。
 それはさておき、佐々木さんの仕事の仕方を洗いざらい公開しているこの本はつくづくすごいと思う。物書きを目指す人にとっての、必読書だと思う。
 この本の主張は、自分の脳の機能の一部を最新のITツールに代替させる、ということだ。脳の機能の一部を外に出す、ITツールに脳を補助させる、補完させる、という感じかもしれない。
 脳は多くの情報を記憶し、整理し、その中から新しい知恵を生み出す。
 その脳の記憶と整理の部分を、佐々木さんはアメリカのソーシャルブックマークdel.icio.usと、多機能メモツールのEvernoteというツールに補助させている。佐々木さんは、ウェブページはdel.icio.usで、それ以外の情報をEvernoteに記憶させているようだが、佐々木さん自身が本の中で書かれているように、Mac版のEvernoteはかなりサクサク動くので、僕の場合はEvernote一本にしてもいいのではないかと思っている。しかもEvernoteは英語のPDFファイルの中身の検索もできるようになるなど機能の進化が著しいので、Evernoteはこれからますます脳の記憶と整理の機能を補完するツールになっていくのではないかと思う。しかもMacの検索ツールのSpotlightを使うとMacのインストール版のEvernoteの中身を瞬時に検索してくれるので、非常に使い勝手がよさそうだ。【関連記事:SpotlightとEvernoteで記憶の引き出し強化
 そうして集めた情報を見渡して、それぞれの関係性の中から新しい知恵を生み出すツールとしてマインドマップを使い、それをベースにして文章を書く。佐々木さんはマインドマップの作成ツールとしてMind42を、文章を書くテキストエディタとしてWZ
EDITERを使っているということだが、この本が出て半年立っているので、ひょっとするとほかにもいいツールが登場しているかもしれないと思い、いろいろ探してみた。
 こうしたITツールを使ったノウハウ本を読む際に大事なことは、個々のツールをそのまま使うのではなく、そのベースをなる考え方を学び、自分なりのツールを探し出し、自分なりのやり方にアレンジすることだと思っている。特にITツールの進化の速度は速いので、同じ考え方に基づく最新のツールを探すことは大事なことだと思う。
 それで見つけたのが、RKDetailDesignというドキュメント作成ツール。まだ使っていないので、どの程度有効なのかは分からないが、以下の説明文を読んで、佐々木さん的な仕事のやり方に使えるのかもしれないと、購入を検討している。

 大まかに書かれたドキュメントと詳細を書いたドキュメント、関連ドキュメントなどをプロジェクトウインドウで統合的に管理しながらドキュメントを作成できます。

 RKDetailDesignが対応していないファイルもプロジェクトウインドウに登録できるので、関連ファイルを一括して管理することが出来ます。登録時には、アイテムフォルダにコピーするしないを選択でき、コピーしない場合は参照情報のみを記録するので、沢山のファイルを束ねて管理することができます。

 また、単純にテキストを書くだけではなく、マインドマップを作成する機能により、情報を整理することが出来ます。

 なんだかこの本を読んだおかげで、僕自身も本を書きたくなってきた。「脱ジャーナリスト宣言」をしたことで、「もう本は書かないのですか」という質問をよく受けるのだが、いえ、書きます。ブログの執筆には力を入れるし、今後も著述が自分の仕事の1つの核であることには変わりはありません。ただジャーナリストと名乗りたくない、というだけです。やっぱり本を書くのって楽しい。非常に大変で、その割にそれほど儲からない仕事なんだけど、それでも非常に楽しい仕事です。佐々木さんのやり方を身につければ、本を書くのがより楽しくなるのではないかと思います。

 この本を読んで思ったのは、今後ITの進化に伴って、脳の機能がどんどんITツールによって補完されるようになるんだろうなあ、ということ。ITツールを使って脳の働きを補助させる人と、自分の脳にだけ頼って仕事をする人の間には、生産性で大きな差が出てくるのだろうな、と思う。

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