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エリア×ランチでいつでも最新情報が楽しめて共有できるサンゼロミニッツ。CEOの谷郷さんにインタビュー。 【三橋ゆか里】

最近ちょっと楽しみにしてるのが、30min(サンゼロミニッツ)のニアミス通知。30minで自分がチェックインしたお店に他のユーザがチェックインすると、「@tsuruakiさんとニアミスしました」なんてプッシュ型通知がiPhoneに届くの。あ、あの人も○○でランチしてるんだ、なんて既に知っている人との共通点が嬉しかったり、まったく知らない人と巡り合う機会になったり。そんな気になるニアミス機能含め、つい1週間前に大幅アップデートを迎えてパワーアップした30minについて、CEOの谷郷さんにお話を聞いてきました。

■サンゼロミニッツってどんなサービス?
ランチできるお店に関する旬な情報を、厳選されたブログからピックアップして掲載するサンゼロミニッツPC版。ブログ記事以外に、電話番号や営業時間、地図などのお店の詳細情報も確認できます。PC版の他に、iPad、iPhone、Androidでもアプリも。iPadアプリは、サンゼロミニッツ一番人気の「ランチマップ」に特化していて、お店の情報がマップ上に表示されるというもの。iPhoneアプリは、ブログコンテンツの他に、ユーザが行うチェックインや投稿といったソーシャルな要素が強いのが特徴です。

アプリを起動すると表示されるメッセージ「今日のランチ何食べた?」からもわかるように、あくまでランチに特化しているサンゼロミニッツ。何から何まで網羅するということではなくて、わたしたちが毎日行うランチを食べるという行為に絞って、そのシーンで役立つように設計されています。いわゆるチェックインアプリでは、駅だったりオフィスビルだったり、何にでもチェックインできてしまうけれど、「ランチ」にフォーカスしていることがサンゼロミニッツと他との大きな違いだったりする。


■アップデートされたサンゼロミニッツの主な機能
ウェブ上(ブログ)から情報を収集をしてきて、それを検索できるということが、これまでのサンゼロミニッツのサービス特徴。今回のアップデートではアプリを一新させ、検索画面だったトップページをツイッターのフォロワー関係を反映したタイムラインに変更。情報を集めてくるフェーズから、ソーシャルな要素やリアルタイム性を強調する新しいフェーズに突入した、と話してくださった谷郷さん。トップには、「このエリアの最新投稿」と「フォロワーの最新投稿」が一覧で表示されます。いま自分のいる場所付近で、30minのユーザが何を食べているのか、また自分がフォローしている人がどこでランチしているのかが一覧でわかる。自分がフォローしているユーザが、現在地付近で行ったお店の一覧も表示することができます。また、【ランチ】のタブでは、距離・人気・NEW・地図・検索、また駅名でお店を探すことが可能。食べたいものがある場合は、[検索]を使って、駅名・スポット名、さらに和食・洋食といったカテゴリでお店を探すこともできる。

■たのしい「ニアミス機能」
冒頭で触れたニアミス機能。例えば、渋谷のカフェミヤマにわたしが1度でもチェックインしたとします。その後、同じカフェミヤマに他のユーザがチェックインした場合、わたしのところに「○○さんとニアミスしました」というプッシュ型の通知が送られてくるんです。プッシュ型の通知が送られてくるのは、そのお店に最近チェックインした10ユーザまで。それより前にチェックインしていても通知はこないので、まさに「ニアミス」の機能。お店に誰がいるかがわかったり、「同じお店が好き」というユーザと繋がる理由にもなったりする。実際わたしも、サンゼロミニッツで同じユーザとのニアミスが連続して発生して、気になってどんなユーザなのかツイッターでチェックしちゃいました。そんな風に、ツイッターのソーシャルグラフとは別に、サンゼロミニッツのニアミスがツイッターに広がるなんて逆の楽しみ方もあったりします。

■ユーザと店舗によるCGM
サンゼロミニッツのこだわりは最新情報。サンゼロミニッツをまだ始めた当初、谷郷さんは「新着情報だけをエリアごとに見られるサービス」を目指していたそう。最新情報には、ブロガーが書くお店の情報、ユーザが投稿してくれるチェックイン情報、それに加えて店舗側が提供する情報があります。ユーザが、今日の○○屋の日替わり定食は竜田揚げタルタルソースだよ、なんて投稿をしてくれることもある。かと思えば、店舗がその日の日替わりメニューをサンゼロミニッツにアップしてくれることもあるそう。ユーザからは閉店に関する情報なんかも提供されるそうで、それはそれで有益。でも、店舗が自ら最新の情報を発信できるのがベスト。それをより促進するために、ツイッターで店舗に対する営業を行っているそうです。ITリテラシーの高いお店はたいがいツイッターをやっているし、サンゼロミニッツのようなサービスへの関心も高いから親和性があると。

