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二人のビジョナリーと新しい時代に突入したウェブ【湯川】

[読了時間:4分]
 FacebookのCEOのMark Zuckerberg氏(26)と株式会社ミクシィ副社長の原田明典氏(35)は、ともにソーシャルウェブの未来を見通せるビジョナリーである。

 わたし自 身ソーシャルウェブについての本を執筆中なのでZuckerberg氏のことをいろいろ調べたのだが、同氏は非常に興味深い未来予測を幾つか明らかにしている。そしておもしろいことに原田氏も同じような未来を見ているのだ。

 原田氏と会食しウェブの未来について意見を交換したことがある。一般的にはなかなか理解を得られないような未来の話が幾つも飛び出した。そして原田氏の思い描くソーシャルウェブの未来は、実はZuckerberg氏の思い描く未来とほとんど同じなのだ。Zuckerberg氏の発言の幾つかを原田氏に教えたり、原田氏がビジョンを語ったあとに「Zuckerbergも同じことを言ってますよ」と原田氏に伝えると、わたしほどZuckerberg氏の発言に詳しくない原田氏は「えー、本当ですか!彼はそんなところまで見通しているんですか!彼まだ26歳でしょ」と驚く。そんなことが何度もあった。そしてZuckerberg氏の予測で、わたし自身よく理解できないような話を原田氏にすると、原田氏は「ああ、そうですね。彼の言う通りになりますよ」と瞬時に理解し、Zuckerberg氏の予測を詳しく解説してくれた。

 二人のビジョナリーは、同じ未来を見通せているのである。

 そのビジョナリーの一人であるZuckerberg氏の最近の発言で気になるものが1つある。以下の発言だ。

すべてのサービスはソーシャル化でよりよくなる。そう考えると、業界再編をうながすような大変化というのがほとんどすべての業界で5年以内に起こるだろう。

 人間は社会的動物である。ほかの人と情報を交換し、対話する中で、製品を作り、製品を購入し、消費する。すべての活動のベースには、ほかの人とのつながりがある。社会の中でわれわれは行動するわけだ。

 ところが今のウェブは個人ベースの行動である。自分一人で情報を調べ、自分ひとりで商品を選択し、購入し、消費する。ソーシャルメディアの普及でほかの人とのつながりの輪が広がったといっても、まだまだ個人の活動が多い。なので生産者から消費者に直接メッセージを送るマス広告がまだそれなりに有効なわけだ。

 だがTwitterなどのソーシャルメディアは急速な普及を続けている。情報がますますもって横のつながりの中で伝播しようとしている。ポータルサイト経由、Google検索経由より、Twitter経由で情報や商品にたどり着くことが増え始めているのだ。

 この情報の流れの変化に気づき、新しい情報の流れを活かした形でサービスを提供するところに大きな飛躍のチャンスがあるわけだ。

 ところが、ほとんどの企業はソーシャル化の重要性を十分理解していない、とZuckerberg氏は言う。

「ソーシャル化は重要だ」と言い始めた社でも、表面的なことしか考えていない。「ソーシャルな機能を2つ、3つつけておくか」というようなのは、本当のソーシャルじゃないんだ。

 ユーザーが友人と一緒になって参加するということを前提にサービスやメディア自体を組み立て直さないといけないとZuckerberg氏は言う。それを実行して急成長しているのが、ソーシャルゲーム最大手のZyngaだ。

株式会社メンバーズさんのサイトへ寄稿したコラムを一部転載させてもらいました。続きはメンバーズさんのサイトでどうぞ。

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