サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

GowallaがPubSubHububに対応したユーザーのチェックインや現在地のリアルタイムフィードを公開【三橋ゆか里】

Gowalla“が、PubSubHububに対応したユーザーのチェックインや現在地のリアルタイムフィードを公開したことを発表しました。と、言われてもピンと来る人は少ないかもしれません。”Foursquare”の成功の裏で、同じく位置情報サービスのソーシャルネットワークを展開する”Gowalla”。日本では少しどころか、だいぶ影が薄いのが現状。今回は、”Gowalla”とPubSubHububの組み合わせが何を意味するのか、考えてみたいと思います。

Gowallaは、2009年3月、Foursquareとほぼ同じタイミングでローンチした位置情報サービス。ローンチ当初のGowallaにはバグが多く、立ち上がりはFoursquareの圧勝でした。でも、バグを直し、改善を続けるGowallaは健闘中で、そのチェックイン数を1日2万回にまで伸ばしています。競合のFoursquareは、SxSWが開催された土曜だけで34.7万のチェックインを記録しているので、まだまだその差は歴然としていますが。

でもGowallaにだって強みがあります。1つは、その対応都市数。2009年末時点、Foursquareが100都市に対応していたのに対して、Gowallaは7,500都市に対応しています。またサービスのウェブサイトも、シンプルにまとまったFoursquareに比べて、Gowallaはデザインにこだわりを持っています。ゲーム性の側面では、市長(Mayor)という1つの座を奪い合うFoursquareと異なり、Gowallaは上位10人を表示する仕組みを採用。チェックインする場所の正確性に関しては、先日記事にしたようにFoursquareがGowallaの後を追って、チェックインするユーザの正確な位置をGPSで認識するようになりました。

では、次にPubSubHububについて。Twitterのタイムライン取得APIに代表されるリアルタイム更新のデータソースが人気なのは皆さんも周知の通りです。これらのリアルタイムフィードの利用や、マッシュアップするためのアプリも多く発表されていますよね。親しい友人や職場の同僚だけのツイートをリアルタイムに表示するといったことが可能。でも、リアルタイムフィードが増えてしまうことの問題点は、アプリ開発者が色々なサイトからデータを収集する必要が出てきてしまうこと。当然管理コストも上がってしまいます。そこで登場したのが、Googleにも採用されたPubSubHububのようなアグリゲータです。受け取りたいフィードを登録すると、投稿されたデータがリアルタイムに通知されるので、一元管理が可能になります。開発者、エンドユーザーともに便利になるわけです。

Gowallaが今回発表したリアルタイムフィードは、友達のチェックインや現在地をリアルタイムで共有できるようにしたもの。フォーマットは、いま人気上昇のActivity Streamsと呼ばれるもので、これらのリアルタイムデータを、Superfeedrとよばれるサービスを通じて公開しています。これに対して、Foursquareのフィードの共有はRSSで行われているため、そこにリアルタイム性はありません。Gowallaの仕組みを使うことで、自分の友達の現在動向をより正確にリアルタイムに把握でき、それに基づいて行動することが可能になるんです。

現状、Gowallaが「自分の場所」にフォーカスしているのに対し、Foursquareは「友達のいる場所」を強調する設計になっていて、後者の方が楽しいという印象があります。他にもシティガイド、端末のサポート、ソーシャルネットワーク、タスク管理などの面でも、GowallaはFoursquareに遅れを取っています。そしてその遅れは、ユーザ数にも如実に表れているわけです。でも、今回の新機能はGowallaにとって逆転のチャンスかもしれません。リアルタイムフィードを利用した面白いアプリが登場すれば、立場がひっくり返る可能性もゼロじゃない。LooptやBrightKiteなどの位置情報サービスが類似したゲーム性で市場参入を検討する中、GowallaやFoursquareの激しい小競り合いからはまだまだ目が離せません。

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

詳しいプロフィールはこちら

モバイルバージョンを終了