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世界最大の書店チェーン「バーンズ&ノーブル」が身売りか 【増田(@maskin)真樹】

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世界最大の書店チェーン「バーンズ&ノーブル(以下、BN)」は8月3日、会社の売却を検討すると発表した。BNは全米で720店舗を展開しているものの、店頭での販売が落ち込み株価が低迷していた。

電子書籍市場にもオリジナルの端末ブランド「ヌック(Nook)」を展開。シェア一位の米アマゾン「キンドル(Kindle)」に及ばす、そこにきて米アップルの「iPad(アイパッド)」等の対抗馬が続々投入され競争が強まっていた。


BNは特別委員会を設立。その言い分はこうだ。デジタル事業について名言しているところに、紙→デジタルの市場転換ぶりを感じさせられる。

・株価が著しく割安(3年前の約3分の1)
・世界最大の書店チェーンとして、強いブランドで競争力を持つBNを急速に変化する市場に対応するために大胆な施策が必要だ
・爆発的な成長を遂げているデジタル事業に注力するためにも会社の売却といった大胆な方法も検討する
・株価の向上は、すべてのステークホルダー(利害関係者)にとって利益となる

創業者であり筆頭株主であるレオナルド・リッジョ(Leonard Riggio)氏も同意していることから、条件次第ではスピーディーに買収が展開する可能性もある。

成長する電子書籍市場の大手プレイヤーでもある書店チェーンの大胆なアイディア。どの方向に転ぶにせよ、市場全体に余波をもたらしそうだ。

■ [リリース] Barnes & Noble to Evaluate Strategic Alternatives
http://www.barnesandnobleinc.com/press_releases/2010_aug_3_bks_strategic_alternatives1.html
■ [公式]Barnes & Noble, Inc.
http://www.barnesandnobleinc.com/

著者プロフィール:増田(maskin)真樹twitter:maskinmetamix)

 1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
 独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。帰国後、ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ&SNS国内展開に広く関与。
 現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。

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