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Zyngaのソーシャルゲーム”Farmville”で13万円を使ってしまった12歳の少年。 【三橋ゆか里】

昨年のソーシャルゲーム・オブザイヤーに選ばれたZyngaの”Farmville“。2月末時点の月間アクティブユーザ数は1,800万人。巨大ソーシャルネットワークのFacebookでもソーシャルゲームとして提供されている爆発的にヒットしたソーシャルゲームです。ミクシィアプリの「サンシャイン牧場」に似たゲームで、ユーザは自分の牧場を好きに耕し、家畜を育てることができます。地道に手入れをしていれば徐々に美しい牧場が出来上がりますが、より早く牧場を育てるためにユーザはバーチャルグッズを購入することができます。バーチャルグッズは単価の安いマイクロペイメントであるため、知らないうちにまとまった金額を使ってしまうようなことも珍しくないみたい。今回そんな落とし穴にひっかかったのは、UK出身の 12歳の男の子でした。

FarmVilleにハマってしまった少年が使った金額は905ポンド(現在の為替レートで約13万円)。自分の貯まったお小遣い全額と、母親のクレジットカードを使っていました。しかも13万円を、わずか2週間という期間で使い果たしたというからビックリ。母親がZyngaとクレジットカード会社のHSBCに確認をしたところ、返金はできないという回答が返ってきたそうです。息子は自分が何をしているか理解していたはず、と母親も特に2社に対する訴えなどを起こす予定はないと話しています。クレジットカードを一度登録してしまえば、あとは自動課金になるため、子どもにお金を使っている感覚を持て、という方が無理なのかもしれません。

Zyngaはこれまでに悪徳な広告があるとして訴えられたことがあり、それを受けて一時Facebookから外されていた時期がありました。バーチャルグッズを「無料」で入手できる代わりに、新しいサービスへの登録を推進するような内容で、ヒドイものは後から利用料が発生するケースも。でも今回の問題は、むしろ「個人の特定」というソーシャルゲームに限らない、インターネット全体の問題がまた浮彫りになったという感じがします。最近話題になったケンコーコムの改正薬事法に関する訴訟も、結局顔の見えないネットの向こうにいる個人を特定する方法がないことが問題の根源。アメリカではソーシャルセキュリティなど個人を結びつける番号があり、年金や保険さまざまな情報がすべてそれに結びついています。ネットの利用シーンを今後増やして行き、より効率の高い社会を目指すためにも、このような「ささいな」事件をきっかけにして、法律整備を進めて行くことが大事になってくるのではないでしょうか。

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

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