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ソーシャルメディア時代の決済インフラ狙うFacebookの野心【湯川】

米TechCrunch主催のイベントTechCrunch DisruptでFacebookの創業チームの一人で同社大株主のSean Parker氏は、決済システムがFacebookの次の主要収入源になるとの見通しを明らかにした。TechCrunchによると、同氏は「広報に怒られるかもしれないけれど」と前置きしたあとに、決済システムが今後12カ月間のFacebookの収入の3分の1になるだろうと発言したという。Facebookの決算システムに対する積極姿勢がうかがえる発言内容だ。ソーシャルメディアが社会のインフラになれば情報や金銭が人間関係を通じて流通するようになるとみられているが、Facebookは社会全体の決済インフラの構築まで念頭に置いているのだろうか。


 Facebook上の人気ソーシャルゲームメーカーZingaの昨年の売り上げは1億ドル近くあったとされ、新しく導入するFacebookの決済システムであるFacebook Creditsを使うとゲーム内のバーチャルグッズなどの売り上げの30%が手数料としてFacebookに入る契約になっている。

 当然、手始めにこうしたゲーム内決済からの収益を見込んでいるわけだが、それだけではFacebook全体の収益の3分の1には達しないだろう。Facebookは未上場企業のため財務の数字は公開されていないが、米ブログInside Facebookによると、2010年は売り上げが11億ドルに上るという推計されているからだ。

 ということはFacebookは、Facebook上でのあらゆる決済にFacebook Creditsの利用を推奨し始めるのかもしれない。

 またFacebookは先月発表した新戦略でFacebookの人間関係を米国のウェブ全体のインフラにしようとしている。(関連記事:Facebookが開くポストGoogle時代)Facebook Creditsをウェブ全体で利用できる決済システムに育て上げようと計画しているのだろうか。クレジットカードを超える仮想通貨の仕組みを作ろうとしているのだろうか。

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