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mixi提携続々=目立つグリー不在【湯川】

 山が動いた。株式会社ミクシィは新戦略発表会で、大型提携話を次々と発表していった。海外のSNSでは中国最大手のRenren、韓国最大手のCyworldと提携、国内ではYahoo!、楽天、モバゲータウン、はてな、などが「mixiチェック」を導入するという。

 海外SNSとの提携に関しては発表文が出ている。

株式会社ミクシィ(東京都渋谷区、代表取締役社長:笠原 健治、証券コード2121)は、ソーシャルプラットフォームとしてのさらなる拡大を見据え、世界各国の大手SNS事業者との提携を開始いたします。
第一弾として、本日、中国No.1のSNS「Renren」を展開するOak Pacific Interactive社、韓国No.1のSNS「Cyworld」を展開するSK Communications社と業務提携いたしました。

まず3社は、ソーシャルアプリのプラットフォームの共通化を進め、ソーシャルアプリケーションプロバイダー(SAP)が容易に3社のプラットフォーム上で事業展開できる仕組みを整えます。現状SAPは、それぞれのプラットフォームと個別に交渉をし、個別にカスタマイズをすることが必要ですが、提携プラットフォームとの共通化を進めることで、SAPがプラットフォームの枠を超えて、ワンストップで世界市場に展開を行うことを支援していきます。
また、将来的には、ソーシャルアプリに留まらず、今後登場する様々なソーシャルプラットフォームにおいても、各種外部パートナー向けのAPIなどを共通化していくことで、パートナーとSNS事業者との連携を容易にいたします。

なお、本業務提携については、3社以外にも、欧米をはじめとしたその他の地域の大手SNS事業者と協議しており、今後さらに大きな規模の提携になる予定です。

 Yahoo!、楽天、モバゲー、はてななどとの連携は、岡村直人さんの議事録を参照していただきたいが、モバゲーの守安氏は「競合と見られがちだが、共存は可能だと判断した」とし、はてなの近藤氏は「はてなが志向するコミュニケーションの形につながるサービスだと感じたので提携していくことになった」と語っている。

 このほかAPI(技術仕様)を公開することで、今回イベントに参加した企業以外の企業でも、mixiチェックなどの機能を自社サービスやデバイスに取り込めるようになった。

 発表文によると、次のような技術仕様や仕組みを公開した。

mixi Plugin
あらゆるWebサービスを簡単に「ソーシャル化」できる仕組みです。Webサービスがソーシャル化することで、従来無かったユーザー体験を提供することが可能です。
また、mixi Pluginを活用し、Webサービスをソーシャルグラフに最適化(Social Graph Optimization)させることで、新たなユーザー獲得・流入の導線が生まれます。

本日公開したプラグインは以下のとおりです。
■mixiチェックボタン、mixiチェックボタンモバイル版
お気に入りのコンテンツ(ニュース、動画、場所、商品など)を登録し、友人に共有する「mixiチェック」とWebサービスとの連携を簡単に実現できます。
パートナーはmixiチェックボタンを導入することで、Webサービスを簡単に「ソーシャル化」することが可能です。
(mixiチェックボタン対応Webサービス)

■Simple Post
Webサービスからmixiのつぶやき(mixiボイス)、日記、カレンダーの投稿等を、簡単に実現することができます。
今後、友人への簡単フィードバック機能「イイネ!」とWebサービスとの連携を簡単に実現できる「イイネ!プラグイン」をはじめとして、簡単にWebサービスを「ソーシャル化」できる仕組みの提供を予定しています。

mixi Graph API
Webサービスをはじめとしたメディアや、家電や携帯端末等といった情報端末等で、『mixi』のソーシャルグラフや各種機能を活用できるAPIです。
mixi Graph APIを利用することで、『mixi』のソーシャルグラフや各種機能を、サービス・デバイス等に柔軟に組みこむことが可能です。

本日公開したAPIは以下のとおりです。
■People API
■People lookup API
■Groups API
■Voice API
■Updates API
APIの詳細は、mixi Developer Centerをご参照ください。

今後は、上記APIに加えて、『mixi』のネイティブ(自社開発)機能のAPI化を進めてまいります。
また、現在mixi Graph API は、法人のパートナーのみご利用いただけますが、今後は個人のデベロッパーの利用も可能とする予定です。

ミクシィでは、今後もmixi Platform の開放を通じ、パートナーやユーザーの皆さまと共同で『mixi』サービスを構築することで、より楽しく便利なサービスを提供してまいります。

蛇足:オレはこう思う

 この動きの速さはハンパない。懇親会でいろいろな人と話したけど、多くの人がここまで多くの企業と提携をまとめたミクシィ幹部の行動力に関心していた。

 でもミクシィが「mixiチェック」を導入しませんか、と持ちかけてきたら断る人はいないと思うよ。天下のミクシィからの依頼だし、導入コストほとんどかからないし、あっという間にできちゃうし、少なくともいくらかのアクセス増にはなるだろうし。海外SNSだって特に断る理由もないので、お付き合いしているだけかもしれないよ。

 断れるところって、ミクシィにどう思われてもいい、いずれ敵対するしかないんだから、と思っている企業だけ。そういう意味でグリーって、ぶれないというか、根性が座っていると思う。

 グリー以外って、単にお付き合いという感じだけなのかもしれないよ。

 でもそれは仕方がないことだと思う。だってだれもまだmixiのソーシャルグラフのパワーを実感していないんだもん。mixiチェックをつけることで、どれだけアクセスが増加し売り上げが向上するのか、まだだれも分からないのだから。可能性は認めるけどさ、という程度の感想が今の正直な気持ちなのではないだろうか。

 だから本当の勝負はここからだと思う。ミクシィのエンジニア、営業、すべての従業員が力を合わせてmixiのソーシャルグラフの活性化により努力しなければならない。日本の大半の情報、モノ、カネがmixiのソーシャルグラフを行き来し、それ以外の場所では、情報、モノ、カネはほとんど動かない、というレベルにまでもっていくことができれば、どの会社もより積極的にミクシィと連携しようとするだろう。

 アジアの大手SNSとの連携に注目が行きがちだけで、大事なのはそこじゃなく、ミクシィがmixiのソーシャルグラフをどれだけユーザーにとって大事なものにできるかどうかにかかっているんだと思う。

 頑張ってください。期待しています。

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