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米GAP、Facebook位置情報機能で集客【ループス斉藤徹】

[読了時間:2分]
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
斉藤 徹

GAPは、店舗集客を目的としたチェックインサービスを本格化に活用しはじめた。
 
一昨日発表になったFacebook Dealsでは、先行した約20社が連動するキャンペーンを発表したが、中でも群を抜いて本格的なのがGAPの1万本プレゼントだ。

Facebookが位置情報と連動したローカルディールを開始 (11/4) 
 
GAPが計画しているのは、Facebook Placesを利用して米国GAP店舗にチェックインしたユーザーに対して、1万本のジーンズをプレゼントするという大胆なキャンペーンだ。
 

 
仕組みはいたって簡単(Mashable記事)だ。特定期間内にGAP店舗を訪れ、Facebook Placesでチェックインする。上のようなDeal画面(ただしサンプル画面)が表示されるので、それを店員にチェックしてもらうだけだ。

なお、GAPは今年に入ってネットからの店舗誘導実験を繰り返しており、注目されている。ひとつはFoursquareでのチェックインユーザーに対する一率25%割引、もうひとつは有名なGrouponとの大規模キャンペーンだ。

Groupon、GAPと初の大規模ディール (8/20) 

それぞれ、オンラインの力で店舗集客を試みた、いわゆるオンライン2オフラインだ。では具体的に、店舗への集客コストを計算してみよう。

1. Grouponケース
販売チケットは1日で44.1万枚。25ドルディスカウントで、かつGrouponに12.5ドル支払うことが予想されるので、一人あたりの集客コストは3000円(37.5ドル)となる。

2. Foursquareケース
チェックインで一律25%オフ。Foursquareは個別収益を明らかにしていない(TechCrunch参考記事)が、現在は拡大志向なので仮にFoursquare活用コストをゼロとおき、またGAPの客単価を5000円と仮定すると、一人あたりの集客コストは1250円となる。

3. Facebook Places (Deals) ケース
こちらもFacebook利用料はゼロ。集客人数にかかわらず、1万人にジーンズプレゼントということだ。ジーンズ単価を5000円、GAP粗利率(2009年実績)を40%とすると、プレゼントコストは1本あたり3000円となる。つまり一人あたりの集客コストは最大でも3000円、来店者が1万人を超えればその分安くなり、10万人集客では300円となる計算だ。来店者数は読めないが、Facebookの若年層浸透率は80%を超えており、相当な集客効果が見込まれるのではないだろうか。

 
なお、Foursquare活用で最も著名なのはマクドナルドだ。5ドルと10ドルのギフトカード計100枚を、チェックインしたユーザ の中からランダムにプレゼントするという1日キャンペーンで、投下コストはわずか1000ドルだった。それに対して当日に対応店舗でチェックインしたユー ザ数は33%もアップしたという事例だ。ただしこの効果は、チェクインサービスの珍しさから50以上のメディアに記事としてとりあげられた効果も大きかっ たようだ。

参考まで、スターバックスも積極的で、各国で店舗集客の実験が始まっている。

ソーシャルメディア活用ランキング1位、スターバックス徹底研究 (11/1) 

いわゆるフラッシュマーティングが新規顧客獲得に功を奏するのに対して、チェックインサービスは継続来店を促すこともできるため、ロイヤルカスタ マーを醸成する効果が期待されている。またGroupon型と異なり、告知費用がゼロのケースが多いのも大いに魅力だろう。多くの実験で一定の集客成果が 見込まれており、来年度は店舗型企業でかなりブレークするのではないかと筆者は予想している。
 
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著者プロフィール:斉藤 徹 (さいとう とおる)
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
2005年が創業。国内での企業向けSNS構築分野でトップシェアです。
(ミック経済研究所,アイティーアール社 2008年調査にて)
現在は,企業コミュニティを単体で捉えるのではなく,多様なソーシャルメディアと有機的に結びつけ「クチコミ動線」を設計・構築・運用するコンサルティング・ファームとしての色合いを強めています。

書籍・コラム・ブログは個人活動ですが,ビジョンとノウハウは,ループス社員一同で共有しています。創業テーマである Socialmedia Dynamics を見つめながら,ソーシャルメディアやクラウドソーシングの分野で高い専門性を磨き続けたいと日々励んでいます。(といっても全く堅い人間ではないです。 特に夜は柔らか過ぎと定評です)

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