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ゲームを超えたソーシャルの価値を作る=ミクシィ新オープン戦略発表へ【湯川】


 「昨年のmixiのオープン化は、今年これから発表するオープン化に比べるとはるかに小さなオープン化だったと言える」ー。株式会社ミクシィの原田明典取締役はそう語る。

 新オープン化戦略の正式発表は8月に予定されているカンファレンスで行う予定だが、仮称だが3つのテーマが決まっている。1つは、メディア・デバイスプラットフォーム。メディアやデバイスに向けたプラットフォームという。詳細は正式発表まで明らかにしない。

 2つ目はソーシャル支援プラットフォーム。Infinity Venture Summit(IVS)ではその具体例として、一般のウェブサービス上にmixiの中の情報を出したり、外部のウェブサービスからmixi向けに投稿できるようにmixiのAPIと呼ばれる技術仕様を公開する計画を明らかにした。


 これは恐らくこのTechWave上で採用しているFacebookの仕組みに似たものかもしれない。TechWaveの右下にFacebookのコーナーがあり、ここにはFacebookの「いいね!」ボタンを押してくれたユーザーの数やロゴが表示されている。また各記事の下の「いいね!」ボタンを押すと、そのユーザーのFacebookのページにTechWaveの記事を「いいね!」しました、と表示される。

 このことからIVSでは「Facebookを真似たのか」との質問が出たようだが、ミクシィの笠原健治社長は「Facebookが発表する前から考えていた」と主張、原田取締役は「今回はFacebookが発表したのと同じレベルのものだけを明らかにした。8月にはFacebookでさえ実施していない新しい取り組みを発表するので、われわれが単純に真似ているのではないことを理解してもらえると思う」と語る。確かにこうした仕組みのアイデアは「はてなスター」しかり、以前から存在するものなので、特に真似たわけではないのだろう。

 そして3つ目はソーシャルゲートウェイプラットフォーム。ソーシャルな世界と従来の世界をブリッジしていくようなプラットフォームだという。

 具体的な中身は未発表だが恐らくミクシィが目指しているのは、友人関係を通じて情報が流れる仕組み、情報社会のインフラになるような仕組みなのだろう。

 友人のグループの間でゲームをすれば、一人でゲームをするよりも何倍も楽しい。それがゲームがソーシャルゲームになることで生み出される価値だ。

 しかし、ソーシャルなインフラが生み出す価値は、その程度のものではない。もっと大きな価値が創出されるのだ。

 例えば友人と買い物を一緒にするだけで買い物はより楽しくなる。友人と相談するだけで、よりいいアイデアが浮かぶ。同様に、ソーシャルな仕組みを、あらゆるウェブサイト、あらゆるメディア、デバイス、あらゆる人、物に広げていけば、社会により大きな価値を付加できるのではないか。笠原氏と原田氏はそう主張するわけだ。

 これだけの説明でイメージしづらい人は、Tech Wave:米Levi’sのサイトに見るソーシャルショッピングの近未来という記事に書いたFacebookの取り組みを参考にすればいいだろう。もちろん細かな点でミクシィの取り組みとは異なるだろうが、ウェブのソーシャル化が進むということは大枠でこういう流れだということが理解できると思う。

 また下の動画(20分弱)インタビューを見ていただいても理解が進むと思う。

 さてミクシィは、モバゲータウン、グリーのように世界進出を狙わないのだろうか。原田氏は「対象はグローバル」と言う。

 しかし世界には、ミクシィと同様のビジョンを持つ会員5億人を誇る世界最大のFacebookが存在する。ミクシィはどう対抗していくのだろうか。笠原氏、原田氏ともに「まだ話せない。いずれ大きく発表する」と言う。

 さてここで大胆予測させてもらえば、わたしはミクシィがFacebookと連携する可能性があると思う。Twitterと連携したのだから、Facebookとも連携したとしてもおかしくない。世界のSNSはいずれすべて連携していくようになるのだと思う。

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