サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

「東京Camp 位置とAR」スピーカー:株式会社関心空間 代表取締役、宮田正秀氏 【三橋ゆか里】

「東京Camp 位置とAR」で登壇してくださった株式会社関心空間の代表取締役 宮田正秀氏の登壇内容をまとめてみました。お話の中心は2009年の年末に有料iPhoneアプリとしてリリースされた「ランブリン」。ツイッターに位置情報を結びつけたツイッタークライアントとしても活用できるそうなんですが、最近iPhoneアプリが改良されたそうです。改良点はズラッと以下のような内容。

・入力アシスト機能
(@やハッシュタグをインクリメントサービスで入力しながら絞る)
・いま何聞いてるよ機能
・リスト機能のサポート
・公式RT
・検索機能 (スポット、ユーザ、ツイート)、
・マップ・インタフェースの改良
・自分だけの場所のブックマーク機能(自分の家とか)
・よく利用するスポットの履歴 などなど

ユーザのランブリンの使い方をみて予想外だったことは、あくまでナビゲーションだろうと思っていた地図を、地図そのものを目的に使うユーザが多いことだったそう。例えば、自分がいる周辺エリアのタイムラインを見てお店などを発見して出向いてみたり、来週どこどこに行こうなどと計画を立てることに役立てていたり。自分の場所の周辺ツイートは、ツイートについた緯度経度を、よりユーザにとって意味がある住所のラベルに変換しているそう。難点は、同じ場所がある人にとっては代官山だったり渋谷だったりすること。確かに、必ずしも住所そのもので認識しておらず、むしろ最寄の駅で認識していたりしますよね。

これまで、福岡の大名商店「大名なう」など様々なキャンペーンで活用されているランブリンですが、既存のFoursquareなどのチェックインサービスのチェックイン機能に疑問を抱いたそう。それは”Mayor”が独占型であること。確かに既存の多くのチェックインサービスでは、特定の場所につき存在できるMayorは1人に限られています。もっと多くのユーザのモチベーションアップのために考えたのが、「ファンバッチ」という考え方。チェックイン数に応じて徐々にバッチがグレードアップしていく仕組みで、ファンには「リピーター」「サポーター」といったレベルがあるそう。お店によって客単価は異なるので、お店側がそのレベルを何回でグレードアップするといった独自のルールを決められる。

今回の東京Camp関連の記事でご紹介した他サービスに比べて、ランブリンは「地域」というキー ワードがすごく大きい。地域活性化をテーマとして掲げているからこそ、こういった”Mayor”という概念に関する工夫の発想が生まれるのでしょうね。確かに、チェックイン機能は一括の平たいルールだと面白みがない。チェックインする行為がどこまでも機械的で飽きてしまいますよね。でも、お店によって評価のされ方が違えば、お店もそれをベースに、お客さんの貢献度によってサービスを変えるといった対応が可能になる。

お馴染みのウェブサイト「関心空間」のオープンは2001年。ユーザではなく、ユーザが投稿した記事同士のつながりが特徴。興味を体験や可視化する情報空間として続けてきた関心空間、いわゆるソーシャルメディアの先駆けとして走ってきた9年間。今シフトが起こっていると宮田氏は言います。それは、「囲い込みからオープン」、「敵対から友好」、「マネーからウッフィー」といった流れ。ソーシャルメディアに関わらず、ウェブ全体がこの傾向にありますね。すでに豚組やツイートなうやmachitterなどともアライアンスを組んでいるそうですが、今後もエリアとソーシャルと位置連動サービスで一緒にビジネスできるパートナー、お店やスポットのオーナーと一緒にサービス拡大をしていく予定だそうです。

ランブリンの公式アカウントは@rmbl_in、代表の宮田氏のツイッターアカウントは@miyatam。そして関心空間さんは絶賛人材募集中です。キーワードは、「リアルタイム」「位置情報」「地域活性」。個人的に、ゲームという側面よりも位置情報サービスの「便利」やユーザの消費行動に関心が高いので、地域のお店や小売業界の活性化においてランブリンが今後どう活躍していくのか。注目していきたいと思います。

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

詳しいプロフィールはこちら

モバイルバージョンを終了