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日本マクドナルドでは、携帯電話の画面にクーポンを表示し店員に見せれば値引きされるという「見せるクーポン」を配信する「“トクする”ケータイサイト」を2003年7月に開設。2007年9月には、同サイトの会員が500万人を突破したと発表している。発表文には「加速度的に増加している」としているが、500万人達成まで4年かかっているわけだ。それがかざすクーポンの場合は、一部地域限定の試験運用期間1年間を含めたわずか2年間で900万人を突破している。まさに「加速度的」な増加だ。現時点では、「見せる」「かざす」の両方のクーポンを取得できる“トクする”ケータイサイトのユーザー数は1900万人。ケータイクーポンの利用率は85%にも上るという。
折り込みチラシは3ヶ月前からの企画、準備が必要だったが、ケータイクーポンは配信直前の変更も可能だ。状況の変化によりスピーディーに対応できるようになったという。原田泳幸社長は「この販促のスピードが高まったのが最大の効果」と語っている。
また店頭では注文から受け取りまで平均3分30秒が必要だが、かざすクーポンは注文時間の圧縮にもつながる。利用者がレジに並ぶ前にかざすクーポンに注文を入力するので、レジ前の混雑を軽減できるメリットもある。混雑していない状態で利用者がゆっくり注文すると、一人当たりの売り上げ単価が15%増えることも分かったという。
ケータイクーポンは同社だけではなく他のファーストフードチェーンや飲食店でも実施している。しかしmedibaが昨年4月に東京都内で調査した結果によると、マクドナルドのケータイクーポン利用率は97%とダントツの強さを誇っている。
なぜマクドナルドはここまで強いのか。
関係者は店舗の多さ、利用頻度の高さにあるのではないか、と指摘する。年に2、3度しか利用しないような店舗では、ケータイクーポンを利用しようという考えにならない。そのためだけにクーポンをダウンロードするのが面倒だからだ。ところがマクドナルドは街中のあちらこちらに存在する。クーポンをダウンロードしておいて、街なかで見かけた店舗に気軽に入るというケースも多いのだろう。
マクドナルドではかざすクーポンでユーザーの消費動向をリアルタイムに集計できるようになっている。今後は顧客一人一人にあったクーポンを発行するようなワン・ツー・ワン・マーケティングに発展させていきたいとしている。
かざすクーポンで注文して電子マネーのedyで支払ってます。クーポンにないものを注文する場合は、フツーに注文しないといけないので面倒。なので、むりむりクーポンで全部済ませてしまいます。
いずれ全部ケータイ上で注文し、GPSで店舗近くにいることを証明できれば、商品が用意され、カウンターに行けば受け取るだけ、という感じになるのだと思う。
非接触型ICチップを使ったマーケティング事例として世界で最先端だと思う。この事例の成果を公開してもらえれば導入する企業が増え、日本はモバイル利用の先進国でいられるはずー。そう思ってマクドナルドさんに数字の公開をお願いした。ご協力ありがとうございました。
iPhoneにも非接触型ICチップが搭載されるといううわさがある。そうなれば、こうした事例は何も珍しいことではなくなるのかもしれない。この分野で日本が世界をリードできるのも長くはないのかもしれないが、それでも今の間に、もっと多くの成功例がたくさん出てきてほしいと思う。