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3ヶ月前に「iPad入手1週間、外出時に持ち歩かなくなった」という記事を書いたことを覚えている人からはお叱りをうけそうなので、ひと言弁解。僕は、レビュー記事を書くのなら2回は書くべきだと思う。購入直後の「最速レビュー」とかいわれるタイプと、「最遅レビュー」とでも呼ぶべきじっくり使い込んでからのレビューの2本。最速レビューって、購入したてで嬉しくて仕方がないので、いいことばかり書いてしまうって人が多いように思う。でも1、2ヶ月使い込んで本当はどうだったの、という話が聞きたいものだ。なので、僕も2回目のレビューを書こうと思う。
最近はネットを見ていると「iPadを使わなくなった」という声をちらりほらりと見かけるようになった。仕事をするにはパソコンのほうがいいのは初めから分かっている。iPadのよさは電子書籍や映画などのコンテンツを手軽に利用できるところにあると思うのだが、そうしたコンテンツがまだ揃っていない日本においては、やはりiPadは宝の持ち腐れ的状況になっても不思議はない。
でも僕は最近iPadが手放せない。自分の中ではiPadが中核デバイスになってしまった。
どういう意味においてiPadがすばらしいのかを説明しよう。
(1)電子書籍リーダーとして
ノートパソコンでなんて電子書籍なんて読んでられない。キーボードなんて不要だし、ページめくりをカーソルやマウスを使ってなんてやってられないよ。
やっぱり直感的に指でページをめくるのがいい。
最近はAmazonの電子書籍リーダーアプリKindle for iPadに辞書機能がついたので、英語の電子書籍を読むのが楽しくなった。米国で話題の新刊を簡単に購入できて、その場で読み進められるって本当にすばらしい。いい時代になったものだと思う。
(2)Twitterは縦長画面で
500人以上もフォロしている人たちのTweetを流し読みするわけだから、パソコンの横長画面よりiPadの縦長画面のほうが絶対にいい。指でどんどんスクロールダウンできるのでかなりのTweetを流し読める。パソコンよりも圧倒的に便利。ちなみに僕はEchofonというiPad向けTwitterクライアントを使っています。
(3)RSSリーダーも縦長画面で
RSSリーダーはGoogleリーダーを使っているんだけど、本家のGoogleリーダーをパソコンの横長画面で使うよりも、RSSリーダーアプリを縦長画面で使うようが絶対便利。Twitter同様に、非常に多くの見出しを流し読みするには縦長画面を指で次々下に送っていくほうが便利だと思う。
Google本家のRSSリーダーもiPadアプリとしてあるんだけれど、自動ロードができない。画面の下までいったら再度読み込みボタンをタップして、リロードされるまでしばらく待たなければならないんだ。1日に何百本も見出しを流し読みしようとすると、このリロードのための1,2秒間がすごいストレスになる。
僕が使っているfeeddler proは、下までスクロールダウンするまでに、続きの見出しを自動的に読み込んでくれる。自分に関係ない見出しは、先頭のドットをタッチするだけで「既読」になる。この2つの機能のおかげで今まで消化しきれなかったRSSリーダーの未読の記事をサクサク処理できるようになった。より広くアンテナを張り巡らせるようになったと思う。
(4)iPadのキラーアプリ「Flipboard」
Twitterのタイムラインをまるで電子雑誌のような見栄えにしてくれるFlipboard。そのデザイン性のすばらしさはあらゆるところで絶賛されているので、僕はデザインではなくあえて機能面のすばらしさを指摘したい。
1つは、記事選択のアルゴリズム。正直どのようなアルゴリズム、選択基準で記事を選んでいるのか分からないんだけど、読み応えのある記事を中心をピックアップされている。より多くRTされているURLの記事の中で僕がフォローしている人が多くRTしている記事を先に表示させるのだろう。世間一般にRTされることが多い記事でも、僕がフォローしている人がRTしていなければまったく表示されない。僕が選んだ人たちがフィルターの役割を果たしてくれているわけだ。
またフォローしている人の中には、身の回りのことばかりTweetして、記事や情報へのリンクをまったくTweetしない人もいる。そういう人達のTweetは「hide」設定して「隠し」、URLをTweetする人の情報だけを表示するように自分で微調整できるようになっている。この「hide」機能は秀逸だと思う。リンクをTweetしないからといってフォローを止めたいとは思わないので、Flipboardの中でだけ「隠す」ようにするわけだ。そうすることによって話題のウェブページを雑誌のように読むことができるようになっている。経済問題に詳しい人をフォローすればFlipboardが経済誌に、IT問題に詳しい人をフォローすればIT雑誌になるわけだ。
もう1つの素晴らしさは、バックグラウンドでロードしていること。見出しと最初の段落が面白そうなのでその記事をタップすると、すぐにもう少し長めの記事が表示される。これはまあほかのRSSリーダーでも同じ。すごいのはここから。その少し長めの記事を読んで、直接元のサイトに行って本文全文を読みたければ「Read on Web」というボタンをタップする。そうするとなんと、ほぼ待ち時間ゼロでオリジナルサイトのページが表示されるのだ!
