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ラジオのネット配信「ラジコ」、8月末終了予定のサービスを継続へ 【増田(@maskin)真樹】

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 「IPサイマルラジオ協議会」(事務局=電通)は8月13日、対応各局のラジオ番組をインターネット経由で試聴できるサービス「radiko(ラジコ)」の実用化試験配信を3ヶ月延長すると発表した。当初、試験配信は8月末で終了予定だったが、11月末まで延長する。同社の発表によれば、2010年3月15日の試験サービス開始以降、週間聴取者数が延べで300万人を数えたという。

 radikoは在京民放ラジオ7局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI 、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE)、在阪民放ラジオ6局(朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA)の地上波放送をCMも含めまるごとネット配信するサービス。ネット放送の受信は、放送エリア内からのアクセスに限定されている。

 視聴は、ウェブページやガジェット、iPhone、Android向けに提供されているアプリを使用。うち「radikoガジェット」は約95万ダウンロード、iPhone向けアプリは、約65万ダウンロード。7月27日にリリースしたAndroid向けアプリは約2万ダウンロードされているとのこと。

 延長の理由として着実にユーザーを獲得していることを挙げるほか、ユーザー向けアンケートにおいて「99%の方がサービスの継続を希望」という結果があったからと説明するが、結局、実用化、つまりマネタイズできるような環境を整備できなかったのではないだろうか。延長期間中は、サービス安定課題への対処などを実施するというが、それよりも新しいコンテンツやサービスを模索した方がいいと感じる。

蛇足:僕はこう思いました

普段は滅多に聴かないラジオが身近かになることは嬉しい限りだ。しかし、普段UstreamやYouTube、PodCast、そして世界中のラジオ放送を楽しんでいる筆者にとって、正直いって国内のラジオ放送から流れるコンテンツのほとんどに魅力を感じなかった。東京FM系で何度か出演経験のある筆者は、現場スタッフのプロっぷりには頭があがらなかった。彼らのコンテンツがおもしろくないわけはないんじゃないかといつも疑問に思う。実力の高さではなく感覚の違いのようなものだろうか。個人的には「コミュニティ感」が既成ラジオ放送には欠けているような気がしている。個人でもネットラジオが開設できる時代、商業ラジオのあるべき姿などんなものか。それが見えた時に新しいラジオが始まると思う。

(追記)
この記事に対するツィートをみていると「ラジオ」「声のメディア」に対する期待がとても多いことに驚きました。番組に対しても愛着を持っている人がこんなにいるんだ!と認識を改めることができました。上で「魅力を感じない」と書いたのだけど、よくよく考えてみれば「自分が好きなりそうな番組に遭遇できてないだけ」と思うようになった。みんなの声を聞いていると、まだまだおもしろい番組はあると実感が沸いてくると共に、オンデマンド型など今の時代にあった要素があればいいのに、と思うようになりました。

■ [2010/08/13]「IPサイマルラジオ」(radiko.jp)実用化試験配信期間の延長について(PDF)
http://radiko.jp/newsrelease/pdf/20100813_001_pressrelease.pdf
■ radiko.jp (IPサイマルラジオ協議会)
http://radiko.jp/

著者プロフィール:増田(maskin)真樹twitter:maskinmetamix)

 1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連雑誌で活躍。
 独立系R&D企業のマーケティング部責任者の後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの立ち上げに参画。帰国後、ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。ニフティやソニーなどブログ&SNS国内展開に広く関与。
 現在、複数のメディア系ベンチャー企業にアドバイザー・開発ディレクターとして関与。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。

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