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skypeついに上場申請=明らかになったビジネスモデル【ループス斉藤徹】

株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
斉藤 徹

Skypeがついに米国SECに上場を申請 (SECファイル)、そのフリーミアムなビジネスの全貌が明らかになった。



【2005 – 2010上半期 Skype損益概要】
 
まず損益状況からみると、2010年上半期の売上は406百万ドル(約 350億円)、営業利益は1.4百万ドル(約1.2億円)、純利益は13百万ドル(約11億円)だった。参考まで2010年上半期のEBITDA(税引前 利益に支払利息と減価償却費を加算したもの)は115.7百万ドル(約99億円)で、1年前から54%向上している。

なお昨年後半には、それまで100%株式を保有していたeBayと創業者グループとの間で法廷闘争があり、344百万ドル(約295億円)の損失を出していることが明らかになった。



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続いてSkypeのビジネスモデルを見てみよう。

Skype会員登録者数は全世界で5.6億人、2010年6月の利用者は1.24億人だった。うち有料利用者は8.1百万人であり、利用者の約6.5%にあたる。有料利用者の年間利用料は平均96ドル(約8200円)とのこと。

また全ユーザーの2010年上半期のSkype利用時間(音声およびビデオを含む)は950億分にのぼり、そのうち40%はビデオ通話のようだ。

Skypeは今後、有料会員収入以外のビジネスモデルとして、広告、企業向けサービス、ゲーム内でのバーチャルグッズ販売をすすめていく方針だ。

なお、MashableBusiness Insiderによると、Nasdaq上場時の調達予定金額は1億ドル(約86億円)。参考まで、昨年度eBay売却時の評価額は27.5億ドル(約2360億円)だった。さらに詳細な情報は、SECへの 申請ファイル でご確認を。
 
 

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著者プロフィール:斉藤 徹 (さいとう とおる)
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
2005年が創業。国内での企業向けSNS構築分野でトップシェアです。
(ミック経済研究所,アイティーアール社 2008年調査にて)
現在は,企業コミュニティを単体で捉えるのではなく,多様なソーシャルメディアと有機的に結びつけ「クチコミ動線」を設計・構築・運用するコンサルティング・ファームとしての色合いを強めています。

書籍・コラム・ブログは個人活動ですが,ビジョンとノウハウは,ループス社員一同で共有しています。創業テーマである Socialmedia Dynamics を見つめながら,ソーシャルメディアやクラウドソーシングの分野で高い専門性を磨き続けたいと日々励んでいます。(といっても全く堅い人間ではないです。 特に夜は柔らか過ぎと定評です)

Twitterアカウント toru_saito
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