■サンゼロミニッツの既存とこれからのビジネスモデル
現在のビジネスモデルは広告モデル。エリア系のアドネットワークだったり、クーポン系のサイトに誘導したコンバージョンでキックバックが入るといった仕組み。今後は店舗とのキャンペーンなども検討しているそう。例えばエリアに対して日替わりメニューを差し込めたり、店舗側へのプレミアム版の提供などもありえると。また、8月23日からスタートする最新のキャンペーンについても教えてもらいました。サンゼロミニッツを使ってみよう、と思える内容になってる気がする。

赤坂サカスなど、都内に5店舗ほど持つカフェと実施するキャンペーン。サンゼロミニッツのアプリからチェックイン・投稿すると、メニューにはない特別メニューが食べられたり、期間限定のビールなどが飲めるそう。店舗にサンゼロミニッツのポスターを貼って、実際にお店に来ているお客さんに告知して使ってもらうスタイル。このお店の特徴は常連さんが多いことで、数百人単位の常連さんがいるんだとか。その間でサンゼロミニッツのニアミスが発生すれば、継続して使ってもらう動機付けにもなりそう。今後、こういった店舗とのキャンペーン展開も楽しみですね。

■サンゼロミニッツのはじまり
もともと携帯の広告会社にいらっしゃった谷郷さん。徐々にGPSを搭載した携帯が増えてモバイル広告が盛り上がっていく中、バナー広告に違和感を感じたそう。本来、持ち歩くデバイスならではの、ユーザが直接お店に行くための「携帯ならではの広告」が展開できるはず、と。オフィスや自宅の場所が決まっていると、手ごまのお店も当然決まってきて目新しくない。そんな中で「今日何食べよう」となると、その日のスペシャルだったり、雨だから今日はこんなスペシャルサービスがあるよといったリアルタイムの情報がキーになる。そう思って始めたのがサンゼロミニッツだったそうです。

「これまでは、ウェブに蓄積された情報を引っ張ってくることがメインで、位置情報をベースにそれを引っ張り出せるところまでだった。でもこれからは、投稿やチェックインといった機能で、最新の情報をリアルタイムに反映することができる。エリアのタイムライン共有、例えば渋谷近辺で日替わりメニューに関する投稿が11時半くらいにあったら、それをきっかけに人が動くなんてことがあるんじゃないかと思う」と話す谷郷さん。

■欲張らず、シンプルだからこそ強い
いわゆる位置情報系サービスのサンゼロミニッツ。そのユーザはITに強いアーリーアダプターが多いのかと思いきや、半数は一般ユーザだと聞いてちょっとビックリ。アプリ紹介のガイドブックなどに掲載されたことが理由みたい。iPhoneアプリのダウンロード数は約20万件。iPad版もすでに5万ダウンロードを記録しているというからすごい。スペックによるお店探しではなく、「今日のランチ」という日常的なシーンで手軽に使えちゃう。ランチに行こうと思ったら、サンゼロミニッツのアプリを起動するだけ。飲み会のお店を予約するときのように、料理のジャンルや最寄駅、予算といった細かい情報を入力する必要は一切ないのが嬉しい。また、今どこにいるかを重視する多くのチェックインサービスと異なって、今日どこに行ったかの記録をログとして残していけることを楽しむユーザが多いそうです。

単なるチェックインサービスだと、いくつも併用して使うユーザはまずいないし、一括チェックインってのもまた何だか全然楽しくない。そんな中、「ランチ」に特化してること、また敢えて検索させないことが、サンゼロミニッツの差別化になっていると思う。ネット業界のユーザよりも、iPhone買ってみましたといった通常のユーザが多いことを考えると、まず何をやればいいのかが明確であることってすごく大事。そこを定義してあげることで、ユーザが初めて使ってみるハードルも、それから継続して使うハードルも低くなる。想定する利用シーンを考えて、ユーザがどう活用できたら便利か、楽かをしっかり反映しているなーとつくづく思います。「毎日起動してほしいから」と話す谷郷さん。うん、むしろ、毎日起動しない理由がないかもしれない。

サンゼロミニッツデビューがまだよ、という人はぜひぜひ使ってみてください。ランチに行く店までわざわざ検索したくないって人、アプリを立ち上げるだけでOKなので。確実に、そして着々と進化していくサンゼロミニッツ、今後も要チェックです。

【修正】
Androidアプリは、まだチェックインや投稿に対応していないとのこと。対応しているという一文を削除しました。

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

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