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その経緯は湯川さんが先週上げたエントリ(これやこれ)に詳しいですが、強気あるいは無謀?ともいえる値付けの根拠になっている、電子書籍版の機能が簡単に分かるビデオを作りました。
現状で本文のハイライト表示(マーカー)、メモやタスク(勉強の目標設定)のTwitter共有、アプリ内での動画視聴などを実装しています。さらに、より詳細な共有をweb上で可視化する仕組みを開発中です。開発側によるアップデートだけでなく、読者の参加によって常に何かが新しくなるような本にしたいと思っています。
電子書籍に限ったことではないですが、値付けというのは難しいですね。当初は「アプリの常識」として、セール価格の300円台から初め、落ち着いたところで「定価」の800円程度に持って行く予定でした。
しかし著者と協議した結果、今回はその常識に囚われない価格設定を試みました。
紙の本の1260円。これは関わった多くの人間の人件費、原材料、流通など、様々な要素が加わった価格です。
一方電子書籍の主要関与者は3人。単純にコストから考えれば、紙の本より安くできるはずです。とはいえ、電子書籍ならではの利便性は、価値として価格に反映できるのではないか。さらに言うと、価格設定にコスト+マークアップ(上乗せ分)以外の発想を取り入れる狙いもあります。最終的な価値は市場(購入者)が決めるでしょうが、まずは自分たちがしっかりと価値付けを行わないと、電子書籍にかかわらず、無限の低価格競争に飲み込まれるだけです。
もっとも、今回は紙の本の価格が基準ですし、こういった機能が電子書籍の差別化要因でなくなる日も遠くないかもしれません。
この値段で売れ続けるのか、価格を変えて何が起きるか。実験結果は、いつか公開したいと思います。