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今回のイベントで発表されたのは次のようなポイント
・シングル・サイン・オン
パソコン向けウェブでは、一度Facebookにログインし、ログイン状態を維持すれば、Facebook IDの仕組みを採用しているサイト上で自動的にサインオンできる。同様のことがモバイル上で可能になる。
・Facebook Deals
店舗が無料でお得情報を発信できる仕組み
・アプリのバーションアップ
友人をグループに分けるFacebook GroupがiPhone、Androidアプリでも利用可能になった。iPhoneアプリはDealsに対応した。
・Facebook Places API
ロケーションデータやユーザーのアクティビティ・ストリーム(だれが何をしたとか、つぶやきとか)のデータベースの技術仕様(API)の公開。サードパーティの開発者がFacebookの位置関連データを利用したサービスを開発できる。
もちろんこの中で重要なのがFacebook DealsとAPI公開だ。
【Deals】
店舗向けのDealsの設定画面。来店してチェックインした場合の特典、来店しチェックインし友人をリストアップした場合の特典、頻繁に来店する顧客に対する特典といった感じで設定できる。
店舗側にとっては入力も簡単だし、何よりも無料なのがいい。また解析ツールも備えている。どこまでの情報が開示されるのかは分からないが、店舗は顧客の性別や年齢層などの基本的データを解析し、顧客層に合ったキャンペーンを打つことができるようになる。
一方でお得情報はこんな風に表示される。一般ユーザーにとっても分かりやすいUI(ユーザー・インターフェース=見た目、操作感)になっている。foursquareなどの位置情報サービスはこれまでアーリーアダプターが主な利用者だが、米国ではアーリーアダプター以外も、こうしたお得情報を求めてFacebookの位置情報サービスを使い始める可能性が大きい。Gapは、Gapアウトレットにチェックインした先着1万人にジーンズを無料でプレゼントするというキャンペーンを来週から始めるという。
広く普及すれば、当然のことながら米国のローカル新聞やローカルな広告会社を直撃する。foursquareなどの先行位置情報サービスはこれにどう対抗するのかは分からないが、大きな影響を受けるのは間違いない。
主に地域に根ざした共同クーポン購入サービスであるグルーポンなどの事業者にも影響が出るだろう。
【API公開】
もう1つ重要なのがAPIを公開したことだ。Facebookのユーザーのロケーションデータやアクティビティ・ストリームをサードパーティが利用できるようになった。一方でサードパーティが開発したサービスで入手されるデータはFacebookのデータベースに格納されることになる。
Facebookが位置情報に関するデータベースのインフラになるわけだ。Facebookのデータを利用する位置情報サービス事業者みんなで、Facebookのデータベースを利用し拡充していくことになる。
新しいサービスでもユーザーを一気に増やすことも可能だが、反対に後発事業者に簡単に追い抜かれる可能性もある。ソーシャルグラフ(人間関係データ)はFacebookというインフラを使って他の事業者と共有することになるのだから、ユーザーを抱え込むことができるとすれば、優れたサービスを提供し続けることでのみになる。
将来的には、名所旧跡をめぐる位置情報アプリ、名物ハンバーガーを食べ歩くための位置情報アプリなど、特定の趣味嗜好のコミュニティー向けの位置情報アプリが登場してくることだろう。
ただこの地図や位置情報の領域ではGoogleが先行している。Google MapやStreet Viewなどは非常に優れたサービス。GoogleもPlacesといった同じようなサービスを始めている。店舗が自分たちの店舗情報を自分で入力するサービスだ。
GoogleとFacebookの関係はどうなるのか。
当然、対立する。記者会見あとの数人のジャーナリスト、ブロガーとの座談会でこのことを聞かれたFacebookのCEOのMark Zuckerberg氏は、両社の対立の可能性を否定しなかった。「Googleの位置情報サービスは先行しているし、非常に優れたサービス。今後2,3年でユーザーが望むサービスがどのようなものになるのか分かってくるだろう」と語っている。つまり2、3年で結果が出るまで、競争するということだ。
Facebookがこうした動きに出ることを知っていたのか、Googleは早い時点からGoogle Placeの普及に力を入れている。東京の地下鉄などでもGoogle Placesの宣伝を見かけたことがあるが、Googleが宣伝に力を入れるということは、そう頻繁にあることではない。
ちょっと時間がないので、今日はここまで。
この動きがローカル広告だけではなく、広くECサイトにまで及ぶという話など、続きは後日。