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米Appleは、CEOのスティーブ・ジョブズ氏(55)が医療休暇を取ると発表した。日常業務は同社ナンバー2のTim Cook氏(50)が引き継ぐ。この発表を受けフランクフルト証券取引所では同社の株価が8%近く下落した。
ジョブズ氏にとって過去6年で3度目の医療休暇になる。2009年1月に医療休暇を発表した際には、初夏までの復帰を明言していたが、今回の発表では復帰の時期を明らかにしていない。
前回は、すい臓癌が原因の肝臓移植のための医療休暇だったとみられている。今回の医療休暇の理由は明らかにされていない。New York Timesは医療専門家の話として、肝臓移植後に発生することがある免疫系の問題であれば命に別状はないと報じている。ただ癌が原因であれば、転移の可能性も否定できない。
17日の米株式市場はキング牧師生誕記念日の祝日で休場のため、このタイミングを見て発表された可能性があるが、ヨーロッパ市場では一時的に同社株が売られ、株価が8%近く下落したという。(関連記事:Apple Shares Down Nearly in Frankfurt on News of Steve Jobs Medical Leave | John Paczkowski | Digital Daily | AllThingsD)
Appleが発表したジョブズ氏がApple従業員に送ったメールの全文は以下の通り。病気療養中も同社の大きな戦略的判断には関与するとしている。
Apple CEO Steve Jobs today sent the following email to all Apple employees:
Team,
At my request, the board of directors has granted me a medical leave of absence so I can focus on my health. I will continue as CEO and be involved in major strategic decisions for the company.
I have asked Tim Cook to be responsible for all of Apple’s day to day operations. I have great confidence that Tim and the rest of the executive management team will do a terrific job executing the exciting plans we have in place for 2011.
I love Apple so much and hope to be back as soon as I can. In the meantime, my family and I would deeply appreciate respect for our privacy.
Steve
医療休暇でジョブズ氏不在でもCook氏と残りの経営陣がAppleの舵取りを問題なくこなせることは、ジョブズ氏の前回の医療休暇の際に実証済み。事実、同社のほぼすべての日常業務は既にCook氏が取り仕切っているといわれているほか、直近のVerizonのiPhone発売の発表イベントや10月のマック関連イベントでもジョブズ氏に代わってCook氏が登壇するなど、Cook氏が最近では「Appleの新しい顔」になりつつある。
ただジョブズ氏の長期的不在もしくは引退などの事態を受け、Cook氏を中心とした残りの経営陣がどの程度の力を発揮できるかは不透明だ。
Cook氏の経営者としての能力を問題視しているわけではない。Appleの強みは、製品のデザインや質に一切妥協をしないこと。それには、開発や営業、広報など社内のあらゆる部署からの要求をはねのけるだけの権力が経営者に集まっていなければならない。そこまでの権力と社員の尊敬を集めることができるのは、ジョブズが創業者でありながら一度は追放され、復帰後にApple再生を見事に達成したというこれまでの経緯があるからだ。どれだけ優れた経営者が後をついでも、ジョブズに並ぶほどの社員の尊敬を集めることは困難だろう。