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もうスグ忘年会シーズン。タクシーの相乗り相手を探せる「タクトモ.COM」の岩崎かおるさんにインタビュー【三橋ゆか里】

利用者数No.1の格安タクシー配車サービス「タクトモ.COM」。サービスを開始したのは2008年12月、約2年前。登録ユーザは14,000人に上り、登録しているタクシー運転手の数も1,000人を突破しました。ほとんどのユーザが都内で仕事をする20代~40代のビジネスマン、男女比率は7対3だそう。今回は、そんなタクトモ.COMを運営し、最近書籍も出された岩崎かおるさんにお話を伺ってきました。

「不便」から生まれた「タクトモ」のアイディア

サービス開始の背景には、岩崎さんが感じた「不便」があったそう。忘年会シーズンによく見かけるタクシー待ちの長蛇の列。きっと同じ方向に帰る人はいるだろうに、1人1台じゃなかなか順番が回ってこない。同じ方向に帰るタクシーの相乗り相手を募集できるサービスがあったらいいのに…。そんな想いから、3日間でまずは簡単な掲示板だけのサービスを開始。見事に読みが的中し、「タクトモ」はNo.1タクシー配車サービスに成長していきました。

タクトモの基本サービスとタクシー予約

タクトモは、各種携帯サイト、またスマートフォン、PCに対応しています。iPhoneからは、Safariで利用可能。タクトモの利用は完全無料です。用意されているメニューは、タクシーの相乗りとタクシー予約の2つ。タクシー予約をするには、7Km以上乗車することが条件になっています。

まずタクトモにユーザ登録し、その後、出発地と目的地を登録します。次に、高級車・運賃格安・安心大手・大型車から車種を選択。さらに、出発日と出発時間を入力して、あとは検索ボタンを押すだけ。検索結果には、運転手さんの名前・概算運賃・現在位置からの距離・運転手さんの評価・プロフィールが表示されます。GPSでタクシーの場所をリアルタイムに把握しているため、呼び出しもスムーズ。気に入ったタクシーがあれば、予約ボタンひとつで予約が完了します。

最大の特徴は、「タクシーの相乗り」

タクトモのいちばんの特徴が、タクシーの相乗りです。予約と同様の手順で出発地などを登録。また、任意で相乗り募集を見る他ユーザへのコメントも記述することが可能です。相乗り希望者が掲示板に意思表明をした場合、晴れて相乗り成立となります。タクシーの運転手さんはもちろんのこと、相乗りした相手を評価することもできるため、評価をみた上で安心して選ぶことができる。また掲示板を使ったコミュニケーションのほかに、ダイレクトメッセージを送ることもできるそうです。ワリカンする際は、ワリカン電卓を使ってトラブル知らずに簡単にワリカンすることができます。

タクトモの「ここがイイ!」、熱心な運転手さん

相乗りという、エコかつ節約できるサービスそのものも素敵ですが、個人的にとっても便利だなと思ったのは、乗る前にほぼ正確な乗車料金がわかること。事前にかかる費用がわかることの安心感があるし、格安(深夜に2割増なし)のタクシーもあるので、最安値で利用することもできちゃう。

でもサービスを応援したいと思う一番の理由は、「タクトモ」に登録している運転手さんがすごく熱心な方の集まりだと思うから。タクシー運転手の稼働率は30%と、とっても低いのが現状。そんな状況改善のため、タクシー運転手さんはあくまで個人の営業ツールとしてタクトモに登録しているんです。タクトモ経由でお客さんを乗せた場合に支払うキックバックは、運転手さんのポケットマネー。運転手さんのタクトモの利用は、1ヶ月5回までが無料。それ以上は有料となり、デポジットに入金しておくと、予約ボタンが押される都度課金されるそう。意識の高い運転手さんが集まっていることになります。プロフィールを見ても、アロマつきのおしぼりをお出ししてます、なんて工夫をされてる運転手さんが多くいらっしゃってちょっと感動。運転手さんに直接連絡をとることができるため、すばやく乗車できるのも嬉しい。先日岩崎さんご自身がタクシーを呼んだところ、1分で来たそうです。

APIや今後のリリース予定

タクトモはAPIを公開しています。現在は、タクシーと親和性がありそうなところに自主的に声をかけてみたり、個人の場合はAPI利用に申請・審査を設けています。「タクっちゃう」というタクシー運賃だけを調べるアプリや、「たくともGo!」、「あいのりタクシー」など、現在5点ほどのアプリがリリースされています。また、ライブドアやマピオンの地図情報にあるタクシー距離や呼び出しの機能でも、タクトモのAPIが活用されているんだとか。地図経由で予約が入ると、一定率をキャッシュバックしているそう。

さらに11月下旬~12月上旬には「トクタクポン」というiPhoneとAndroidアプリをリリース予定。タクシーを呼ぶことだけに特化したアプリ。「タクトモ」の最も頻繁な利用シーンは、飲み会で終電を逃してしまったとき。シラフのときにアプリをダウンロードし、自宅と電話番号を登録。さて酔っ払った、家に帰ろうというときにアプリを起動すると、自分の位置から一番近距離にいるタクシーが3つだけ出てきます。あとは予約ボタンをポチッと押すだけで、寝ていれば家についちゃう。さらに、ミクシィアプリもまさに今テスト中だそうですよ。

課題とこれからの「タクトモ」

「タクトモ」を始めた当初、ユーザやタクシーの運転手さんから届く要望などにかなり柔軟に対応していたそう。それもあって、いまの「タクトモ」はかなり完成形に近いといいます。今後はAPIを提供することでデベロッパー的な立場でバックヤードを提供していきたいと話す岩崎さん。タクトモの課題は、サービスの認知度。タクシー料金の割引は法律違反になってしまうそうで、大々的なキャンペーンなどを実施できなうことが難点。

今年も残りわずか、そろそろ忘年会シーズンも始まります。「タクトモ」を使うも良し、このシーズンに合わせてリリースされる「トクタクポン」をダウンロードして活用するも良し。なんて書いてたら、たった今、タクトモからiPhoneにプッシュ型の通知がきました。(受信をON/OFFに設定可能)これまでの利用履歴をもとに「あなたの地域の相乗り募集」を教えてくれるみたい。これは便利かも。

サービスを応援したい気持ちも山々ですが、コストをかけてでも営業ツールとして「タクトモ」を活用する運転手さんを応援したいな。

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

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