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「蛇足は時を越える」〜2010年回想録 【増田(@maskin)真樹】


[読了時間:3分]

蛇足:僕はこう思ったッス
 みなさん、こんにちは。maskinです。
 僕がTechWaveにお邪魔するようになり10ヶ月半が経過しました。短かいようで、振り返るととても濃密でとても長かったという印象です。

 今、どんな気持ちかって? 幸せですよ。不安は一杯ありますが、今のコアチームと読者のみなさん、それを支持してくれる多くの方々がいる以上、将来うまくいかないわけがないという気持ちで一杯です。





 初めて湯川さんにTechWave参画の紹介をしてもらったのが2010年2月14日、よしやるぞと思った途端、3月に赤ちゃんを授かり、家族が重傷になり、過労で肺炎になったりと、いろいろな障壁やバイアスやらがあり、記事を投稿することもできない時期もありましたが、どんな状況にあろうとも、一瞬もネガティブなことを考えたことはありませんでした。

 「一杯お金をもらってるんでしょ?だから大丈夫なんでしょ」と誤解する人も多いようですが、当初から原稿料は頂いておりません。(というかTechWaveって組織でも会社でもない、インディペンデントの集合体なんで)記事毎に貼り付けたアフィリエイト広告収入は自分自身のものになりますが、1本あたり◯◯◯◯円という話ではないんです。しかしそれでも、自費で取材にいくし、海外情報を日本最速で発信したりします。その後、獲得トラフィックに対する若干のフィーを毎月頂戴するようになりました。地方在住でなかなか外に出られない生活が続く自分にとっては家計にプラスになるしありがたいのですが、それだけでは生活ができません。それでも、TechWaveで記事書くことで生計を成り立たせるという考えはありませんでした。

 では、僕にとってTechWaveにどんな価値があるのか?というと、それは「プラットフォーム」としての価値です。それは人の心でできています。信じがたいかも知れませんが、TechWaveには編集部がありません。コアメンバーを集めて編集会議をするなんて、多分一度もないような気がします(飲み始めちゃうしw けど、飲み会も数える程度です)。湯川さんは編集長・チーフブロガーですが、ありていな編集者のような指示やら指摘を受けたことはありません。(ひどい記事を公開して叩かれまくっている時も、各自が修正するので問題視しないですし、誰かが修正すればいいというスタンス)。コアメンバーの誰もが“やろうとしていること”を前向きに支援する、そんな空気がTechWaveにはあります。

Ustream 12時間生放送でやりたかったこと

 だから、僕は、とても自由にいろいろなことにチャレンジさせてもらいました。例えば、iPad発売日の5月28日、渋谷UstreamStudioで12時間生放送イベントをやりました。出演者総勢200名。視聴者はのべ1万人。 是非、イベントのUstreamアーカイブを見て頂きたいと思うのですが、僕は、今後数年でやるべきことの多くをこの放送に詰め込むことができました。iPadから、ブログメディア談義、女子トーク、電子書籍談義、アプリ、漫画、詞の朗読、スタートアッププレゼンバトル、Twitterドラマ、そして松浦俊夫さんとの特別番組。

 この企画は一人でマネジメントしましたが、当日まで宇都宮にいっぱなしで一度も誰かと会って会議をするようなことはしていません。すべてメールかTwitterでコミュニケートしていき、TechWaveのみんなが協力してくれたのをきっかけに、一度もあったことがない人がどんどんスタジオに来て無償で協力してくれたりしたんです。一歩間違えれば、空っぽの企画だったかもしれません。しかし、ネットでつながった人達を心の底から信じていました。(逆に旧知の友達はドタキャンしてきました)。

 先日「蛇足:僕はこう思ったッス「ソーシャルとリアル、そしてデジタルネイティブについて」 」という記事で僕はこう書きました。

ネットやITはバーチャルなんかではありません。小さきものに光を照て、人と人との縁をケアし、私達の生活を豊かに実りあるものにするものだと、僕は信じています

 まさにこの通りで、共感できる人同士は、ネットコミュニケーションで強力な関係性を構築できると思います。たとえ放送や渋谷にあるスタジオというリアルな接点であったとしても、その縁が崩れることはないだろうと思うのです。イベントは、そのような信念によって「人」や「思い」が紡がれていくプラットフォームとして考えていました。

