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ゲーム内広告の新星Kiipの19歳CEO、日本進出検討か【堀井翔太】

[読了時間:3分]

TechWaveシリコンバレーツアーの参加者の一人、Zucks代表取締役の堀井翔太さんのレポート第2弾。米サンフランシスコで開催された広告系のカンファレンスAd:techにおける注目企業Kiip(キープ)のプレゼンテーションの様子を寄稿してくれた。

 Kiipは僕自身も非常に注目しているスタートアップ。僕が取材した位置情報系カンファレンスWhere2.0自体にはKiipは出展していなかったんだけど、幾つかのセッションで登壇者がKiipのことを絶賛していた。

 下の動画(漫画の方)を見ていただければ概要は分かると思うが、Kiipはどんなスマートフォンゲームにでも組み込むことができるゲーム内広告のプログラム。

 ゲーム好きのユーザーにとってゲームって最も接触時間の長いメディア。人によってはテレビなどの比ではなく、何時間でもゲームの画面に向かっている。なのでゲーム内に広告を表示すればテレビCM以上の効果を得られるんじゃないかって、ずっと前から期待はされていたんだけど、効果のある広告をだれもなかなか開発できずにきた。だってちょっと考えれば当たり前のことだけど、ゲーマーってゲームに夢中で広告なんて見ていないからだ。

 ところがKiipはゲーム内でも効果があがる広告手法を開発した。

 簡単に説明すると、Kiipのプログラムが組み込まれているゲームは、敵を倒したり、一定のポイントを獲得すれば、クーポンなどが表示されるようになっている。位置情報とも連動していて、例えばハンバーガーショップでゲームで遊んでいたら、「この敵を倒せばフレンチフライを無料でプレゼント」というような広告が出る。ユーザーはフレンチフライ欲しさに一生懸命プレーし、実際に敵を倒せば、その達成感や高揚感に浸っている中で、フレンチフライを無料で受け取ることができるようになっている。店舗や商品に対してプラスのイメージがつきやすいわけだ。

 Kiipはこうした仕組みをSDK(開発者向けソフトウエアキット)として無料で配布しており、ゲーム開発会社は自由にこの仕組みを自分のゲームの中に取り込めるようになっているもよう。詳しい契約内容は分からないが、広告収益の一部はゲーム開発会社に入るのだと思う。ゲーム開発会社にとって新しい収益源となるわけだ。

 ね、すごいいいアイデアでしょ。

 そしてKiipのすごい点のもう1つは、このアイデアを思いついて起業したのが、弱冠19歳のBrian Wong氏というところにもある。インタビュー動画もあるので見ていただければ分かるが、受け答えも非常に堂々としている。堀井さん自身もまだまだお若いのだが、自分よりもさらに若いCEOに大きな刺激を受けたようだ。


  堀井翔太

 19歳のファウンダが作ったゲーム広告スタートアップ
Kiip、画期的な携帯広告モデルを発表―ゲームでの達成に応じて現実の商品をプレゼント(TechCrunch)

 adtechSFのstartupspotrightにkiipが登壇していたので、資料を共有します。ちなみにkiipは2階のスタートアップブースにブースを出展してましたが、カンファレンス開催中には一回も誰も来ず、 ずっとからっぽのままでしたw

ここでサービスのデモ。

Kiip: An Introduction from kiip on Vimeo.

Kiip: A Welcome from kiip on Vimeo.

 TapjoyのファウンダーのLeeLindenがインタビューに答えてて、聞いてる途中にぐっとサービスの納得度があがった。

 正直、TechCrunchに上がっている以上に目新しい情報はなかったものの、まず、19歳というCEOの若さと堂々としたプレゼンに驚かされた。

 他のCEOもほとんどがプレゼン慣れしてたけど、彼も同様で特にエモーショナルなプレゼンやった。これまでもカンファレンスを聞いていてプレゼン力が重要と思ったけど、この時ほど プレゼン力の必要性を痛感したことはない。

 また、kiipの資料にCPGとだけ書かれたスライドがあって、これはCPC、CPAのようなkiipの広告手法の指標なのかと思った。さしずめコストパーゲームか。

 あとは、上のスライドにもあった管理画面が用意されており、広告主はここからデモグラデータにそってターゲティングして広告を出稿できる。
 なので記事にもあった通り、女性が多そうなゲームに化粧品の広告みたいなマッチングが図れる。
 デモグラデータについてはデベロッパーが登録するのかユーザーがゲーム起動時とかに入力するのかそこまでは分からなかった。

 kiipの人気を裏付ける証拠に、startupspotrightは1時間に大体4つぐらいのスタートアップがプレゼンして、プレゼンが終わったあとの休憩時間に質問とかしに行くんやけど、kiipへの質問の列には長い行列ができていて、びっくりした。
 サービス内容もそうやけど、シリコンバレーでは若さが重要な要素なんだと実感できた。

 自分も並んで名刺交換させてもらい、同じく日本で展開するつもりはないのか聞いてみた。
 本当かどうかわからんけど、とても魅力的な市場で9月~10月ぐらいには一度、日本展開に向けて動くと言っていた。日本はモバイルゲームがさかんだからねと。

 結構、老練そうなお供の人を何人か連れてきてたけど、19歳のCEOで資金調達もバリバリ。世界は広い、俺はまだまだ。

 悔しいが負けずに頑張ろうと固く思えたプレゼンでした。

著者プロフィール:堀井 翔太

1985年、京都生まれ京都育ち。兄も同じ会社で働く双子の弟。

大学3年時に東京でのインターンシップに参加するため初めて上京。
そのまま東京在住。営業のインターンシップを1年ほど経験し、サイバーエージェントグループの株式会社ECナビに07年度新卒として入社。twitterアカウントは@shota

ECナビにてモバイルメディア事業、ECナビモバイル、朝日新聞社との共同事業『kotobank』、ディレクトリ検索事業、子会社adingoのモバイル部門等の立ち上げを経て、現在はスマートフォン広告事業を展開するECナビの子会社、Zucks代表取締役(@Zucks_PR)。adingoのモバイル担当取締役も兼任。

個人的にイベントの予定を友達とシェアできるサービス『eventap』作ってます。【http://eventap.net/

Blog URL:http://shotahorii.com twitter:http://twitter.com/shota

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