サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

ジョブズ氏最後の大仕事 ビデオ革命まもなく始動=ジェフリーズ証券【湯川】

[読了時間:3分]
 米Appleのスティーブ・ジョブズ氏にとって後進に経営を譲る前の最後の大仕事であるビデオ事業がまもなく始動し、Appleの業績をさらに大きく伸ばすことになるー。米ジェフリーズ証券のアナリストPeter Misek氏がこう予測したレポートが大きな話題を呼んでいる。同氏は、Appleがビデオを見るための新しいタイプのデバイスが発売になる可能性があるとしており、Apple株をターゲット価格450ドルで「Buy」レーティングとしている。

 同氏は同事業始動の明確な事実をつかんでいるわけではなく、周辺事実から次のような結論に達したもよう。

・Appleのノースカロライナ州の大型データセンターが既に始動、もしくはまもなく始動する見通し。
 これは事実、Apple幹部が「今春から稼働する予定」と以前から明言している。

・同データセンターの横にもう一棟、大型データセンターを建設する。
 完成したデータセンターの敷地の横の敷地をAppleが購入。航空写真からも横の敷地が更地になっていることが分かる。また最初にノースカロライナ州にデータセンターを建設すると発表した際に展示されていた模型は2棟の施設が並んだものだった。



・米国内の別の場所と、ヨーロッパにも大型データセンターを建設する可能性がある。
 米国内の別の場所とヨーロッパで建設中のデータセンターがAppleのものかどうかは不明だそうだが、施設の作り方などの詳細がAppleのノースカロライナ州のデータセンターに非常に似ているという。

・ケーブルテレビ向け番組の制作会社がAppleを通じた配信について協議している可能性がある。
 これまでCablevisionのアプリを通じて番組を配信していた制作会社が、ドメインライセンスが切れたことを理由にCablevisionのアプリへの配信を打ち切った。これは実際には、Appleを通じた配信へ切り替えるためにCablevisionへの配信を打ち切ったのではないか、と同アナリストは推測している。

・音楽、モバイルなどの領域に続き、ビデオの領域にも革命を起こすというのがジョブズ氏の一環した夢
 同アナリストは、ジョブズ氏公認のジョブズ氏伝記本が2012年に刊行予定であるというところに着目。ビデオ事業をスタートさせることで、これまでジョブズ氏が推進してきたデジタルライフ革命に向けた施策がひと通り出揃うことになる。やるべきことはやったという達成感を得ることができるところまでようやくこれたので、伝記本の出版を初めて認めたのではないか、という分析だ。

・iTV、それとも?
 ジョブズ氏がここまで本気に取り組むのだから、他社が手がけるような単純なストリーミング配信サービスで終わるわけがない。恐らくこれまでにないような新しいデバイスを発表するのではないか、と同アナリストは推測している。iPhone、iPadなどをリモコン代わりの入力デバイスにした新しいテレビ、ビデオ視聴デバイスを打ち出してくるのではないか、という。サービス開始は恐らく2012年もしくは2013年で、月額10ドルの定額制でビデオ見放題のサービスなら、500万人から2000万人の利用者を見込めるとしている。そのサービスの収益の70%はコンテンツ提供者に支払うのでAppleにとっては大きな利益にはつながらないが、その一方でiPhoneやiPad、iPod touchなどのデバイスの売り上げ向上につながると指摘。2012年の売上予測は、1500億ドルから1710億ドルになると予測している。同証券のこれまでの予測である1340億ドルを大きく上回る予測だ。

【情報ソース】
Apple’s Assault on the Living Room and Video Is Coming: The New Halo Effect – International Business Times

Apple Ready To Launch “Far Reaching” Video Service That Will Disrupt Traditional TV Business

Will Apple Build Cloud-Based TV?: Apple News, Tips and Reviews «

Rumor Patrol: More Apple Data Centers? « Data Center Knowledge

蛇足:オレはこう思う
Appleがクラウドベースのコンテンツストリーミング事業に乗り出すという話はこれまでにもあった。今回新しく分かったことは、データセンターを増設しているということ。ということは、Appleはさらに大きなビジネスを見込んでいるということになる。

同アナリストの分析でおもしろいのは、ジョブズ氏が初めて伝記の出版に合意したのは、自分の考えていたすべての事業を実現できるところまできたから、というところ。確かにまだやるべきことがあると思っている間は、伝記本に協力する気にはなれないだろう。いよいよジョブズ氏のキャリアが最終章に達したということなんだろう。

最後の最後の大勝負ということなんで、当然サプライズはあるでしょ、という読み。だから同アナリストはテレビ、ビデオ視聴のための新しいデバイスの発表があると主張するわけだけど、そこは少々根拠が薄弱。確かにそれを期待したいことろだけど、果たしてどうなることやら。

モバイルバージョンを終了