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300年続いてほしい位置限定音声つぶやきサービス「TwiReco」【東京CAMP】【宮崎洋史】

 引き続き東京CAMPを取材したゲストブロガーからの寄稿です。今回のゲストブロガーは友人の宮崎洋史さん。サービスは地図に音声データを張り付けるというTwiRecoというサービス。カギのかかった音声は、その場所に行かないと聞けないといいうのがおもしろいと思いました。【湯川鶴章】

300年続いてほしい位置限定音声つぶやきサービス「TwiReco」


宮崎洋史

 このサービスは300年くらい継続して欲しいな。Everrise社の「TwiReco」というWebサービスの説明を聞いて、こう思いました。ちょっと大袈裟な未来予想かもしれないけれど、その理由を書きます。

サービス内容


 TwitRecoとは、スマートフォンで音声を録音し、それを世界中の地図上に残していくサービスです。

 例えば旅行中、感動的な景色を見たら言葉に発して録音しましょう。TwiRecoがジオタグをつけてサーバー上に保存してくれるのです。

 録音された音声を聞く方法は二つあります。

 一つ目はTwiRecoのPCサイト上から聞く方法。TwiRecoサイト上のマップには、音声が録音された場所が、録音者名と共に「緑のピン」で表示されるのでクリックすると、はい、音声が再生されます。

 もう一つはピンの場所へ実際に行くという方法。

 特にマップ上の「赤のピン」は「ロックされた音声」で、これを聞くには現場へ行ってロックを解除しなくてはいけません。例えば大阪に赤いピンを見つけたら、その音声を聞くには大阪へ行かなくてはいけないわけです。


 サービスローンチは6月1日予定。当初はAndroidのみ対応ですが、iPhone版も開発予定だそうです。

 マネタイズ手法としては、広告モデルや他ジオ系サービスへの音声データ販売等の案はあるそうですが、どれも具体化はしていません。というか、そもそもTwiRecoは、自社のAndroidアプリ開発力をアピールするために作ったサービスなので、これで儲けようというつもりはないようです。

親しい人にだけに向けた音声メッセージ

 今、TwiRecoのpcサイトに行ってみると、緑のピン(=公開音声)がほとんどです。

 けれども、Everrise社長倉田さんは、Twirecoで音声を「不特定多数に向けて」公開したいという人は多くないだろうと予想しています。逆に、倉田さんが主な用途として見込んでいるのは、「家族や知人へ向けて」の音声メッセージ録音です。

 音声は口調とか、声質とか、スピードとかによって自分の素性がテキスト以上にあらわになってしまうコミュニケーション手段です。だからこそ、自分の音声を赤の他人に聞かせるコトには躊躇する一方、親しい人には聞いてたいと思うのは納得できる考えです。

 親しい人だけ音声を聞くことができるように、倉田さんは、音声ロックの解除権限を「ソーシャルグラフに基づいて」設定できるようにする構想を持っています。

 現時点では音声ロックの方法は「その場所へ行かないと聞けない」だけです。これを「相互フォローしてないと聞けない」とか「マイミクでないと聞けない」等に進化させたいというのです。

 実際、Twirecoのキャッチフレーズは「恋人のメッセージを聞きにパリに行っちゃう感じのサービス」というもの。音声ロック解除権限を細かく設定できるようになったら、TwiRecoで告白、場合によってはプロポーズなんてこともあるかもしれません。

 もう一つ、倉田さんがTwirecoの活用法としてしてあげたのは、未来の子供への音声メッセージ。例えば若者がバックパック旅行の道中で音声を録音。20年後、その若者の息子や娘が「親父の足跡を辿る旅」に出て父親の音声を聞くなんてことになったら面白そうです。

 僕は、旅行でなくてもよいと思います。

 とにかく現在の人間関係内でTwirecoを使い続ければヨイのです。そしてその習慣を子供に伝え、子供が孫に伝え、孫がひ孫に伝えていく…。こうすれば数百年後の僕達の子孫は先祖の音声を聞き、時間の連なりとか繋がりとかそういうものを感じてくれるような気がします。

 子供が外国に移住して母国語が変わると、先祖の音声メッセージを理解できないケースも出てくるでしょう。そんな時は時間だけでなく、空間の連なりとか繋がりとかも意識するはずです。

 だからどうした?と訊かれると返答に困るのですが、時間と空間の連なりの中に自分を置くと、自分は壮大な人類史の一部なんだと勇気が湧いてきませんかね?

 Twirecoはこんな未来を実現するため第一歩でしょか。ちょっと大袈裟ですが、こんなコトを考えた東京CAMPでした。

【ゲストブロガー】宮崎洋史

1970年東京都生まれ。
名前には「洋=海のように広く、大きく」「史=歴史にのこる」という意味が込められていると勝手に解釈して生きてます。

書くより、喋る方が好き。ブロガーと言うよりポッドキャスター。
湯川さんとの出会いはコレがきっかけでした。

現在、人材エージェンシー・エイクエントでマーケティングを担当。
会社(@AQ_JPN)でも、個人(@hmiyazaki)でもツイートしています。

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