サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

企業向けソーシャルメディア・マニフェスト

 書いたのは、Loic Le Meur氏。同氏は、著名なブロガーで、ヨーローッパ最大のブロガーイベントLeWebの運営者。Seesmicというサービスを立ち上げた実業家でもある。フランス人だが、確か今は米シリコンバレーに住んでいるはず。2年ほど前に来日された際にお話させていただいたことがある。
 同氏がThe Corporate Social Networking Manifestoというエントリーを上げていたので、紹介したい。かなり意訳。ソーシャルネットワーキングという表現を使っているが、ソーシャルメディアという表現のほうがいいと思うので、タイトルはあえてソーシャルメディア・マニフェストにした。



1)聞く
Twitterやリアルタイム検索で、消費者があなたのブランドについて何を言っているか聞くこと。だれもつぶやいていないのなら問題。なんとかしなきゃ。悪口言ってる?よかったね、気にかけてもらって。つぶやきが多すぎる?フィルターツールを使えばいい。

2)答える
発信しない企業が多過ぎる。古いプッシュマーケティングの発想から抜け出せていない。ユーザーと対話することが、もっとも重要なこと。

3)苦情に集中し、感謝すること
苦情に対してまず答えること。問題が解決されたかフォローアップも重要。

4)24時間対応
二人だけのチームでもいいから24時間体制で対応すること。PRエージェンシーに支払う予算くらいで可能なはず。経営陣も参加すべき。

5)できる限りの透明性を
ずるいことはしない。自社製品に問題があるのなら素直に認め、どのようなタイムフレームで対応できるかを示すべき。隠そうとしてはだめ。

6)フィードバックをグループ分けする
フィードバック用のサイトを作って、そこに意見してもらう。改良点の要望をリストアップして、投票してもらう。

7)迅速に動く
ユーザーの声を聞いて迅速に動く。開発のロードマップを表示すれば、ユーザーはついてきてくれる。Seesmicも、市場の動向を見てビデオ対話サービスから、ソーシャルメディア管理サービスに衣替えしたが、ユーザーはついてきてくれた。

8)ユーザーの要望でロードマップを変える
どんな機能をユーザーが求めているかに注意を払って改良を続けること。

9)イノベーションを忘れるな
あまりユーザーの要望ばかりに気をとられると、イノベーションがおろそかになる。Appleはユーザーとの対話には熱心でない分、イノベーションに力を入れている。ポルシェもユーザーの声だけを聞いていたら、ボルボになる。

10)ソーシャルメディアにプレゼンスを持つ
有力ソーシャルメディアすべてにプレゼンスを持つべき

11)同じコンテンツをすべてのソーシャルメディアに
それぞれに違うコンテンツを作るのは大変なので、同じコンテンツをすべてのソーシャルメディアに転載する

12)一番のファンがだれであるかを認識する
一番アクティブなファンを認識し、大事にする。

13)熱心なファンのためのコミュニティを作る
Google GroupやFacebook Groupを使って、一番のファンのためのコミュニティを作るべき。Seesmicではteamseesmic.comというサイトを作って、試作品段階の製品を試用してもらった。

14)汝のユーザーを愛せよ
ちょっとしたギフトやイベント、製品などをユーザーにプレゼントせよ。Seesmicではステッカーを配っている。

15)共有を簡単にする
共有ボタンをつける。

16)すべてのプラットフォームに
windows、Mac、iPhone、Android、Blachberry・・・。あらゆるところにプレゼンスを。

17)まず自分たちでソーシャルメディアを使用する
ソーシャルメディアを理解するには、自分たちでまず使うことが一番。

18)ネット大好き人間の集まるところに顔を出す
いろんなオフ会に出る。

19)顔の見える企業に
企業がブランドや製品を意味していたのは、過去のこと。今は人間が企業を表す時代。中の人を前に出すべき。

20)ビデオを使う
テレビコマーシャルのようなきれいな動画ではなく、実際の開発者などがデモする動画を使うべき。編集不要。

21)積極的に情報を共有すること。価値を付加した上で。宣伝文句はもううんざり。

22)辛抱強く
企業の周りに本当のコミュニティができるまでに何年もかかる。簡単にできると思ったら大間違い。

ざっと意訳したので、原文に当たることをお勧めしますが、まあこんな感じでいいのではないかと。

「情報を広く伝える」「価値ある情報ならプッシュしてもいい」「ネタでクチコミを起こす」「綺麗なデザインで好感を持ってもらう」などといったプッシュマーケティングの発想から、そろそろ脱却すべきときなのだと思う。

モバイルバージョンを終了