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Facebook2010年の買収劇。2011年はスタートアップの買収スピードを加速化。 【三橋ゆか里】

FacebookのM&A戦略はあくまで小規模で、その目的はタレント(才能)を仲間に迎え入れること。グーグルの60億ドルのGrouponへのラブコールなんてのがあったけれど、あの規模は例外中の例外とマークは考えているみたい。グーグルは2010年の第一四半期に40社を買収してる。でも、トップ3を除けば、その企業価値の平均は1,700万ドル。Facebookは2011年、スタートアップ買収のスピードを今年の倍に早める予定。新しいアイディアやテクノロジーを吸収するために少なくとも15のスタートアップを買収するそう。これはFacebookのデベロップメントマネージャーのMichael Brown氏が“Startup Exit Seminar: Early Stage M&A”というセミナーで発表した内容。

Facebookの2010年の買収劇と最大のお買い物

2010年のFacebookの買収劇を、ReadWriteWebの記事に追記してご紹介。今年Facebookが発表した買収はトータルで8件。まだ公表されていない買収案件が2つあるみたい。(うち一つは1,000万ドルでの買収の話が流れたChai Labs)その他は、

・Octazen(連絡先のインポートができるソフトウェアを開発、マレーシア発)
・Sharegrove(プライベートなコンテンツ共有サービス)
・Walletin(ソーシャル/ビデオゲームの開発、買収の目的は2人の共同創設者)
・Zenbeの部分的買収
・Hot Potato(ニューヨーク発のソーシャルチェックインサービス、TechCrunchによる買収額の予想は1,000万ドル)
・Drop.io(ファイルなどをウェブやモバイルで共有できるサービス、1,000万ドル)
・Divvyshot(Y Combinatorから発生した写真管理のスタートアップ、買収額は非公開)
・Nextstop(ソーシャルな旅行のレコメンデーションサービス、250万ドル)など。

でも、Facebookの今年最大のお買い物は、Friendstarに支払ったソーシャルネットワークに関する特許権で、4,000万ドルだった。

買収されたスタートアップのその後

2010年に買収されたスタートアップは、少なくとも知られている限りではそれまでの顧客へのサービス提供を停止してる。2009年8月に買収された“FriendFeed”は例外的存在で、唯一今でも運営されてる。実際には、Facebookの新機能などのテスト環境として使われていて、先日Facebookが新しいユーザ登録のテクノロジーを発表した際も、その機能のテストがいかにFriendFeedで上手くいったかについて言及してた。

FacebookのこれからのM&A

これまで、主に数名の少数体制で運営されてるスタートアップを買収してきたFacebookだけれど、Facebookの社員数が1,700人を越えた今、20-30人規模のスタートアップの買収も検討していくそう。チームの才能を重視はするものの、分野としてはモバイル、ジオロケーション、課金サービスなどをターゲットに考えてる。また、買収額のつけ方に関しては、スタートアップの投資家からの資金調達額よりも、そのチームがFacebookにどれくらいのインパクトを与えられるかが大きい。

バイアウトも選択肢と考えているスタートアップにとって、今年Facebookに目をつけられるチャンスは高いかも?日本のスタートアップの皆さんはこのニュースを聞いてどう思うのかな?

Brown氏の話を動画でもどうぞ。

P.S.そうそう、ただいま絶賛読書中の”The Facebook Effect”の訳書が来年1月、日経BPさんからでます。めちゃくちゃ面白いからオススメです!

[参考記事] ReadWriteWebInside Facebook

【スタッフブロガー】三橋ゆか里

肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。ツイッターIDは”yukari77“。

個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!

これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。

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