プラットフォームとしてのTechWave

 TechWaveをプラットフォームとして考えることで、色々な希望が沸いてきます。もちろん記事は誰かの為に(まだまだ勉強不足ですが)書き続けたいと思いますが、それだけではないわけです。「ソーシャルアプリ部」などリアルのイベントを筆頭に、2011年はがんがんみなさんが実際に参加できる枠組みをオーガナイズしていきますし、独自のアプリやサービスも投入しようと思います。もちろん、ゲストとしてみなさんが思っていることをTechWaveプラットフォームでどんどん伝えていきたい。何かできることが一杯浮かんでくるんです。

 同業だとかライバルだとかそういうのではなく、共感できる人としてつながり、一緒に世界を変えてやると思える人と何かをやる、それがTechWaveなんだと思います。もしかすると、それはメインストリームじゃないかもしれません。蛇足のままかもしれない。けれど、それでいいじゃないですか。数万のフォロワーよりも、数百の仲間を大切にしていきたい。「TechWaveを◯◯まで育てたい」「自分自身の収入を◯◯くらいは得られるようにしたい」とかもちろん目標はありますが、まずはそこからで、夢を実現していくのは、その後でもいいのではないかなと思います。

 ですから、みなさんにお願いです。どうぞ、2011年は「TechWaveとのコラボ」を考えてください。全部はできないと思いますが、きっと一緒にできることはあるはずだからです。

時間を超えてやってくる大波

 最後に、僕と湯川さんとの出会いついてお話します。なんと、始めて会ったのは2009年後半。何かの記事の取材でご一緒した時でした。何時間かお話しましたが、そんだけ。湯川さんの記事はあまり読んでいませんでしたが、永年フリーのライターだった僕は、彼に弟子入りして修行させてもらいたいと思いました。その直後、2010年のTechWaveスタートからお声をかけて頂き、即決でJoinさせて頂きました。

 けど、10年前に接点があったんです。(この記事参照)米国カリフォルニア州サンマテオという町に住んでいたころ、スーパーをはさんで隣くらいの場所に住んでました。ありえない。。。。これを偶然だとは思えないんです。あのシリコンバレー北端の町で、偶然出会い、将来一緒に仕事をするなんて、絶対想像できないですよ(当時、現地の日本人の大半は大企業の米支社勤務とか留学組とかしかいないので、単独でウロウロ仕事している人は皆無に近い状態)。

 あの町やサンフランシスコ、シリコンバレーでの経験、あの時代の渦(バブルはじけ期です)、Techビジネスの可能性を生で感じたことを共有していることは、今、一緒にTechWaveをやらせてもらっていることにとても大きな影響を与えていると思います。

 今、世界から日本に到来しようとしている大きな波があります。それこそが「TechWave」です。その波に乗るために必要なものは全て揃っていると思うんです。蛇足レベルかもしれないけれど、時間を越え、場所を越え、その波に乗ろうとしている。世界を考え日本を見る。私たちTechWaveは、愚直にそれを支援していきたいと信じ続けている。それだけは間違いないのだと思います。

 湯川さん、オカッパさん、ゆかりん、かまたん、Asaedaさん、その他大勢のTechWave関係者。そして読者や支援者のみなさんとの出会いを心から感謝し、2010年を締めさせて頂きます。ありがとう!

著者プロフィール:TechWave副編集チョ・イマジニア 増田(maskin)真樹
 十代からメディアクリエイターとして企画設計からマーケティング、コーディングまでマルチな才能を発揮。週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で活躍。雑誌ライターとして90年代を疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスの起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導する。
 数年間の休眠後、現在TechWaveの活動を中心に、執筆や講演、コンサルティング、サービス企画&開発にコミット。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。DJやイベントオーガナイザー。
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