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シリコンバレーがサービスの聖地だと思った5つの理由【堀井翔太】

[読了時間:2分]

TechWaveシリコンバレーツアーの参加者の一人、Zucks代表取締役の堀井翔太(@shota)さんが、シリコンバレーの印象をまとめてくれました。堀井さんは、ほかのツアーの参加者よりも早く米国入りし、where2.0のほかにAd:techにも参加したほか、ご自身で幾つかのスタートアップを訪問されました。今回のエントリーのほかにも参加したカンファレンスのセッションのもようをご自身のブログで報告されていますので、TechWaveではそれらに僕の論評を交えて、今後数回に渡ってダブルポストさせていただきたいと思います。(湯川)


堀井 翔太(@shota)

 先月、2週間シリコンバレーに出張に行って来て、たくさんのスタートアップのファウンダーに話を聞いたり、セッションを聞いたりしてサービスについて感じたことを書きたいと思う。

 まず毎日、TechCrunchで取り上げられ、いつもなら記事を読んでふ~んで終わるスタートアップのファウンダーに直接会ってサービスの話を聞けたり、カンファレンスのプレゼンを直に聞くことで、サービスをぐっと近くに感じることができた。


 本当にシリコンバレーはサービスで溢れていた。
※今回はスマートフォン周りのサービスに限定してます。

訪問した企業、聞いたセッションのサービス
・Google
・Forsquare
・twitter
・Facebook
・Zynga
・Groupon
・loopt
・GetGlue
・Kiip
・Checkpoints
・localmind
・Color
・ditto
・GroupMe
・yelp
・Fwix
・Foodspoting

理由1:天気が毎日最高に良い
 西海岸で2週間過ごしてみたけど、毎日が晴天で雨が降ったのは一日だけ、それでも珍しい方で ほとんどの日は過ごしやすい気候だった。
 これが直接な理由ではないけど、 気候も相まってどこか時間もゆっくり流れている気がして、間違いなく毎日、モチベーション高く仕事できると感じた。
 特にサンタクララ周辺なんかは遊ぶところもほとんどなく、会社毎が離れてるので渋谷みたいに喧騒もないし、そもそもじっくりにサービスを創るのに向いてるんだろうなぁと思った。
 サービス創るなら京都って感じに似ていた気がする。

理由2:マーケットが大きい
 具体的にこっちの端末台数がいくらかという数字があるわけではないけど、いくつかのスタートアップのファウンダーと直接話せる機会がある時は必ず、日本やアジアでの展開はどうするの?という質問をするようにした。
 スタートアップってのもあると思うけど、ほとんどは米国のマーケットで規模を作ってからという回答が多かった。むしろ日本のことあんま知らんねやろなぁというリアクションも結構あった。
 端末や人口考えてもサービスリリースしてのトライ&エラーできる機会も含めて米国から見て日本ってそんなになマーケットなんだなぁと思ってしまった。
 サイバーエージェントや日本のプラットフォーマーがサンフランシスコに現地支部作って、こっち向けにアプリ開発する理由も納得できた。

理由3:起業家とのエコシステム
 where2.0の方がスタートアップはたくさん来ていたけど、dittoのファウンダーがプレゼンをしていた時に僕は最前列で聞いていた。
 そしたら、隣の席におばちゃんが座っていて、首から下げたプラカードにはdittoの文字。
 プレゼンが終わってファウンダーに質問の列ができてた時、思い切っておばちゃんに『僕はditto使ってるんやけど、dittoの人なの??』 って聞いてみた。そしたら『ええそうよ。あーでも厳密には違うわ。』みたいな事を話されて意味わからんなぁと思ってたら、更に隣にいたお姉さんが『あなた知らないの?この人はFlickrのファウンダーよ。dittoにはアドバイザリー顧問で入ってるの。』って話してくれた。
 そこから会場で何度か彼女を見かけるようになったけど、質問タイムでも随所でファウンダーに指示したりとか、他のスタートアップにファウンダーを紹介したりしてた。
 投資の額もそうやけど、成功した起業家との接点、インキュベーション施設、スタートアップを紹介するセッションや賞金がでるコンテスト。
 高校生が出場するコンテストもあって、もうサービスを創る事を目的とした場所のような感じがした。

理由4:サービスを創るという文化
 Colorに会社見学した時も感じたけど、ほとんどの会社がサービスのマネタイズを考えてなかった。dittoのファウンダーもマネタイズはどう考えてるって質問にI don’t knowと答えてたし。
 投資する側もそれでも良いという文化が根付いてるんやろうなと感じた。
 あとは自己紹介する時に向こうの人は『お前はどんなサービス創ってんの?』って質問を大体されて、その都度、アドバタイザーだって答えてたけど、あーなるほどなぁと思ってしまった。こっちではほとんどのスタートアップがサービスを創ってるからサービスが自己紹介なのだ。
 他にもお前のサービスはUXはどうしてるんだ?という質問が結構あったのもそういう文化が伺えた。

理由5:これからのサービス潮流
 最後のはシリコンバレーといより純粋に感じた事を2つ。
 1つ目は昔からこっちで流行ったサービスを日本に持ってくれば成功するみたいなタイムマシン経営が流行ったと記憶してる。
 そのスパンがどんどん短くなってきていて、日本はシリコンバレーに近づいてるみたいな。ただ、ことサービスに関していうと、もう大体のサービスがローカライズの必要がないほどシンプルだったり、人間の本質的欲求を解決するものだったりするので国ごとのローカライズが必要なく、いきなり世界で通用するようなサービスがたくさん産まれてるように感じた。
 もう日本へのタイムマシンとかではなく、いきなり世界。スマートフォンの台頭で、舞台はもういきなり世界を目指す段階に来たんだということをまざまざと実感させられた。

 2つ目は今までGoogle、Yahooの”サーチ”の時代だったのが、”ディスカバリー”の時代へと移り変わってきている。これはいくつかのセッションでも示唆されていたり、Facebookの台頭も影響してると思う。

 最後に今回、ほとんどのスタートアップのサービスはAppだったので、あーこういうのが流行ってんのかぁという雰囲気を現地で感じ、日本では使えないサービスに触れることができたのも本当に良かった。直接、感想が聞きたい場合は@shota宛まで色々質問してもらえればと思います。

著者プロフィール:堀井 翔太

1985年、京都生まれ京都育ち。兄も同じ会社で働く双子の弟。

大学3年時に東京でのインターンシップに参加するため初めて上京。
そのまま東京在住。営業のインターンシップを1年ほど経験し、サイバーエージェントグループの株式会社ECナビに07年度新卒として入社。twitterアカウントは@shota

ECナビにてモバイルメディア事業、ECナビモバイル、朝日新聞社との共同事業『kotobank』、ディレクトリ検索事業、子会社adingoのモバイル部門等の立ち上げを経て、現在はスマートフォン広告事業を展開するECナビの子会社、Zucks代表取締役(@Zucks_PR)。adingoのモバイル担当取締役も兼任。

個人的にイベントの予定を友達とシェアできるサービス『eventap』作ってます。【http://eventap.net/

Blog URL:http://shotahorii.com twitter:http://twitter.com/shota

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