dwangoは5月13日、第2四半期決算説明会において、「ニコニコ動画」が黒字化を達成したと発表した。
説明会開始直後、Twitterの公式アカウント @nico_news で「ニコニコ動画 黒字化なう。」と速報するも、4月1日のエイプリルフールで黒字化をネタにしていただけに疑問視するユーザーもいたが、説明会放送が始まると祭状態は沈着、プレミアム会員の増加などで黒字化を達成したことが粛々と伝えられた。
ニコニコ動画は、今年4月時点で登録会員数1670万人、有料のプレミアム会員(月額525円またはチケット課金90日1680円)数は77.2万人、モバイル会員月に12万ずつ増加で506万人も順調に増加。20代の2人に一人がニコ動ユーザー。32%が女性で増加傾向にある。
1日の平均PV数は363万PVで、1日平均訪問者数は24万人、1回の訪問あたりの滞在時間は79.3分(生中継の貢献が大きい。通常動画は38.6分)だった。
取締役の夏野剛氏は「単月黒字は2009年12月に達成していた。今回クォーターで黒字達成となった。プレミアムの会費が順調に増えているのが大きい。ニコニコ動画は黒字基調でやっていくが、広告の波が大きいので、下期は広告の予算は保守的に計画している」とコメントした。
運営のドワンゴもゲーム事業が増収増益。ニコ動などのポータルは別サービスの赤字もありセグメントではマイナスだが、2010年3月中間決算では、最終利益で約4倍の8億6700万円の増収増益だった。
ネットビジネス業界の2009年は、多数のサービスが閉鎖に追いこまれた波乱の年だった。一方で、着実にサービスを成長させ黒字化を達成する企業が登場している。業界における成功法則が確立しつつあるとみるべきか、冷静に受け止める必要がありそうだ。
【ニコニコ動画】ニコニコ動画黒字化への軌跡
・dwango 第2四半期決算?説明会
・ニコニコ動画が黒字化しました
・平成22年9月期 第2四半期決算発表について
(増田(maskin)真樹)
1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。
週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。
ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ＆SNS国内展開に広く関与。
現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。
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