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ヤマハは、メンバーが離れた場所にいてもインターネットを通じてタイムラグなしに合唱やバンド演奏を楽しめる技術「NETDUETTO(ネットデュエット)」を開発したと発表した。
なんでもないような話だが、これはとんでもない技術。音楽セッションをするにはデータの遅延があってはならないからだ。
もちろん専用回線や高額ルーターなどがあれば可能なんだけど、NETDUETTOは一般家庭のネット環境でもこれを実現したのがすごい。実は今年3月に心斎橋のヤマハスタジオで実演を見せてもらったんだけど、まるで同じ部屋にいるかのごとく二人のシンガーがハモっていた。
実はTechWaveのスタート1周年記念のパーティでは、この技術を使って地方のアーチストの共演を実現しようか、ってアイデアもある。まだアイデアだけだけどね。楽しいパーティにしたいんだけど、やはりそこにはテクノロジーへのこだわりも加えたいというわけ。
さて具体的な技術に関しては発表文から以下にコピペ。
1.ネットワークへの簡便な接続
インターネット網
「NETDUETTO」構成例
拠点3
NETDUETTO サーバー
接続管理用の通信 オーディオ通信「NETDUETTO」では、遅延を最小にするため、実際のオーディオはサーバーを介さず、直接端末間で通信を行います。一般的な家庭からインターネット接続で使われているルータ ーでは、NAT(Network Adress Translation)と呼ばれる技術で IP アドレスが変換されて おり、そのままではルーター配下の端末同士で、直接通信を行うことは出来ません。 「NETDUETTO」では、このような環境下でも特別な設定を行わずに、通信を行うための仕 組みを組み込んでいます(注 2)。
2.バッファ制御による通信安定性の確保
インターネットなどの回線では、ネットワークに揺らぎがあり、バケットの到着時間は必ずしも一定ではありません。また送信側と受信側では、同じサンプリングレートであって も微妙にクロックのずれがあります。「NETDUETTO」ではこのような場合でも、一定のバ ッファ量を保てるように必要に応じて補正を行うなどのダイナミックな制御をすることで、音楽的に破綻しないような工夫がされています。
また、回線状況やオーディオデバイスの設定に応じて、自動的にバッファのサイズを決定 する機構を持っており、最適なバッファ設定を簡単に行うことができます。3.さまざまな環境への適応性とプラットフォームの非依存性など高い
汎用性
「NETDUETTO」は、帯域に応じて、通信に利用する音質を選択することができ、遅延の揺 らぎの幅などの回線品質に応じて自動的にバッファサイズを調整するため、さまざまなネットワーク環境への高い適用性を持ちます。また、現在の試作アプリケーションは Windows および Mac OS X で動作していますが、「NETDUETTO」のコアとなるソフトウエア部品は、 特定の OS やオーディオデバイスに依存しない形で実装されています。そのためさまざま なプラットフォームへの高い移植性を持ちます。汎用 OS 上でのアプリケーションとしての形以外にも、ゲーム機用ソフトソフトウエアなどへの応用や、オーディオ機器などの組み込み機器への実装などの応用も可能です。
当社は、楽器や音響機器の開発で培った音や音楽に関する技術を、ネットワーク社会のなかで 幅広く利用する可能性を研究してきました。たとえば 2009 年 4 月に提供を開始した「NetVOCALOID (ネットヴォーカロイド)」は、歌声合成ソフト「VOCALOID(ヴォーカロイド)」をネットワー クを通して利用できるサービスとして様々なウェブサイトで活用されています。
今回の「NETDUETTO」は、2010 年 6 月に発表した「クラウド型 VST」同様、多くの企業などに 利用していただくことを想定して開発を進めてまいります。今後この技術を、ライブや音楽イベ ントでの活用の提案、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)との連携、ネット上での音楽 サービス会社、プロバイダーや回線業者との協業などを視野に入れ、展開を図ってまいります。(1)これまでの実験では、東京都内の家庭用光回線を使用し、30msec 以下で接続できるケースを確認しています。これは、音の速度に換算すると、10m ほど離れた相手と合奏を行う、という状況に相当します。