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雑誌や新聞のiPadアプリが色々と出回ってきている中、その広告効果に関する興味深い数値が紹介された記事を見つけたので要点をまとめてご紹介します。ユーザを集め、ページビューを増やして何ぼのウェブ広告と、まだデバイスとしてアーリーアダプターにしか行き渡っていないiPadにおける広告をいくつかの効果指標で比較しています。「標準」なんてものがまだない今、先駆者がこういったデータを公開して共有することの価値は高い。
まずは、注目されているiPadアプリのダウンロード数。ニューヨークタイムズの無料iPadアプリのダウンロード数は5月中旬時点で30万件。4月3日に発売されたiPad本体の5月末時点の販売台数は100万台だったので、実に4人に1人がダウンロードしていたことになります。また、iPad版がスゴイ!と噂される”Wired”は、有料版アプリの発売から1週間で66,000ダウンロード。Chris Anderson氏も、”Wired”のiPadアプリが発売から9日間で73,000ダウンロードしたこと、今月にも紙の部数を上回るだろうと予測するツイートをしています。紙の”Wired”の販売数が82,000部だそうなので、かなり順調な滑り出しですね。
73,000 purchases of Wired iPad app in first nine days. Should beat newsstand sales of print mag (ave. mid 80s) this month.
次にiPadの広告料ですが、平均するとウェブの広告料の2~4倍だそう。”USA Today”のiPadアプリでは、1,000インプレッションで50ドル。同じインプレッション数がウェブサイトでは10ドル以下、紙だとカラーで103ドルだそうです。iPad版はウェブと比較するとその5倍、ページ数が限られた紙との比較では半額ということになります。ただ長期的なエンゲージメントという意味では、 アプリにはアプリのハードルが。とある雑誌のアプリを今月ダウンロードしたからといって、来月もまたユーザが自主的にダウンロードしてくれるとは限りません。また、タップするだけでSafariという快適なブラウザでウェブの無料記事が読めてしまうんですから、いかに価値あるコンテンツを提供するかのハードルはとっても高いと言えます。
■USA Todayの広告価格設定
iPadアプリ:50ドル / 1,000インプ
ウェブ:10ドル未満
紙(カラー):103ドル
iPadがアーリーアダプターにだけ利用されている状況だからこそ広告を出す価値があると考える企業もいます。例えばJPモルガン・チェース。JPモルガン・チェースは、ニューヨークタイムズの無料iPadアプリを60日間スポンサーしていて、その目的は高所得者(トップ15%)を対象としたサファイアクレジットカードのユーザを増やすこと。所得がトップ15%に入るユーザと、499ドルもするiPadを購入するユーザとが見事にマッチングしているわけです。つまり、このディールは現在のiPad普及率があってこそ実現したわけで、デバイスが普及すればするほど、iPadに広告を出すプレミア感は減るという考え方もあるわけです。
次に、雑誌や新聞のiPadアプリの広告のクリック率について。オンライン広告のクリック率が0.1%であることを考えると、iPadアプリの広告クリック率は桁違いに高い15%だそう。またウェブでは、1ヶ月間のあいだに広告を1度もクリックしないユーザが全ユーザの84%にあたるそうで、iPadの同数値はありませんでしたがウェブを上回っていることは間違いないでしょう。まだまだUIや使い勝手などに改善が必要なアプリなので、中には間違えてタップしてしまったり、試験的にタップしてみるユーザなどもいるでしょうが、それにしても断然高いですね。
■iPadアプリの広告クリック率
iPadアプリ:15%
ウェブ:0.1%
最後に、もうひとつ出版社に心強い数値はアプリの閲覧時間。コンデナストによると、彼らの雑誌アプリの平均閲覧時間は1ヶ月に60分にも及ぶそう。ウェブの場合、サイトの月間滞在時間は”Vanity Fair”で平均2.1分、”GQ”で3.8分というからその差は歴然です。
■iPadアプリの閲覧時間
iPadアプリ:60分 / 1ヶ月
ウェブ:2.1分(Vanity Fair)
ウェブ:3.8分(GQ)
これまで広告主は、やれページビューだ、ビジター数だとROIを求めてきたわけですが、iPadやiPhoneアプリに関してはそもそも指標そのものを見直すことになりそうですね。ComScoreは、単純なクリック数やクリック率ではなく、「広告を見てブラウザで検索をしたユーザ」など、アプリならではの効果測定の指標を模索しているそう。ソーシャルメディア活用のキーワードも「エンゲージメント」ですが、アプリ単体、そしてコンテンツの一部としての広告で、いかに 読者とのつながりや絆を深めていくのか。エンゲージメントというキーワードはここにも当てはまりそうです。
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これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。
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