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mixi、gree、モバゲー戦略比較=海外か、ソーシャルインフラか【湯川】

 日本の三大SNSであるmixi、モバゲータウン、Greeの次期戦略が見えてきた。激しいライバルと見られがちな3SNSだが、進もうとする方向は大きく異なるようだ。

 ミクシィは新しいオープン化戦略を8月に正式発表するという。その具体的な中身はまだ明らかになっていないが、ミクシィの原田明典取締役によると、昨年発表されたオープン化とは比較にならないほど大きなオープン化になると言う。


 昨年のオープン化は、サードパーティーの開発者がmixiというプラットフォーム向けにアプリやゲームを開発できるようになる、という意味でのオープン化だった。

 恐らく8月発表の新戦略は、世界最大のSNSである米国Facebookのオープン化戦略に概念的に近いものになるものとみられる。つまりmixiの会員の友人関係のデータを外部のウェブサイトなどが利用できるようにすることで、友人間の情報の共有を簡単に楽しくする仕組みだ。友人関係を通じてよりスムーズに情報が流れるようになり、ウェブサイト側は口コミを通じたアクセス増や売上増を見込めるようになる。mixiの友人関係のデータによりウェブの情報の流れるを変えてしまうような壮大な戦略だ。

 一方でモバゲータウンは「クロスデバイス、クロスボーダー」という戦略を既に発表している。いままでは携帯電話からのみアクセス可能なSNSだったが、PCなどでも利用できるようにするというのが「クロスデバイス」戦略。その目玉は、Yahooと発表した「Yahoo! モバゲー」だ。ケータイとPCではユーザー層が異なるため、モバゲータウンにとっては新規ユーザー開拓が期待できる。

 もう一方の「クロスボーダー」戦略は、いわば海外戦略。これまでもモバゲータウンは中国や米国のローカルSNSなどに出資もしくは買収を行ってきたが、目立った成果が出ていない状態。そんな中での新たな「クロスボーダー」戦略の目玉は、iPhone向けにアプリの「MiniNation」。怪盗ロワイヤルなどを含む日本でも人気のゲームの英語版が数本搭載されたゲームプラットホームだ。英語版のみのリリースで、今はまだベータ版なのでまだそれほどダウンロードされていないようだ。

 残るグリーも「キーワードはグローバル」(青柳直樹CFO)という。来るべきときに大きな資金調達が可能なようにマザーズから東証一部に上場し、現在の数倍の人数の従業員が働ける広さのオフィスを求めて六本木ヒルズに本社を移転することを決めた。「まずは体制作り」ということでグローバル化に向けた人材、特にスマートフォン向け開発を得意とする人材を募集している。

 ゲーム専門のプラットフォームになるつもりはないとグリーの田中良和氏は言うが、モバイルゲームという日本が得意とする切り口で「日本を代表するような世界的ネット企業」を目指すという。

 ただ具体的な戦略の中身に関しては「秘密」。正式発表はもう少し先になりそうだ。

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