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「より高速なウェブのために」 グーグルがJPEG代替の新画像フォーマット「WebP」を推進へ 【増田@maskin真樹】

[読了時間:1分]

 米グーグルは9月30日、JPEG同等の画質でありながらファイルサイズを平均約40%圧縮できる新画像フォーマット「WebP」を発表。各種ツールを公開し、ウェブブラウザでの採用などを呼び掛け、高圧縮の画像を普及させることでウェブを高速に表示できるようにしたい考えだ。

 グーグルが公開するWebPギャラリーではすでにいくつかの画像がJPEG/WebPそれぞれのフォーマットで比較されている。上の画像はその一部で、見た目の差異は感じられないのに66.35%のサイズ削減に成功している。




 WebPの圧縮アルゴリズムは、グーグルが2010年5月にオープンソースとして公開した動画圧縮フォーマット「WebM」で採用した同社のビデオコーデックVP8がベースとなっている。

 同社は、WebPの普及で少なくとも圧縮された分だけウェブは高速になると期待を示しているが、それには当然ウェブブラウザ側でWebPを採用されることが不可欠。Chromeブラウザには間もなくWebP表示機能が搭載される見込みだが、全てのウェブブラウザに実装するというのはとても長い道のりであり、今後この技術がどのように受け入れられていくのか注目される。

■ 関連URL
・WebP, a new image format for the Web | The Chromium Blog
http://blog.chromium.org/2010/09/webp-new-image-format-for-web.html
・WebP Home | Google Code
http://code.google.com/intl/ja/speed/webp/

http://blog.webmproject.org/2010/05/introducing-webm-open-web-media-project.html

蛇足:僕はこう思ったッス

WebMフォーマットは業界の一部に受け入れられたが、それだけでは急速に浸透しないことを証明している。さらに新画像フォーマットは、用途は異なるものの多数存在している。それらを棲み分けていくのは技術力なのか、それともマーケティングなのか、政治的諸関係か。単に「ユーザーに受け入れられた」とはいい切れない複雑な状況を打破するのは何だろうか。技術の検証を含め、今後まだまだ議論される余地のあるトピックとなりそうだ。

著者プロフィール:増田(maskin)真樹twitter:maskinmetamix)
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 アスキーのApple系雑誌でライターデビュー。1990年より執筆およびネットメディアクリエイターとして活動を開始。週刊アスキーを初め、日経BP、インプレス、毎日コミュニケーション、ソフトバンク、日経新聞など多数のIT関連媒体で活躍。
 独立系R&D企業のマーケティング部責任者として教育・研究開発向け製品の輸入企画や開発、マーケティングに関与。専門家向けプロショップ運営。雑誌ライターとして90年代を疾走後、シリコンバレーで証券情報サービス立ち上げに参画。帰国後、ネットエイジでコンテンツディレクターとして複数のスタートアップに関与。関心空間、富裕層SNSのnileport、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。
 現在、TechWaveのスタッフライター1号機として活動する他、書籍などを中心に執筆活動を展開。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。スタートアッププロジェクトのアドバイザー等として活動する。ソーシャルメディアやブリック&ブロックのプロ。書き手として、また実業家として長年IT業界に関わる希有な存在。詳しいプロフィールはこちら

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