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タイトルは釣り。
諦めたわけじゃないけど、半年、一年で黒字達成は無理だとハッキリ思うようになりました。だって10ヶ月でまだこの程度だし。
10月の黒字達成率は41.4%。9月の49.7%から低下しました。黒字達成率が低下したのは、10月は純広が入っていないため。Googleから配信される広告は、どちらかと言えば空き広告枠を埋めるためのもの。純広はTechWaveを指名して入る広告。指名してくれる純広のほうが値段が高い。なので純広があった9月より、純広のなかった10月の売上高が低下しました。
でも11月からまた純広が入ることが既に決まっているので、これは一時的な落ち込みです。ということで、あまり気にしていません。
問題はPV。10月のページビューはライブドアサーバー調べで106万8450PV。9月が105万9753PVだったので微増しています。伸びているので問題ないようにも映りますが、実はここが一番問題だと考えています。というのは、9月、10月、11月は一番、テクノロジー関連のニュースが多い時期。この時期に大きくPVを伸ばせないようでは話にならないと思っています。この程度では全然だめ。かなり残念な数字です。
このブログメディアでは、ウェブ業界や一般ビジネスマン向けにテクノロジービジネス情報を配信していきたいと思っています。ところがそうしたテクノロジービジネス情報を求めている母数自体が非常に少ないのだということを改めて実感しています。
TechWaveを始める前から、テクノロジービジネス情報を求めるリテラシーの高い読者は日本には数千人ほどしかいないのではないかと漠然と思っていたんですが、TechWaveのデータを解析するとやはりそうした読者は数千人から1万人ほどしかいないことが分かりました。そしてそのほとんどが首都圏在住。地方からのアクセスはほとんありません。
TechWaveの月間ユニークユーザーは45万人ほどいるんですが、それらの読者はガジェット記事目当ての一見さんがほとんどなんです。この層を狙ってガジェット関連の記事を書いていけば、ブログメディアは現在でも成立すると思います。しかしガジェットブログは既に幾つも存在するし、あえてそこに入っていく意味もないと思うんです。
それにブログメディアでメシを食うということが唯一の目的じゃない。テクノロジービジネス情報こそが日本の産業界に欠けている情報だと思うし、こうした情報をベースに日本が工業化時代から情報化時代に移行していかないと日本に未来はない。そう思うからこそスタッフ含めTechWaveに関わるみんなが、金銭的メリットなくてもがんばっているんです。
そういう思いもあって、あえて先行するガジェットブログの激しい競争の中に入っていくつもりはありません。でもガジェットブログ以外では成立は困難。ビジネスとして成立しないのなら、夢や社会的意義だけ語っていても仕方がない。諦めるしか道はないのかもしれません。
とはいえTechWaveをやめるつもりはありません。ブログは長くやればやるほど有利なことは分かっています。検索エンジンやソーシャルメディアからの流入は着実に積み上がっています。1年での黒字化は無理でも、長くやれば確実に黒字化するでしょう。
また米国並みに一般ビジネスマンまでもがテクノロジービジネス情報を求めるようになるのは、時間の問題だとも思います。日本は米国に比べて産業界が工業化社会から情報化社会へ移行するのに時間がかかっているだけで、いずれ情報化社会に移行しテクノロジービジネス情報を求める読者が増えるのだと思っています。
つまりTechWaveは時期尚早なんです。ただビジネスとして成立するのには時期尚早ですが、参入するのには今の時期しかないと思います。この苦しい時期に参入するからこそ、時代が追いついたときに優位に立てるのだと考えています。
ただこの時期にテクノロジービジネス情報を主としたブログメディアが成立しないことは、かなりはっきりと分かったので、なにか別のマネタイズ手段を考えなければなりません。
やはり徹底したフリーミアムモデルしかないと思っています。基本的にはほとんどのサービスを無料で提供し、その一方でごく一部のユーザー向けにプレミアム料金でほかにないサービスを提供するというビジネスモデルです。無料かプレミアムか。その両極端を目指し、中途半端なことはしないでいこうと思います。いろいろとイベントを計画していますが、収益を狙っていないものはほんとうにギリギリでやっています。赤字になれば運営するスタッフ全員で自分たちのポケットマネーから補填する、という覚悟で計画を進めているイベントもあります。
一方でプレミアム事業の柱になっているのが、今のところ研修事業です。「養成講座」「激論会」などと銘打った少人数の研修事業は、これからも力を入れていきたいと思います。決して安くはない勉強会なんですが、おかげさまで受講者の皆さんには概ね好評です。ありがたいことに主催者が驚くほどに顧客満足度が高いんです。3期目の申込者の半分は2期生のリピーターというぐらいに、参加者には喜んでいただいています。
このほか電子書籍やレポート、メールマガジンなどの有料コンテンツ事業にも力を入れていきたいと思います。
こうした周辺のプレミアム事業で収益をあげることで、ブログメディア事業の充実を図りたいし、新しい書き手の募集もしていきたいと思っています。そして2年後ぐらいには、ブログ自体のコンテンツの蓄積と、テクノロジービジネス情報を必要とする層の拡大で、ブログメディア事業自体が収益の上がる事業になっていてくれれば、と考えています。そのときまで、ギリギリの綱渡り経営を続ける覚悟です。