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同社のグループウェア「サイボウズ」は、国内の従業員3000人以上の企業の間での普及率約9割を誇る最大手。世界最大手SNSのFacebookの足音が迫る中、サイボウズはグループウェアでの圧倒的シェアを活かして、ビジネスSNSを日本で普及させることができるだろうか。
発表によると、これまで招待制だったサイボウズLiveを自由登録制に切り替え、だれでも利用できるようにした。またこれまでは1グループのメンバー数20人という無料利用の上限を100人に引き上げた。青野慶久社長は「この日のためにサーバーを増強しました。100万人でもきてください」と語る。ただし1グループ100人の無料利用は2012年1月までで、その後21名以上は1ユーザー当たり1月100円の利用料にする計画という。
またメールアドレスを知らない相手でもTwitterのダイレクトメッセージで招待できるほか、サイボウズLive上でTwitterアカウント名を使って知人を検索できるようになった。
ほかのSNSとは異なり、サイボウズLive上では友達申請をしなくても、同じプロジェクトグループに参加すれば自動的に「フレンド」関係が形成される。社内、社外の両方で仕事を通じたソーシャルグラフ(人間関係のデータ)を自動的に構築できるようになっているという。
このほかマルチプロフィールにも対応しており、相手によって表示するプロフィールを切り替えることができる。一般公開向けのプロフィールはオープンなウェブ全体に公開され、Googleなどの検索エンジンで検索することが可能になる。
Facebookに注目が集まり始めたといっても、利用しているのはアーリーアダプターが中心。ソーシャルメディアに馴染みのない、ごくごく日本的な企業に勤めている人が、Facebookを利用するようになるかどうかは微妙。
ビジネスSNSとしてはLinkedinみたいなのもあるが、Linkedinは人材の流動性が高い社会においての自己アピールのツールとしての側面が強い。あまり転職を希望しない従来型企業の社員にとって、使うインセンティブがない。
サイボウズはその点、ローカルなプレーヤーとして日本人ビジネスマンのニーズにあった利用勝手やセキュリティーをデザインできる。僕も使っているけど、実際に使いやすい。
グループウェアでは圧倒的なシェアを持っているし、やりようによっては、いいポジションをつかむ可能性は十分にあるんじゃないかと思う。
ただこうした実名のコミュニケーションツールのメリットを既に理解している人といえばアーリーアダプター。アーリーアダプターはFacebookに流れる傾向にある。反対にFacebookに流れないレイトマジョリティーに、実名コミュニケーションツールのメリットを理解してもらうのは簡単じゃない。
Salesforce.comのチャッターというサービスも日本国内でのビジネス向けコミュニケーションツールの地位を狙っているし・・・。手遅れになる前に動いたのはさすがだけど、今後さらにどのような手を打ってくるのか注目したい。