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NHN Japanがライブドア買収、NAVER強化へ 【増田(maskin)真樹】

 韓国のネット最大手NHNの日本完全子会社である「NHN Japan」は12日、LDHが保有するライブドアの全株式を譲渡する契約を締結した。取得金額は63億円。

 NHN Japanの子会社であるネイバージャパン株式会社が運営する「NAVER」( www.naver.jp )の事業を強化していくことが狙いだという。


 18時から始まった記者会見によれば、HNグループ傘下に入った後も「ポータル、ニュース、ブログ、データセンター等の全てのサービスについては、独自で運営する」とのこと。今後も「livedoor」ブランド名にて事業を継続する。基本方針として以下の項目が提示された。

1.「社名」「ブランド」「サービス」「組織」を継続
2. 独自の運営ポリシーに沿って運営
3. 現常勤取締役は留任
4. 従業員の雇用を継続
5. さらなる成長を支援

 NHN Japan 代表取締役社長 森川亮氏によれば、株式の売却をもちかけたのはLDHで、2009年末ごろのこと。「スピード感の速さなどライブドアとNHNグループは似ているところがある」と考えており、社内で検討した結果、収益化が難しいブログ事業で黒字化を達成するなどの成長性やNHN Japanが運営するハンゲーム(2000年サービス開始、利用者約4000万人、売上120億円)やネイバージャパン(2009年7月サービス開始、直近では月間250万人の利用者ある)とのシナジーに可能性を感じたとのこと。

 ライブドア 代表取締役社長 出澤剛氏は「昨年から本質的な成長」というモットーを掲げ、ブログメディアやソーシャルアプリ、イベント、インフラやネットワーク、ジオメディア、電子書籍などへの積極的な取り組みをしてきた。トラフィックも日本有数の規模(PV23億/月、ユーザー数 約3000万人/月)である」と説明。「経営の土台部分は変更がないが、中長期的な成長への事業展開も考えるようになる」としている。

 NHN Japan 代表取締役社長 森川亮氏は、現在NAVERが進める日本発の検索プラットフォーム「ロボット型検索+ヒューマンナレッジ」との連携を強化するため、ライブドアのサービス群との連携に期待していると説明。「日本でNo1のソーシャルプラットフォームへ成長させていきたい」と抱負を述べた。

質疑応答

一部のみ取り上げています。

・質問) ログインアカウントは統合するか
→必ずしてもメリットがあるわけではないので統合しない。

・質問) ライブドアでは他社検索エンジンが導入されている。変更はあるか
→これまでの契約を優先する。

・質問) 具体的シナジーとは
→NHN森川氏:今回は社員や関係各位に方針を説明するための会見で具体的数値などは用意していない。ユーザー価値を中心に展開したい。

・質問) 海外展開
→ライブドア出沢氏:具体的計画はまだないがNHNのネットワークを活用していきたい。分社時に「国産で世界に使ってもらえるものを作りたい」と宣言していたのでがんばりたい。

・質問) ライブドアによるM&A
→ライブドア出沢氏:可能性があるという話しかできない段階。

・質問) ハンゲームとライブドアの連携など
→NHN森川氏:夏までには発表したいと考えている。

・質問) 日本で持株会社を上場する計画はあるのか
→NHN森川氏:韓国NHNのサービスだけを展開するのではなく、各国の事情にあわせたサービス展開をする。しかし、現時点でNHN JapanのIPO計画はない。

・質問) ライブドアに対する投資の使途
→現在は未定

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[公式] NHN Japan株式会社株式会社ライブドアの株式取得に関するお知らせ
[公式] NAVERプレスリリース 「株式会社ライブドアの株式取得に関するお知らせ」>/a>
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(増田(maskin)真樹)

著者プロフィール:増田(maskin)真樹

 1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。
 週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
 独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。
 ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ&SNS国内展開に広く関与。
 現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
 書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。

twitter:maskin

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