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iPhoneとiPadの違いは?やはり画面の大きさだけだった【湯川】

 iPad発売前後の時期に「iPadってしょせんiPhoneやiPod touchの画面が大きくなっただけのことだよな」とでも言おうものなら、それはあなた、Apple信者さまからコテンパンに攻撃されたものでございます。僕の周りにも多くいらっしゃるAppleファンのみなさまからも「違いますよ!湯川さん!iPadはこれまでにない利用方法を開拓する魔法のデバイスですよ」とキツ~ク詰め寄られたものだ。

 でもそこまで熱くなってた人に「最近iPad使ってる?」と聞くと、「いやあ、今は子供のおもちゃになってますよ。仕事じゃ使えないしね」というような答えが返ってくる。なんだよ、それ。僕のほうがよほどiPadを愛用してるじゃないか。(参考記事:iPad入手3ヶ月、気がつけば中核デバイスになっていた【湯川】 : TechWave

 それでiPhoneとiPadの違いって何かなということを改めて考えたら、電話ができるかどうかという当たり前のところを除けば、やはり画面の大きさしかないと思う。そこしかないんじゃないかなと漠然と思いながら使い続けて、やはりそこしかないという結論に至った。


 でもこの画面の大きさが非常に重要。世の中の大半のウェブページはPC向けに作られている。それをiPhoneの画面で見るには、ひっぱったりつねったりトントンしたりと結構面倒。iPhoneのタッチスクリーンのインターフェースが直感的で秀逸なことは認めるけど、やはり何もしなくても見渡せる大画面のほうが全然便利。もちろん画面は大きいほうがいいんだけど、大き過ぎればモバイル性が低下する。そう考えればiPadの9.7インチは、大き過ぎず、小さ過ぎず絶妙の画面サイズだといえる。

 考えてみてほしい。iPhoneでパソコン向けページを見るのが大変だから、iPhoneに最適化されたページやアプリが開発されているわけだ。でもiPhoneの画面に最適化されていないページや情報は山のようにある。それらの情報にストレスなくアクセスできるということが、現状におけるiPadの最大の魅力だと思う。

 だからマスキンとプチ論争になったけど、7インチデバイスは現状では一大市場を作らないと思う。(関連記事:“7インチ”は一大市場を作るか? サムソン発ティーザー動画と写真で考える【@maskin】)デバイス自体の大きさが人間工学的に最高であったとしても、それで映しだすコンテンツが画面サイズに最適化されていないからだ。

 もちろん今後モバイル向けコンテンツが増えてくれば、状況は異なるけど。

 ということでパソコンに最適化されたコンテンツをストレスなく見ることのできる画面の大きさがiPadの最大の利点であるならば、iPadアプリもパソコン向けページをスムーズに見るための機能により力を入れるべきだ。デザインに凝る前に。

 iPadの現状の問題は(僕にとって)、マルチタスクじゃないので、ウェブページの表示に時間がかかること。ときには2、3秒以上かかることがある。せっかくウェブページを見ることが最大の利点なのだから、この時間を短縮する工夫をすべきだ。

 この工夫ができているので、iPad入手3ヶ月、気がつけば中核デバイスになっていたという記事で紹介したFlipboardはiPadのキラーアプリだと思う。最初から用意された日本語コンテンツが少なく、今のところ日本語で利用するにはTwitterクライアント的な使い方しかないけれど。英語でウェブを利用する人には、本当にキラーアプリ。RSSに対応してくれれば、このアプリのためだけにiPadを買ってもいいくらい。早くRSSフィードを簡単に取り込めるようになってほしい(裏技があるのですが、うまく行かなかった)。

 同じように最近のお気に入りがTwitter for iPadだ。Twitter本家が出してきた公式iPadアプリだ。

 デザインもまあおもしろいんだけど、やはりウェブページを読むというところに主眼を置いているのがいい。ウェブページを読み込んでいる間にタイムラインの流し読みを続けることができるので、ロードにかかる時間がストレスにならない。

 iPadアプリを作る人は、ここのところに注力して作ってくれれば、少なくとも僕はファンになりますよ。

お知らせ:TechWaveの理念、目標である「世界との架け橋になって変革を起こす」に沿って、電子書籍、紙の書籍の両方で英語の勉強法に関する本を出しました。電子書籍のほうは「TechWave英語学習法」、紙の書籍のほうは「iPad英語学習法」というタイトルです。

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