見出しと最初の段落をタップして、少し長めの記事を読んでいる間にFlipboardは裏でオリジナルのサイトにアクセスし、データのダウンロードを始めているのだろう。つまり「短文」「中文」「長文(オリジナルサイト)」の3段階に分け、「短文」から「中文」に進んだ段階で「長文」のデータを裏でダウンロードし始めるという仕組み。「短文」のリストを流し読みしている段階で「長文」のデータすべてをダウンロードするのはあまりに無駄が多いので、「中文」を選択するという関門を通った記事だけ、すべてのデータをダウンロードするわけだ。よくできた仕組みだなあ。見出しから本文まで、ほぼストレスなしに読み進めることができる。(最初にアプリを立ち上げたときだけ読み込みに時間がかかる。まあこれは仕方がないかなあ)
この見出しから本文までストレスなく読める仕組みは、ぜひほかのTwitterクライアントやRSSリーダーでも採用してもらいたいものだ。Twitterクライアントの中には、URLをクリックしてもサイトの本文が表示されるまで数秒以上かかるのもある。記事本文が気になるんだけど、アクセスに時間がかかる可能性があるのでリンクをクリックしないことも多い。
(5)取材メモに最適なAudioNote
このアプリに関しては別のエントリーで紹介済みなんで割愛。音声とメモが同期されていて、取材後にメモの特定の語句の部分をタップすればその語句を書いたときの音声から再生されるというアプリ。テープを全部起こす場合には不要だが、念のために録音しておいて、正確に引用するために大事な部分だけを聞き返すとう用途には最適。取材で重宝している。(関連記事:記者、学生に最適iPadアプリ=ノートと録音が同期するAudioNote【湯川】)
上記5つの用途って、僕のような仕事をする人にはかなり大事な用途。なので気がつけば、ノートパソコンよりもiPadを使うことのほうが増えてきた。外出するときも電子書籍を読みたいのでiPadだけを持ち歩くようななった。
【iPhoneとの違いはやはり画面の大きさ】
上記5つの用途は、iPhoneでも同様の結果になるんだけれど、やはりiPhoneとの最大の違いは画面の大きさになる。Twitterにしろ、RSSリーダーにしろ、最終的にはウェブページにアクセスする。ウェブページのほとんどはパソコンサイズの画面を意識してつくられている。なのでiPhoneで読むよりiPadの大きな画面で読むほうが圧倒的に読みやすい。ネット情報の情報の多くがパソコン向けに作られている現状においては、iPadの画面の大きさはそれだけで価値のあることなのだと思う。
また取材メモを取るにしろ、iPhoneのAudioNoteではメモスペースが小さ過ぎてほとんど使い物にならない。
【結論】
人によって目的はさまざまなんで、iPadは現状では必ずしもだれにでもお勧めできるデバイスではないが、少なくとも僕は非常に重宝しているし、僕と同じような仕事の人には勧めることにしている。
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